あらすじ
両親に愛されずに育った少年、鉄二。心にあいた穴を埋めるように自傷行為を繰り返す日々は、やがて他人を刃で切りつけることで満たされる犯罪紛いの倒錯的悦びへとエスカレートしてゆく…。そんな十六歳の夏、木根商会の若き組長・杜若一鬼と出会った。冷徹な表の顔とは裏腹に太陽のような笑顔で鉄二を包み込む杜若。ただ彼の傍にいたくて…底なしの愛が欲しくて…鉄二は木根商会に入り浸るようになり…。凄絶なる究極愛!
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鶴巻!
『虎と竜』のスピンオフ
前作で出てきた鶴巻鉄二!前作ではいや〜な奴でしかなかった鶴巻だけど、生きてきた環境が全てを物語っておりました。好き嫌いがハッキリわかれるストーリーです。私は嫌いじゃなかった。
Posted by ブクログ
読後はなんて言うんだろう…
なんかこう全力疾走したあとのような、緊張感から解放されたかのような、そんな溜息が出ました。
なんかすごいものを読んでしまったって感じ。
おそらく評価が分かれる作品だと思います。
受は育った歪な環境により、自傷・他傷することに倒錯的な喜びを感じ、心を満たしています。
なので流血描写が多くあり、
一言で言うなら『狂気』です。
愛も幸せも分からない受は、ひたすら飢え乾き、
与えられてもなお、貪欲に攻を求めます。
これ、行き着くのは破滅なのでは?
と怖くなりながら読み進めました(((゚Д゚;)))
そして行き着いた先は……。
ゾワゾワが止まりませんでした。
ただ、確かに狂気なんですけど、衝動を止めたいけど止められない受の痛々しい気持ちも同時に書かれているので、なんかこう見守る攻も辛いな、と。
本編その後の話が良かったです。
本作は『虎と竜』のスピンオフ…になるのかな?
本作を先に読んでしまいましたが、あとがきを読むと『虎と竜』でこの受が生み出されたようなので、ならば『虎と竜』も読んでみようかな…。