【感想・ネタバレ】南太平洋大決戦(2) 豪州攻略作戦!のレビュー

あらすじ

日本軍の陸海同時攻撃に
翻弄される米海軍
米船団に空母飛龍が迫る!

昭和17年6月23日、オーストラリア南方海域に一万トンクラスの大型貨物船が姿を現した。オーストラリアへの重要物資を運んでいると踏んだ特設巡洋艦赤城丸の艦長は鹵獲を試みる。
同年7月、日本陸軍は独立第一戦車中隊と独立第二戦車中隊、さらには整備中隊と独立自動車中隊を編入した支隊を改編し、クックタウン、そしてケアンズ攻略を目指す。
一方、空母飛龍と空母隼鷹、就役したばかりの空母飛鷹を編入させた、山口多聞少将率いる第二航空戦隊はポートモレスビー奇襲のため、ニューギニア島を一気に南下するのであった。

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Posted by ブクログ

 このシリーズに限らず、林の作品には毎回何らかのテーマがある。今回は「現場」だろうか。機械化に必要な整備に注目することで、陸軍の機械化がなぜうまくいかなかったのかをあるべき姿を示して検証している。現場経験の有無、すなわち「やっている」と「習った」の違いを上手く描いている。教科書通りにはいかない、全ての道具、材料があるわけではない戦場においては経験は大きな強みになるのは当然であるが、知識だけでだいたいのことはできてしまう現代においても、やはり最後に物を言うのは経験であることは変わらない。また、ワシントンからはポートモレスビー、クックタウンの状況、そしてオーストラリア国民の気分が分からないため、せっかくの空母を遊ばせてしまい、反撃の機会を逸する様子も描かれている。状況を肌で感じている艦長が命令がないために動けないもどかしさも合わせて描かれており、「現場」という視点がいかに重要であるかということを示している。

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2017年05月01日

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