あらすじ
ギミックメーカー・森バジル、デビュー作!
殺人事件、M-1優勝を目指す高校生、未来からの使者、魔族の戦、男女の恋…カオスな世界はどう繋がる!? 第30回松本清張賞受賞作。
単行本 2023年7月 文藝春秋刊
文庫版 2025年9月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
ヤクザの組織内で殺人があり、それを解き明かすため、一風変わった探偵とそれに振り回される助手。
推理小説かと思ったら次の章では、母を亡くした少女が、亡き母が笑ってくれるように同じクラスの男子と「M-1チャンピオン」を目指す青春物語に切り替わる。
かと思ったら、しっかり設定の練り込まれた近未来の科学文明の話に切り替わり「え、あ、、、未来の科学力が現代にあったらっていう設定か」と読み進めると、魔法を使って戦争を繰り広げ、闇世界に追放された魔法使いが主人公のSF濃厚の世界観に切り替わる。
物語の熱量が上がった後に、人の顔が覚えられないという稀有な病を抱えつつも、勇気を出して恋愛に踏み出す女性の話に。
1冊で5つの種類を楽しめるのが本書。
でもこの本の特殊さはそこじゃない。
5つのジャンルの異なる物語は、全て同じ時間軸で、全て同じ町でほぼ同時に発生していたのだった。
目次は下記
第1章:推理小説「探偵青影の現金出納帳」
第2章:青春小説「イチウケ!」
第3章:科学小説「FUTURE BASS」
第4章:幻想小説「ラクア=ブレズノと死者の記憶」
第5章:恋愛小説「恋と病」
エピローグ
文庫書き下ろし特別掌編 私小説、あるいは歴史小説として
推理をしながら助手と話した「M-1」の話。ただの雑談だと思っていたが違った。他にもすれ違った人の会話、落ちてた棒、遠くで聞こえた花火、突然現れた塔、たまたまそこにいた男性の話し声。
全部が、そう全部の話が繋がってた。
こんなにジャンルが違うのに。
最後まで読み終わった後、そのままもう一度第1章に戻った本。
これは面白い。
Posted by ブクログ
色々なジャンルの小説があらゆるところで繋がり、繋がっているからこそ登場人物がそれぞれ救われる。
整合性をとるのが難しそうだが、最後までまとまっていた。
最後のQRコードの件も仕掛けがあって面白かった。