【感想・ネタバレ】マーケットの魔術師のレビュー

あらすじ

本書は、世にこれほどすごいヤツたちがいるのか、ということを知らしめたウィザードシリーズの記念すべき第一弾。ここには今や伝説となった、リチャード・デニス(タートルズ産みの親)、トム・ボールドウィン、マイケル・マーカス、ブルース・コフナー、ウィリアム・オニール(『オニールの成長株発掘法』の著者)、ポール・チューダー・ジョーンズ、エド・スィコータ、ジム・ロジャーズ、マーティン・シュワルツ(『ピット・ブル』の著者)など、トレード界の「ドリームチーム」とも言うべき、きらめき光り輝いている面々が勢ぞろいしている。
「本書を読まずして、投資をすることなかれ」とは世界的なトップトレーダーがみんな口をそろえて言う「投資業界での常識」である!
世界有数のやり手トレーダーたちは、いかにして年間―場合によってはほんの数時間で―数百万ドルも稼いでいるのだろうか?彼らの驚くべき成功の裏に隠された秘密とは?ジャック・D・シュワッガーが本書でインタビューに成功した、驚くべき人物たちのプロフィールを一部だけ紹介しよう。
・マイケル・マーカス
3万ドルの口座を8000万ドルにまで膨らませた猛者
・トム・ボールドウィン
2万5000ドルを手にトレーダーに転身し、1日に20億ドル相当のTボンド先物をトレードするスーパートレーダー
・ポール・チューダー・ジョーンズ
複数ある彼のファンドは5年連続で3桁の収益率を記録しているチャンピオントレーダー

目次
第一章先物と通貨
先物市場の神秘
インターバンク通貨市場とは
マイケル・マーカス/害虫被害は二度起こらなかった
ブルース・コフナー/国際派トレーダー
リチャード・デニス/伝説の引退者
ポール・チューダー・ジョーンズ/攻撃的なトレードの芸術
ゲーリー・ビールフェルド/そうさ、彼はピオリアに住みながらトレードしているんだ
エド・スィコータ/皆欲しい物を手に入れる
ラリー・ハイト/リスクをにらんで

第二章株式トレーダー
マイケル・スタインハルト/特異な洞察力
ウィリアム・オニール/芸術的な銘柄選択
デビット・ライアン/宝捜しのような株式投資
マーティン・シュワルツ/チャンピオン・トレーダー

第三章好対照のふたり
ジェームス・B・ロジャーズ・ジュニア/割安を買ってヒステリーを売る
マーク・ワインスタイン/高勝率のトレーダー

第四章フロアからの視点
ブライアン・ゲルバー/トレーダーになったブローカー
トム・ボールドウィン/恐れを知らぬピット・トレーダー
トニー・サリバ/“一枚野郎”の大勝利

第五章トレードの心理学
バン・K・タープ/トレードの心理学
トレード/私自身の経験

あとがき夢とトレード

著者/ジャック・D・シュワッガー
現在、マサチューセッツ州にあるマーケット・ウィザーズ・ファンドとLLCの代表を務める。著書にはベストセラーとなった『新マーケットの魔術師』『マーケットの魔術師[株式編]』『シュワッガーのテクニカル分析』がある。
また、セミナーでの講演も精力的にこなしている。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

トップトレーダーの成長過程がわかる。
非常に面白い。

・投資出身外の方もいる。
・投資は自己責任。急激に資本を伸ばしてくれる
 ものだが、反対に判断を間違えれば、急速に
 資本を奪っていくもの。
 →注文時にセル/バイポイントを入れておく。 
・1アイデアに対して、振り分けて良い自己資本は
 5%が目安。
・極力相関性の低い資本への分散投資。

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2022年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【みきまるさん株式投資本オールタイムベスト第4位】
【2017年度版第2位】

先物と通貨:マイケル・マーカス
「ファンダメンタル、テクニカル、場味、この三つがそろった時、初めて最高のトレードが可能になる。」
「僕の知っているトレーダーでトレードを続けている人は、例外なくバランスのとれた人生を送っていて、トレード以外の楽しみもしっかり持っている。」
「だからうまくいかなかった時にストップするポイントを決めておいて、早めに損切るようにした。そうすれば、だいたいいつでもよくなったのさ。」
「つまり、高いEPS(一株当たり利益)で低いPER(株価収益率)がいいわけだね」(シュワッガーのQ)

先物と通貨:ブルース・コフナー
「もし、自分自身がトレードに全精力を傾けられるのであれば必ず報われるという、一見誰でも見落としがちなことだった。ポジションをとって訓練を重ねれば、必ず儲けることができるということを教えてくれた。」
「一つは、今日とは全く異なった世界のことについて想像できる能力とそれが現実的にあり得ると考えられる能力だ。」
「そしてプレッシャーの中にあっても常に理性を保ち平静を装える能力、これが二つ目だよ。」
「もしファンダメンタル的に自信を持っていたとしてもテクニカル的に変化があれば、いつまでも最初の考えに固執しない。」
「そしてトレーダーが『…になってほしい』だとか『…であればいいなぁ』というのは破滅的な考えだ。」

先物と通過:リチャード・デニス
「結局は何と言っても損を最小に抑えて短期間で大儲けできる数少ないチャンスのために資金を留保するように努めるべきなんだ。」
「ある特徴によってトレンドを定義することよりも、一貫してトレンドに乗っていることを確認することの方がおそらく重要だろう。」
「小さくトレードしなさい。なぜなら、初めのうちはそれ以上悪くなり得ないほど出来が悪いからだ。自分のミスから勉強しなさい。自分の資金の日々の増減に振り回されてはいけない。一回一回のトレードの結果がもつランダムな性格ではなく、自分が正しいことをやっているかどうかに焦点を当てなさい。」(初心者のトレーダーに向けて)
「デニスのアドバイスの中で特に有益だったのは、トレードについて最も考えたくない時、つまり損をしている時こそ、最もトレードに集中しなければならないということだった。」(シュワッガーの結び)

先物と通貨:ポール・チューダー・ジョーンズ
「私はいつも新高値や新安値の手前で半分手じまい、残りはそのポイントを超えたら手じまうというようにしている。」
「私はトレードがうまくいかない時はポジションサイズを落とし続ける。」
「ナンピンをしないこと。トレードがうまくいかない時は枚数を減らすこと。」
「常に自分自身とその能力を疑ってみる。自分はうまいんだなどと思ってはいけない。そう思った瞬間、破滅が待っている。」
「カネ儲けに執着するな。自分が手にしたものを守ることに執着せよ。」
「トレードにおいて最も重要なルールは、巧みな攻撃ではなく防御だ。」

先物と通貨:ゲーリー・ビールフェルド
「一番重要なのは自己規律だ。二番目は忍耐だと思う。もしうまくポジションがとれたら、それを継続できなければならないわけだからね。三番目は相場に入っていく勇気だ。資金が充分あれば勇気も出る。四番目に潔く損を出せることだ。これも資金量と関係がある。五番目に、勝ちたいという強い願望が必要だ。」

先物と通貨:エド・スィコータ
「多くの良いシステムは、トレンドに追随することをベースにしている。生ある者は全てトレンドに従っているんだ。」
「良いトレードの要素とは、(1)に損切り、(2)に損切り、(3)に損切りだ。」
「(a)損切りは早く、(b)利喰いはじっくり、(c)ポジションは小さく、(d)躊躇なくルールに従う、(e)ルールを変えるべき時を知る。」
「トレードしていく上で、自分より優れたトレーダーを探すんだ。そして自分でも好きになれそうなやり方を何か見つけることだ。」
「勝っても負けても、皆自分の欲しいものを相場から手に入れる。負けるのが好きなように見える人もいる、だから、彼らは負けることによって手に入れるんだ。」

先物と通貨:ラリー・ハイト
「一つは、賭けなければ、勝つこともない。もう一つは、全てのチップがなくなれば、もう賭けることはできない。」

株式トレーダー:マイケル・スタインハルト
「ここぞという時にアクセルを踏める神経とスキルをもっているかどうかが、普通のトレーダーと特別なトレーダーの分かれ道である」(シュワッガーの結び)

株式トレーダー:ウイリアム・オニール
「上がらない限りそれは良い株ではない。」
「一銘柄の損は七%までに抑えるというのがわたしのルールだ。買値より七%下がったら、自動的に成行で売る。一瞬の躊躇もない。」

株式トレーダー:デビット・ライアン
「機関投資家が所有していることが望ましい。」
「唯一の最も重要なアドバイスは、自分のミスから学べだ。これがトレーダーとして成功する唯一の道だ。」
「売買日誌をつけることがライアンのアプローチには不可欠な要素である。株を買ったらその理由をチャートに書きとめておく。手じまう時や買い増しする時も、新しいチャートにコメントを付け加えておく。」(シュワッガーの結び)

株式トレーダー:マーティ・シュワルツ
「最も重要なのは、マネー・マネジメント、マネー・マネジメント、マネー・マネジメント。成功した人は誰でも同じことを言うはずだ。」
「自尊心なんてクソくらえ。金儲けの方がもっと大事だ。」
「損切りを覚えなさい。金儲けで最も重要なことは手に余るほどの損を決して出さないことだ。」

好対照のふたり:ジェームス・B・ロジャースJr.
「相場というのは私が思っているより上がるし、思っているより下がるものだ。」
「自分が何をしようとしているかわからない限り、何もすべきではないということをすぐに学んだ。」
(以下、シュワッガーの結び)
1割安を買う
2キッカケを待つ
3ヒステリーを売る
4注意深く選択する
5柔軟性を持つ
6従来の知恵に従わない
7損しているポジションは、どのような時ホールドすべきか、手じまうべきかを知る。「ファースト・ロスは、ベスト・ロス」

フロアからの視点:ブライアン・ゲルバー
「ナンピンは決してしないこと。」
「大きなサイズでトレードし過ぎること。利喰いが早過ぎること。」

フロアからの視点:トニー・サリバ
「明瞭な思考、集中力、厳しい自己規律。中でも自己規律が一番だ。理論を見つけ、それに厳格に従うことだ。ただし、その理論に誤りがあると感じたら、思い切って変えてみる柔軟性も必要だ。」
「市場を尊敬すること。何でも鵜呑みにしないこと。家へ帰ってからも勉強すること。毎日反省すること。」

【総評】
いわゆる青本。広く知られている歴史的名著。
多くの金言に彩られているが、中でもエド・スィコータの
「皆、相場から自分の欲しいものを手に入れる」
という有名なフレーズは、著者のシュワッガー自身が
最も気に入っているであろう、シリーズを通しての
時を超えた名言中の名言である。

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2017年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

マーケットの魔術師
・ウィリアム・オニールのCANSLIM
・C=四半期の1株当たり利益が前年同期比で少なくとも20-50%増の銘柄
・A=過去5年間の1株当たり利益の伸び率は平均で年率24%。さらに毎年の1株当たり利益がその前年を上回っていれば理想
・N=新しいもの(新製品、新サービス、業界の変化、新しい経営、新高値)を持っている銘柄。
・S=発行済み株式数が2,500万株以下の銘柄。
・L=先導株を買う。先導株の判断はレラティブストレングス(他の全銘柄と比較した過去12ヶ月間のパフォーマンスを計測するもの) レラティブストレングスが80以上(他の全銘柄を80%上回って上昇)の銘柄しか買わない。ただし、その値が株価の底値より10%以上高くなっている銘柄は買わないようにする。
・I=機関投資家の持ち株比率が極端に高すぎない銘柄。ファンドが1-20%くらい所有しているのが理想。
・M=日々の株価や出来高から相場が天井を打っていないかを知る必要がある。強気相場をリードしてきた株が急落したら、相場が天井を打ったという明らかなサイン。もう一つ重要なファクターは公定歩合。連銀が2、3回公定歩合を引き上げると相場はおかしくなる。
・個別株ではストップロスが必要。成長株ファンドは下げ相場でもじっとしているべき。急落したときは買い増しする。
・新高値で出来高が2倍になっていたら多くの人が注目しているから買い。
出来高が10%程度しか増えていなければダマシの可能性ある。
・株価が上昇しているときは出来高が増加した方が良いが、保ち合いでは出来高が減少した方が良い。保ち合い状態で出来高が上がると天井が近く多くの人がその株から逃げようとしていると見られる。
・ジム・ロジャーズの投資コンセプト
①割安を買う。割安であれば、タイミングを間違っていても大損はない。
②きっかけを待つ。底打ちした相場は長期間動かない可能性がある。何かのきっかけで相場の方向が変化するまで待つ。
③ファンダメンタル的に正しければ、
ヒステリーの逆を行く。
④トレードのためのトレードは決してしないこと。確率の高いトレードがくるまで金は寝かせておく。
⑤柔軟性を持つ。特定の市場にしかトレードしないのは自らのチャンスを制限する
⑥従来の知恵に従わない。
・損切りは素早く、利食いはゆっくり。このルールは大抵の人は守れない
・損は成功するためのコストである。

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2025年10月09日

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