あらすじ
オスが1パーセントしかいないギンブナ、オスからメスに性転換するクマノミ、ハーレムを作るゾウアザラシ、メスに貞操帯をつけるギフチョウ、一夫多妻のオランウータンと乱婚のチンパンジー、おしどり夫婦ではないオシドリ……人間が男と女で苦労しているように、実は、生物たちもオスとメスの存在に振り回されている。それは子孫を残すための熱い戦い。その悲喜こもごもの世界に迫る一冊!
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Posted by ブクログ
生物的にオスは遺伝子を多様化するためツールの役割。
自分の遺伝子を残す点においてはメスがなる場合が多い。
オスが妊娠するタツノオトシゴの話が面白い。
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面白かった。植物から魚、虫、哺乳類まで様々な性別と生殖行動について紹介されている。
ウグイスもカエルもオスしか鳴かない。イチョウの木に銀杏がなるのはメスの木だけ。知らなかったことが色々知れて良かった。ハーレムや弱者のオスの戦略もすごく面白い。
極端に大きいか小さいかで勝つことができる話は興味深い。
この本ではメスのためにオスは存在するという話だった。たしかに生物が繁殖するために生きているなら繁殖能力があるメス中心に回るのが普通なのかもしれない。
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進化生物学における有性生殖について幅広くコンパクトにまとめられていて、このテーマに関心がある初心者にとって最適。
生物の基本形はメスで、オスは遺伝子の多様性を生み出してより環境変化に適応できるようにするために存在するが、種によってはいろいろな変化形がある。そのあたりの紹介が面白かった。
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農学博士による、オスとメスの性別に関する話。いろいろな生物の性別に関する事柄を取り上げており面白い。気楽に読めた。
「オスにとっては、パートナーの数が重要である。メスにとっては、パートナーの質が重要となる」p59
Posted by ブクログ
『モテる構造』という社会学の本で、「できる男はモテるが、できる女はモテるとは限らない」と言っていて、生物学的にはどうなのだろうと読んでみる。もともと生物学的は、子孫を残すのはメスなので、メスにオスを選ぶ権利がある場合がほとんどで、だから、オスは孔雀のように羽をきれいにしたり、他のオスと戦ったりして、「できる」ことを主張するのだと。オスは、メスの資質に関係なく、数を打てるので、浮気性だと。『モテる構造』は生物学的にも言えている気がした。それにしても、オスとして生まれてきて、あまり、どちらが得かとか、考えたことはなかったが、この本によると、メスにはメスの、オスにはオスの役割があると。わかりやすい説明で書かれているので、あまり生物学に詳しくなくても読めます。
Posted by ブクログ
オスとメスの違いをテーマに「生命」を考察する作品。
生物の中にはメスの方が体が大きい場合と、オスの方が体が大きい場合の両方が存在する。メスの方が大きい生物は、女王アリのようにより多くの配偶子を生産することに特化しており、オスの方が大きい生物は、ゴリラのように家族や群れを守りやすいように進化した結果なのだ。
ハーレムを形成する動物の中では、オス同士の戦いに敗れ一生メスと交われずに死んでしまうオスもいるらしい。そんなオス同士は一箇所に集まって「悲しみの丘」と呼ばれる群れを作る、そしてハーレムのボスになったオスも、肉体的にハードなため短命の場合が多いそうだ。
結局のところ、子孫を残すためにはオスもメスも決して楽ではないのだ、しかし男女を問わず独身の人間が一番気楽に見えるのは気のせいでしょうか?