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失恋、結婚、転職、死別、昇進、引越しなど、人生は転機(トランジション)の連続です。その転機をどう乗り切るかが今後を左右しますが、焦って空回りしてしまったり、よくわからないまま次に進んで、同じ過ちを繰り返してしまうこともしばしばあります。一体どうすればうまく乗り越えられるのでしょうか。
本書の著者ブリッジズはもともと英語教師でしたが、キャリアコンサルタントに転職し、成功を収めました。本書はちょうど著者自身が人生の転機にあったときに書かれたものです。著者は人生の転機「トランジション」を「終わり」→「ニュートラルゾーン」→「始まり」の3つに分けて解説しています。
まずあらゆる状況には「終わり」があります。これまで自分が置かれていた環境や立場がなくなり、自分自身が何者であるのかも分からなくなり、将来も見えなくなります。
「終わり」を迎え、ぬけがらのようになってしまうのは「終わり」と次の新たな「始まり」の間の期間、「ニュートラルゾーン」です。
ニュートラルゾーンはこれまでの自分が失われ、先も見えない、とても苦しい時期です。しかし、ここで急いで抜け出そうとして焦って行動を起こしてはいけません。このニュートラルゾーンで「終わり」を受け止め、空虚感や喪失感をしっかりと味わい、真摯に自分と向き合うことこそが、転機を活かし新たな「始まり」を迎えるために必要なことなのです。
本書は転機のしくみと心の動きを解説し、ニュートラルゾーンでの苦しみをどのように乗り切っていくべきか助言を与えてくれます。あなたが転機や困難にぶつかり別れや終わりのつらさを味わっているとき、人生の方向を見失ってしまったときには、本書を頼りに一歩ずつ前に進んでみてください。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
何か変えなきゃ、そう思っている人は必読の一冊。
トランジション
・「変化」とは状況が変わることであり、「トランジション」とは心理的に変わることである
・(子供を生んだ母親)どうしてこのこと(これほどまでに子育てが大変なこと)を誰も話さないのかしら。みな、新生活おめでとうと言うけれど、私はかつての生活を失った悲しみを味わっているんです。
彼らは人生の中で何かが「終わり」になる時に起こる予期せぬ衝撃について、あるいは、新しい「始まり」に向かって進む際に立ちはだかる潜在的な「終わり」について、多くを語らない。
→すべてのトランジションは何かの「終わり」から始まる。
・私たちは、新しい家に住むとか、仕事に就くとか、ある外的要素が一段落してから、自分がまだ古い結びつきから離れていない、何かが「終わり」に向かっていることに気づく。
・自分の「終わり」体験を振り返る。自分がどう終わりに対処するかを知るには、過去を振り返ってみることだ。あるルーチン的スタイルがあるかもしれない。
家族やペットの死、小学生の終わり、部活の終わり、転職、修学旅行から帰り、友人との別れ、など。
併せて、結婚、突然の成功、夢のマイホームへの転居などに伴う終わりは見過ごされやすい。困難を想起させるワードではないからだ。
・終わりのパターン
①関係の喪失:誰かと関係が終わった、配偶者の死、友達の引っ越し、離婚、子どもの自立、ペットの死、好きなバンドの解散
②家庭生活の変化:結婚、出産、配偶者の退職、家族の病気、再び学校に行く、家の新築
③個人的な変化:自分の病気、成功や失敗、食生活、睡眠、性生活、入学や卒業
④仕事や経済上の変化:解雇、退職、転職、異動、職位のUP or down、収入のUP or down
⑤内的な変化:精神的な覚醒、社会・政治的自覚の深まり、価値観の変化、新しい夢の獲得・放棄
・それぞれの人の性格は、人生の特定の段階に最も適合しているように思える、だから人生のその段階で人は最も自分らしくなる。
最も自分らしい生き方のできる時期はいつか?問題は、自分のイメージが実際の年齢とずれるのはいつかということだ。
簡単なトランジションリストを作ってみよう。
12歳:成績優秀なまま、小学校を卒業。上下関係におびえる
14歳:もてき。でもバスケに夢中。勉強はそれほどしなくてもできたが、3年生の受験間際にあまりに勉強していなく慌てる
などなど。
・若い頃の成長は獲得のように見え、中年以降の老いは喪失の様に見える。しかしそれは、春が獲得で秋が喪失の季節と言うくらいもっともらしさしかもっていない。
完全なサイクル(一生)にはどちらも必要なのである。
・夫婦関係で別れを迫られる際、コミュニケーションは重要。本当に相手に言いたいことを見つけて話せるかどうかよりも、お互いに「言い方」に工夫を凝らすことの方が上手くいくだろう。
・あまりにも長い間、自分が本当に必要としているもの、興味あることについて考えてこなかったため、もはや自分が本当に必要としているものどころか、自分自身が何者であるかすらも分からなくなっていた。
「汽車はひたすら走り続け、ついに燃料が切れて止まってしまった。私はもうすべて順調だという「ふり」をすることができなくなったのです。」
・配偶者の変化がパニックをもたらすのは自然なこと。それは、ある俳優の言動に相手役の俳優が台本通りに登場したり演じたりしない時に感じる不安に似ている。最悪なのは、台本に書いていない反応が返ってきた時である。
(なんてことだ!ノーって言ったよこの人。イエスって言わなきゃいけない場面なのに。どうしよう。このドラマはどうなるんだ?)
・トランジションに突き付けられ、2人はより完全な人間に近づくチャンスを得る。その時、二人の関係はより拘束力のないベースで再構築されるだろう。
・人間関係の形成には季節や転換期がある、このことを知っていると、このプロセスはかなり促進されるこういう見方をすれば、「問題」は解決されるべき悪いことや、修正されるべき失敗ではなく、物語の一章が終わったということを示すサインなのだ。
パートナーがこれを認識せず、共にプロセスを歩もうとしないときには、あなた一人で始めなければならない。こういうときには、パートナーの考えを変えたいという気持ちが強くなるだろう。
大抵明らかになるのは、終わりを迎えるのは何か外的状況でなく、双方が抱いている態度や思い込み、セルフイメージである。相手の援助が必要だと思っているあなたにこそ、実は援助を必要としているものだ。
・どちらかがある日、「あなた一人で夫婦のことを決めないで」という。解決策の1つは、最初はどちらのやり方で始めたか、次にそのやり方がうまくいかなくなったとき、どちらかのやり方dでやったかを見ていくしかない。
・第一に、もちろん、2人がそれぞれどんな経験をしているかをはっきりさせる。次に、トランジションという枠組みを使い整理し、古い取り決めを取り払いニュートラルゾーンに放り出されるのは常に混乱と困難を伴うことを理解する。
あなたが感じている苦しみは、相手が不当であるということを示しているのではなく、ましてや落ち度があることを示しているのではない。それは2人が大きな人生のトランジションの真っただ中にいるということであり、今はその通行料を取られているだけなのだ。
・関係がトランジションをむかえている人のチェックリスト
当面の措置をとる:より恒久的な役割分担が決まるまで当面の分担を相談する
些細なことでも自分のやり方を大切にする:細かい変化が心を乱すことがある
変化の良い面悪い面に配慮する
話し相手を見つける:カウンセラーでも親友でも話相手が必要。自分のジレンマや感情を言葉にすること
・ゲーテが指摘するように、人生の自然な発達パターンは、同一の夢を持ち続けるのではなく、過去の夢を手放し、生涯を通じて新たな夢を生み出すこと。
・社会的な成功が強調されるあまり、彼らが本当にやりたいことが楽しめることをするのを拒む
・多くの人は、人生の自然なトランジションの時期にキャリアについての支援を求める。ある時期がくると(35~55歳の間)、能力は動機づけの原動力として働かなくなる
・人生の状態を見極めるようなリトマス試験紙はない。特別な変化が何を意味してくれるかを教えてくれる「変化の種類や意味を記した一覧表」はないが、その意味を見つける可能性を最大にし、
それを人間関係や仕事の世界に応用する方法はある。
①人生で今まさに手放すべきものは何か?
②人生の部隊の袖で出番を待っているものは何か?
・90歳のあなたは混乱しているその時期の自分に同情するか?それとも、当時の自分の愚かさにいらだつか?その後の展開に嬉しく思うか?
それとも「人生の分かれ道での選択を誤った」と思うか?
自分が老人になったときから考えてみる。
・人は生きていく過程でいろんな「終わり」を体験しなければならないが、考えてみると、終わりをうまく処理できないことがずいぶん多いものだ。
・彼は今回の結婚について話したガリ、前の結婚に関する質問にはいらだった。彼は終わりを考えず、始まりが上手くいくことだけを望んでいた。
新しいことにとりかかるときには、「終わり」を処理する必要がある。新しく育つものは、古いものに覆われた場所には根付かない。
・われわれが過去に引き止めるのは内的な事柄である。外的な事柄だけに向き合う人たちも、人間関係を終わらせたり、離職したりするが、かつての自分から意味のある卒業をするわけではない。
(変えられるのは自分。外に変化を求めるのはできない)
・大切なのはトランジションのさなかにいる人に「終わり」を体験させること。もがき続けている人がいたら、そのプロセスにおいて、軟化を手放せないものがあるというしかない。
・ニュートラルゾーンのとき。裏道を歩いたり、講演で腰かけたり、映画を見たり、雑踏を眺めたり。一種の後悔した気持ちが芽生えるかもしれないが、ニュートラルゾーンの際には、
明らかに非生産的なこの空白のときはなければならない。日常に晒し続けると、従来のやり方以外では反応しにくい一連の刺激をあなたに提示して、あなたを「あなた」にし続けている。
だから、一人になって、無目的な行動をすることによってのみ、あなたを「自己変容(新しいあなた)」という重要な内的活動に従事することができる。
・ある人は、毎朝ほかの家族よりも45分早く起き、一杯のコーヒーをもって理分に静かに座ることで孤独な時間をつくった。ある日は仕事終わりの30分のジョギングで。
食べ物は質素に、少なく。読む価値のあるすばらしい小説などは家に置いて、娯楽によって気がまぎれないようにすることで、日常生活の影響から自由な場所が良い。
・一生に一度くらい、何か成果を出したり、何かを成し遂げたりしなくてもいいときがあっていいのだ。
Posted by ブクログ
終焉ーニュートラルゾーンー開始のトランジションはキャリアや発達を学ぶ人なら誰もが知っているが、その深い世界は本書を読まなければ分からない。改訂版はブリッジズが老年期を迎え、かつて見えなかった人生の新しい景色を目にしながら描いたことで、より人生とトランジションの論に真実味と迫力が加えられたように思う。
後半は特に文化人類学的考察で、伝統的社会が人の発達段階に儀式によって見事に寄り添ってきた様子が描かれる。対比する現代人である我々が、終焉やニュートラルゾーンと向き合うことなくいかに急足に人生や社会の変化に飲み込まれているかをわからせる。自殺や不登校の急増など現代的問題は、この自然な人の発達段階を丁寧に終わらせ又は再生し受け入れることを忘れたことから起こっているのかも知れない。
Posted by ブクログ
人類が、おそらくどんな世界に住む集団であっても、かつてはもっていた通過儀礼。それが現代では失われている。
人間は、喪失とか再生を繰り返しながら、進んでいくもので、その過程はとても苦しいけれど必然のもの。
だけど、現代社会では、そういった変化の過程を評価することがなく、何らかのトラブルさえ解決すればもとに戻る、と考えてしまう。だから、本来あるべき成長が、うまくいかないことが増えているのかもしれない。
よく考えると、学ばなくても知っていたはずのことを、今だから、きちんと学ばせてくれる本でした。
人生の苦しいことがなくなるわけでは当然ないんだけれど、それを受け入れられるようになる、示唆に富んだ一冊でした。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。