あらすじ
改めて問う、オバマ大統領は黒人も白人もヒスパニックも平等に暮らす社会を築いたか。リッチな経済大国の夢と理想を堅持しているか。世界の平和を守ったか。一部に富が集中する不公正や、奴隷制の暗黒史を「CHANGE」したか。答えは、どれも全くできていない。それどころか金融緩和を繰り返してお金を空費し、戦争をする体力すらない。だが日本の経済学者はわが国の財政赤字を批判しても、アメリカの財政赤字は批判しない。なぜか。「基軸通貨国だから」「世界の超大国だから」というのは理由にもならない。「アメリカの悪口を言うとアメリカ人から睨まれる」、それだけである。だが、そんな事を気にするのはインテリや政治家だけで、日本の庶民はアメリカの意向で生きているわけではない。アメリカの文化や社会に憧れてもいない。「別にアメリカと付き合わなくてもいいんじゃない?」と思っている。果たして、正しいのはどっちか?本書でご判断いただきたい。
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Posted by ブクログ
日本の大衆は賢い。戦後レジームからの脱却を目指し行動する安倍氏を選んだ。
マスコミから流れてくる、良く聞くことと違う見方、考え方もあるんだと思いました。
Posted by ブクログ
社会人になってから読み続けている日下氏による最新刊であったのと、帯に書いてあるフレーズ(2013年,「世界の崩壊」に備えよ!)に惹かれて手に取ってみました。
読んでみると、今年(2013)に世界が崩壊するわけではなさそうですが、日下氏は「世界が崩壊する」根拠を日本との比較を交えながらこの本で解説しています。日本が崩壊するという本が出ている中で、彼は、米中欧が衰退していくとしています。
先日、私が住んでいる所の元市長さんが日本が破産すると解説している本を読んだところですが、今回はこの本を通して改めて「日本の強さ」を確認してみようと思いました。
戦後に始まったインフレの原因(戦争に負けたからではなく、米軍の日本でのぜいたく暮らしの経費を日本が払ったから)に関する記述(p89)は、私にとっては新たなものでした。
以下は気になったポイントです。
・日本が世界に誇るのは、大衆(民衆)が持っている力と英知、各国の知識人は欧米の物真似をする日本のインテリをバカにする一方で、日本人の精神・技術力・文化には歯が立たないことを知っている(p18)
・欧米社会は「我思う、ゆえに我あり」が前提なので、「私には考えがあります、それは答えられます」という態度を取らないと人間扱いされない(p31)
・日本人が自我をだして自己PRをしたがらないのは、キリスト教のように絶対的な神様がいないので、各自が自我を主張すると社会がまとまらないから(p32)
・オバマが当選したのは、ヒスパニック・アフリカ・アジア・マイノリティ層・女性層が支持したから、ロムニーは白人の6割を取得したが当選できなかった(p48)
・2012.11には、テキサス州はじめ20州の住民が、アメリカからの分離独立を求める請願をホワイトハウスへ提出した(p49)
・第一次世界大戦時、ドイツと英仏が戦ったが、アメリカは英仏についた、理由の一つとして、アメリカが英仏にお金を貸していたから(p60)
・アメリカでは徴兵制は敷けない、戦死者を出せない軍隊になっているので、危険任務は民間戦争下請会社にやらせる(p75)
・アメリカでは家族誰かが軍隊に入ると、家族全員の健康保険がもらえる(p75)
・アメリカの多くの刑務所は民間企業が運営している、囚人は途上国並みの安い労努力であり、現代のアメリカ奴隷制度といえる(p77)
・大統領の軍最高司令官は、大統領令で開戦可能、45日以内に議会に追認を求め、承認しなかった場合は撤退となる(p80)
・ローマには三種の階層(奴隷・一般市民・貴族)がいて、働くといっても、レーバー・ワーク・アクション(自分の好きなことをする)の3種類があった(p84)
・ギリシアをユーロに加えたのは、マーケットを拡大すると良いことがあると考えたから、欧州の没落はスケールメリットを考えた時点で始まっている(p97)
・中国や欧州が真似できないのは、人間の質(乗客、掃除の人)が異なるので、10分とか15分間隔で走れない、サービス速度は追いつけない(p102)
・イギリス外交は英国国教会の牧師、アメリカは各種財団法人(シンクタンク)、日本の場合は商社(p115)
・EUが消えても、BRICSやVISTA、META(中東、北アフリカ)のマーケットが大きくなっているので困らない(p116)
・日本は40年も前に人工衛星を上げて成功させている、これは大陸弾道弾であり、あとは原爆を載せるかどうか(p119)
・ポケモンや「ドラゴンボール」が世界中に受け入れられた理由の一つは、戦うだけではない平和的なストーリーにある、戦った相手と手を取って最後は分かち合う、という日本アニメの感化力は強い(p134)
・アジアが日本の若者文化の海賊版だらけになっても、日本は日本文化を好きになって広まれば嬉しいと考えているのか、裁判を起こそうとしない。日本人クリエーターは裁判よりも、より新しいものを創造することが好き(p136
・阿倍首相は、真正面から抵抗勢力の官僚、族議員、マスコミと対峙した、そして、改正教育基本法と関連三法、防衛庁設置法等改正、国民投票法(憲法改正手続き法)等の重要法案を成立させたが、その業績は正確に伝えられなかった(p163)
2013年3月31日作成