【感想・ネタバレ】P+D BOOKS 不思議なソオダ水のレビュー

あらすじ

酒からSFまで……バラエティ豊かな短篇集。

[──何だね、これは? 水を呉れと云つたぢやないか。
──あら、ソオダ水の方がいいと思つたものですから。
ソオダ水を三杯お替りしたマノ氏は、何やら日頃の気難しい顔は椅子の下に捨ててしまつたのか、たいへん上機嫌な赤い顔をして一人の女と話をしてゐた。
──先生のお髭、素敵ね。
マノ氏は八字髭をひねくつて満更でも無い顔をした。]
酒も煙草もたしなまず、女性にも縁のないマノ氏が、酒と女性にはまっていく様をユーモラスに描いた表題作のほか、あらゆることにだらしのない元妻に脅迫される気の弱い男性が主人公の「乾杯」、飲み仲間の男性3人が、若くて楚々とした女性をめぐって争うものの、みな手玉に取られてしまう「不可侵条約」、SFチックなテイストの「女雛」「焼餅やきの幽霊」など、バラエティに富んだ10話からなる短篇集。

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Posted by ブクログ

重い本を読んだ後で、軽い作品が読みたくて短編集のこちらを手に取りました。

やっぱり古い言葉遣いは心地良い。穏やかな気分になります。
「さう」とか「せう」とかの歴史的仮名遣い+「さうぢやなくつてよ」みたいな話し方が、私はしっくりきて落ち着きます。

人名がカタカナ表記なのが斬新でした。カタカナにするだけでこんなに変わるのかと。マノ氏と書くと海外文学っぽいから不思議。

小沼丹さん、やっぱりいい。好き。

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2025年12月11日

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