【感想・ネタバレ】[新版]未来を予見する「五つの法則」~世界はどこに向かうのか~のレビュー

あらすじ

欧州最高の知性、ジャック・アタリ絶賛の書! 弁証法と複雑系の思想によって、パンデミック、AI、遺伝子工学、資本主義、民主主義、宗教、科学、アート、そして「不死」の未来を縦横に語る。第一部 未来を予見する「十二の洞察」/第二部 未来を予見する「五つの法則」/第三部 人類が直面する「五つの危機」。※本書は、単行本『田坂広志 人類の未来を語る』に加筆・修正を行い、改題して新書化したものです。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

【未来を予見する「五つの法則」】 田坂 広志 著

 本書は、『田坂広志 人類の未来を語る』を加筆・修正した新版。ジャック・アタリ氏が同書を読み、やり取りを重ねるなかで再構成したとあります。田坂広志氏の著作は複数アップされていますが、同書も本書もホリホリしても出てこなかったので掲載します。

 『人類の未来を語る』も読んだのですが、改めて本書を読むと、著者の鋭い洞察に感銘を受けます。「五つの法則」とは、①螺旋的プロセス、②否定の否定、③量から質への転化、④対立物の相互浸透、⑤矛盾の止揚、のそれぞれによる発展の法則のこと(詳細は本書にて)。

 「砂浜で砂山の頂から水を流すとどのルートで水が流れるかは予見できないが、水は必ず低きに流れていく」と、個々の未来を予見はできなくとも、「大局観」をもとに未来は予見できるとし、その鍵が上の5つの法則であると提起します。氏の深い洞察には、いつもながらに感心させられ、「欧州最高の知性」と言われるアタリ氏を唸らせたのもわかります(個人的には、我々の「人生」そのものが「アート」に他ならないということにも痺れました)。

 平易な文章で書かれていますが、内容は深遠。田坂哲学の総まとめとも言え、「大局観」を養うには最適な一冊と言えます。

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2025年11月20日

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