あらすじ
情報技術の発展にともない、ハードウェア、ソフトウェア、そしてインターネットはますます融け合い、それによって新しい世界の姿が現れつつあります。こうした世界においては、これまでのものづくりとは違う、設計のための新たな発想とロジックが必要です。
本書は、インターフェイス/インタラクションデザイン研究における気鋭の若手研究者、渡邊恵太氏の初の著書です。これからのものづくりのための最重要キーワード「自己帰属感」を軸に、情報を中心とした設計の発想手法を解き明かします。デザイナーやエンジニア、そしてUXやIoTの本質を掴みたい人に、是非読んでいただきたい一冊です。
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Posted by ブクログ
「透明性」と「自己帰属感」って概念を知れてよかった。
これらは開発に携わる人ならば、エンジニアやデザイナー、ディレクターなど知っておきたい概念だろうな、と。
以下、それらの概念についての説明。
透明性 = 道具を意識しないで利用できること。
例)トンカチを利用することで釘を打つことができる。つまり、人の力を拡張している。しかし使い始めると、自分の手の一部かのような意識となる。
自己帰属感=この体はまさに自分のものある、という感覚のこと。
マウスカーソルや、とんかち、鉛筆などには自己帰属感を感じやすい。そして自己帰属感は気持ちのいいものである。
スマートフォンが出た時、iPhoneだけが自己帰属感の設計が非常に優れていた。iPhoneの真似をしたスマートフォンは「自己帰属感」ではなく表面的な真似しかされていなかった。
そしてその自己帰属感はどうしたら感じられるかについて、この本で詳しく解説されています。
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて購入したが、内容は非常に面白い。
iPhoneのUIがなぜ素晴らしいか、GUIの設計がまるで融けるかのようにヌルっと動いており
この体験こそ、自己帰属感という感覚に基づいてるという。
少し自分が門外漢で浅いので、レビューにも深みはないが
デザイン工学は必要な分野であり、技術が進み、人に近いきめ細やかさが
出せるようになっている以上、この本に書かれていることを咀嚼する必要があると思う。
3回は読む予定。非常に面白い。
Posted by ブクログ
自己帰属感という概念が興味深かった。
日頃から感じているであろう概念ではあるが、それを腑に落ちる形で表現・説明されているのが良かった。
ただ、自己帰属感そのものはデザインそのものもそうだがユーザーの慣れの問題のように思えて仕方がない。
多くの人に素早く違和感なく慣れさせることを目指せばいいのだろうか。
この本では情報を取り扱うことを前提に考えている。
だから、そういった部分を掘り下げて言語化することで、情報を扱うデザインのコンセプトを打ち立てた、ということだろうか。
自分はデザイナーではないので、自己帰属感を出すにはどうするかという部分よりも下記が面白かった。
『生命感は、自己帰属しない動きの中に宿る』
昨今ではAIという言葉が乱立しているが、人々が思い描く人工知能の"人間らしさ"はこういった所から来るんだろうと思った。