あらすじ
失恋、結婚、転職、死別、昇進、引越しなど、人生は転機(トランジション)の連続です。その転機をどう乗り切るかが今後を左右しますが、焦って空回りしてしまったり、よくわからないまま次に進んで、同じ過ちを繰り返してしまうこともしばしばあります。一体どうすればうまく乗り越えられるのでしょうか。
本書の著者ブリッジズはもともと英語教師でしたが、キャリアコンサルタントに転職し、成功を収めました。本書はちょうど著者自身が人生の転機にあったときに書かれたものです。著者は人生の転機「トランジション」を「終わり」→「ニュートラルゾーン」→「始まり」の3つに分けて解説しています。
まずあらゆる状況には「終わり」があります。これまで自分が置かれていた環境や立場がなくなり、自分自身が何者であるのかも分からなくなり、将来も見えなくなります。
「終わり」を迎え、ぬけがらのようになってしまうのは「終わり」と次の新たな「始まり」の間の期間、「ニュートラルゾーン」です。
ニュートラルゾーンはこれまでの自分が失われ、先も見えない、とても苦しい時期です。しかし、ここで急いで抜け出そうとして焦って行動を起こしてはいけません。このニュートラルゾーンで「終わり」を受け止め、空虚感や喪失感をしっかりと味わい、真摯に自分と向き合うことこそが、転機を活かし新たな「始まり」を迎えるために必要なことなのです。
本書は転機のしくみと心の動きを解説し、ニュートラルゾーンでの苦しみをどのように乗り切っていくべきか助言を与えてくれます。あなたが転機や困難にぶつかり別れや終わりのつらさを味わっているとき、人生の方向を見失ってしまったときには、本書を頼りに一歩ずつ前に進んでみてください。
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Posted by ブクログ
自分自身への二つの問いかけ
1.人生で、今まさに手放すべきものは何か?
2.人生の舞台の袖で出番を待っているものは何か?
P130
p191
大切なのはトランジションのさなかにいる人に終わりを体験させることである。
p207
どうすればニュートラルゾーンの中でその意味を見出せるか
p212
現在をコントロールする者は過去をコントロールし、過去をコントロールする者は未来をコントロールする。
現在の状況が過去を意味付け、そのように意味付けられた過去が特定の未来を導いてゆく。
p213
過去を手放せば未来の可能性が広がっていく
p237
新しい始まりは誰でも簡単にできるし、しかも、誰でも苦労するものなのだ。新しい始まりを望む気持ちが大きい時には、まるで不幸に踏み出して行くのを止めるかのごとく、自分の中のどこかで抵抗が起こる。現れ方は多少違うけれども、誰もがこうした不安と混乱を抱えている。
そして、どのような形をとるにせよ、そうした動揺は、これまで自分を自分たらしめてきた古いあり方、ニーズに応えてきた古いやり方が新しい変化によって破壊されるのではないかという恐怖心から生じているのだ。
p248
重要なことを始める時は、結果に目を奪われすぎると、致命的なダメージを受ける危険がある。
面接を射撃のように考えるのではなく、クモの巣に張りめぐらされる糸として捉えたとだった。
それぞれの面接
彼に何かを教え、新しい人間関係。生み出し、彼自身の自己理解を深めた。彼は自分自身を、探しているものが見つからない人間というよりもむしろ、調査したり学んだりしている人間とみなすようになった。
Posted by ブクログ
解決策を提示するわけでもなく、自分の今の状況(はじまり、ニュートラルゾーン、終わり)を受け入れよう、思ったことや気づきをまとめよう、というアドバイスが現実的だと思いました。
あらゆるフェーズはモヤッとしたまま始まって終わるので、一人の時間をとって振り返ることは大事かも。定期的に一人になろう