【感想・ネタバレ】人生の旅をゆく2のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いろいろと話題になっていた前作(?)を読まずしてこれを
読み始めてしまったけど後悔はなし!
最初の1行を読んで面白いと確信できたし、表紙が私好みだから!!

実は『イルカ』を読んで感動はしたけれど、よしもとさんはこのまま丸くなって
しまうのかしら・・・・と少し残念に思っていてしばらく彼女の本を読まなくなっていた。
しかし、丸くなるどころか今までなかった引き出しが増えて、
中身もたくさん詰まっていて、嫌な部分が魅力に変わったような(感覚的に!)
嬉しい変化がはっきりしてきたエッセイ集でした。
上から目線ですみません!!

震災でたくさんの人が亡くなって、人々の生活や考え方などが変わって
混乱して混沌として、よしもとさん自身にもたくさんの試練があった。
それでも彼女はふてくされるでもなく、開き直るでもなく、ただ目の前のことを
受け入れてやるべきことをやって楽しんでいる姿を見て、私はくよくよ悩まなくなったし
新たな動力を得たように動けるようになった。
今年、よしもとさんの本を何冊か読んで、自然とそういう自分になっていたことに
今日気が付いてびっくりしている。
身近な人たちの悲しい出来事に心を痛めすぎることもないし、
自分にふりかかった不運なことやいじわるな言葉に対しても
冷静に考えて、何が悪かったのか私はこれからどうすればいいのか
考えられるようになった。

ああ~活気がないなぁと思っているところで自然とお子さんができた
という話に少し感動を覚えた。
彼女は子どもが、育てることが必要だったのかもしれない。
大変そうだけど、以前より生き生きとしているようにも見える。

衰えていく親や本人に元気を取り戻すために子どもを産むということも
間違ってはいないと思うし、子どもがいる人が楽しそうだから子どもを産みたい
というのもありだと思うけど、私の場合はどうなんだろうと考えてしまう。
祖父祖母になる人も親になる人も活気や楽しさを子どもで取り戻そうとしている人、
意外といる。
「子は鎹」と言うけれど、2人の結束を子どもで確かなものにしようとか、
離れている心を引き寄せようと子どもを作るのはよくない場合もある。
もちろんすごくよくなる家庭もあるのも事実だけれど。

子どもに希望や夢を求めすぎると悩みの種になるととたんに親は
放棄したり、カリカリ怒ったり、泣いたり、がっかりしたりする。
そうなると子どもはとても傷つくものだ。
子どもがいない私でもわかるのにどうしてわからない人がいるのだろう!
まるで動物みたいに子どもを人に預けたり、また引き取ったり、
人形のようにかわいがって怒れなくてすごくワガママな子どもになって
大変な思いをしたり、お金をかけることが愛情と勘違いしたり、
学校になじめなかったり、留年したり退学したら人生終わり!と嘆いたり、
障害や病気があったら即不幸になるに違いないとか考える。
嘆いたり、不幸になると嘆いているのは子どもより親がプライドを傷つけられたり、
世間体がとか自分が不幸になることを恐れているのではないのだろうか。
今の社会は子育てするにはきびしいからそう思ってもしょうがないこと
なのかもしれないけれど、悲しいことだなと思う。
なんて夢がないことを!と思うかもしれないけれど、身近で実際あったこと。
子どもはただいるだけで、育っていくだけでいいという大らかな人が
多くなりますようにと心から願う。
だいぶ脱線したけど、子育て、生活するということについて考えさせられたので
書いておきたいと思った。
子どももいないのに偉そうに!と思う方はどうぞコメントをください。

今年母が入院して、今は元気だけれどいずれ親は死んでしまうんだなぁということも
考えることができたのはとてもよかったと思う。
親が元気な間に親子を思う存分できるからだ。
恵まれた環境で育ったと思っていたよしもとさんでさえ親子間でわだかまりが
あったということにも少し驚いた。
お母さまのことがあまり話題にならないからどうしたのかなと思っていたんだけど
お体が丈夫ではなかったとのことで、子どもの頃いろいろ苦労があったと思う。
子どものころをのよしもとさんと想って少しさみしくもなったが、友達との
関係性を読んでいてあたたかな気持ちになれたし、ほんとうにやさしくて
人間味のある人だなぁとますます好きになった。

悲しみや恨みや負の感情に沈み込んでいくことはある地点を過ぎると
快感になることがある。
負の感情はなぜか脳にとっては心地よい刺激になるらしいのだ。
それを理解したうえで、楽しいことややらなければいけないことに目を向けて
生活しないといろんな意味で破綻してしまうだろう。
もちろん怒ったり、悲しんだりする必要は人生の中で何度もある。
でも、その中に溺れて前に進むことをやめてしまうと人生が止まってしまう。
最悪の場合、ある意味人生が終わってしまう。
私はそうならないようにしようと心から思う。

ぼんやりと思っていた「女性はガツガツ外で働かない方がいい人がいる」
ということや「お金がなくても夢があるというシアワセ」理論をよしもとさんが
小説やエッセイで証明してくれている。
私も行動でそれを証明できればと思う!

私、もし彼女に会うことがあったら告白してしまうかもしれない(笑)
それくらい大好き。
文章とギャップがあって失望してしまうのかもしれないけれどそれでもいい。
それでも存在していてほしい、ずっと書き続けてほしい作家です。

こんなに褒めているけれど、日記の方が好きなので★は4つで!

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2013年05月27日

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