あらすじ
国際数学オリンピックに挑戦する子どもたちを教える英才セミナー講師が、上位入賞する子たちを観察して知った特徴、それは……。
「小学校1、2年生頃までは公文式の教材をやっていた」
「中学受験は熱心にやり、進学校に合格している」
「ピアノか囲碁将棋が趣味で、数学の勉強をやるときは熱中型である」
「ただしあまりきちんとした子は少なく、教材管理はできないし、字が汚い」
「工夫する力と洞察力にすぐれ、幾何が得意な子はイメージする力もとりわけすぐれている」
「物事を比喩的にとらえる感覚を持ったものが多い」
では、そこから数学の能力を伸ばす方法を抽出すると?
算数や数学が好きな子に育てたい親御さん必読の名著が携書になりました。
話題を呼んだ「数感を伸ばす練習問題10」も、もちろん収録。
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Posted by ブクログ
部下育成にもつながる。
・脱パターン丸暗記のステップ
①問題の類似に常に注意を喚起する
②似たような問題や、1つの問題が発生している様子を、ストーリーとともに覚える
③類似の問題を自分で作ったり、問題の拡張を考えたりする
以上の習慣を日常的に養う。
・難問に当たった時のフィードバック。基本の考え方は、実験、帰納法、対応、普遍量、ペア、置換、背理法などの論理など1度典型的な問題に結びつけて覚えてから、自分で絶えず意識的になっておいた方が良い。
小学生なら、前に見たどんな問題と似ている?どんなことに注意すれば良いか?程度で充分。
・問題に対するブレインストーミングを1人でできるようになるまで訓練するのが、数学の発想を得る唯一のコツ。
・数に親しみ、数の感覚をほぼ暗記するように身に付けた方が良いことは間違いない。この力5.6歳から小学3年生にピークを迎える。この能力を開発し、利用して数に親しませる公文式には相当の効果がある。
Posted by ブクログ
数学についての本だが、習得するための力は数学にとどまらず、日常生活にも必要な力であると感じました。数学は万物に通ずる。読んだ本が付箋だらけになりました
Posted by ブクログ
数学力とは何かが非常によくわかる本でとても興味深かった。
数学ができるとは、イメージ力に優れ、構造化された記憶をもとに自分の数学世界を持ち位置付け能力を持つ人だという。
確かに自分は何パターンも暗記してもそれらが位置付けられておらず使いこなせてなかったなと思うし、コツコツ問題集を回すのではなく立ち止まって熟考する時間を持つべきだったんだろう。
こうした数感の育て方は、徹底した暗算能力を身につけ、どんどん先へ進み頭の中で解けるようにする、とのこと。
どこまで子どもにできるか分からないが、心がけていきたい。
Posted by ブクログ
読むタイミングによっては、やる気が逆に無くなりそうな本、真っ当なことが書いてある分。。全体的には数学の個別分野の知識のインプットだけじゃつまるので、勉強を通じて必要な筋肉を鍛えるべきだ、という論旨。たしかにね。
そもそも生半可な気持ちでやるもんじゃないと何度も書いてあるのが印象的で、ずっと続けているうちにピンとくるタイミングを捉えるってのが良いのかもなと思った。
数学の学び直しを始めて、学生の頃より分かる深さが上がった気がするのは、結びつけて考えることのできる経験や、そもそも具体的抽象的という思考が身についているからなんだろうと思う。
意識的にできることとしては、問題によって鍛えたい筋肉を意識して解くこと。記憶の瞬発力なのか、問題のイメージを作ることなのか、論理を精密に言うことなのか。
特に問題の意味、問題の表す表現のイメージを頭の中に組み立てるのが比較的苦手になった気がするので、たまに紙を使わずに考えみるのも良さそう。
Posted by ブクログ
もっと早く知りたかった。
しかし若い内に聞いてもピンとはこなかっただろう。
自分が典型的な詰込み暗記型で、イメージ力が欠如しているということが初めて分かった。
(すっかり自分では数学脳である気がしていたが、まったくの勘違いだった)
中学まで数学は得意だったが、高校に入って全然ついていけなくなったのは、こういう事情だったのか。
これはいい恩師と出会って「その勉強法ではダメだ」と言ってくれないと、今の教師制度では、自分では絶対に軌道修正できないわ。
公式を覚えることだけに一生懸命だったから、今でも応用的な解の探し方が出来ないのだな。
これは相当に奥深いが大事な点だ。
数学もスポーツや音楽と同じで、「どの年代でどういう勉強を」というのが大事と説く。
スポーツの場合は完全に「ゴールデンエイジ」と呼ばれる9~12歳の間に、基本的なことをやらないと身に付かない。
バスケで言えばドリブルワークだったり、テニスで言えば打ち返しのフォーム。
サッカーもドリブルスキルやリフティングだ。
これは感覚的に理解できる。
自分の子供の頃に行っていた感触が残っているからだし、自分が大人になった際の経験則からも明らかだ。
数学ままったく同じだったということ。
適切な年代の時に、適切な数学の学習をしなければ、まったく将来役に立たないということだ。
これは耳が痛い!
(なぜなら自分にも息子にももう遅くて間に合わないから!)
「数学に感動する頭をつくる」結構本質なのではないか?
頭の中にイメージを作れるようになることがいかに大事なことなのか。
それは実生活にも必ず役に立つだろう。
(2019/12/5)
Posted by ブクログ
「数学力」という能力はない、という考え方を明言されている段階できっと興味深いというか、考え方が近いのだろうと思って読み進めることができた。数学オリンピックに出ている子たちの能力がどんなにすごいかは想像もできないが、そういう子たちの過去にさかのぼっているところが机上の空論ではないとことを物語っている。ただその過程の分析はかなり甘いとは思うが。
単純計算の方法を掴む過程で、頭を鍛えているからこそ、難易度の高い数学にも意欲的に望んでいけるようになるのだろう。ただ作業的にやっていて、計算だけができるようになる子が、そういった知的好奇心に目覚めるわけではない。その単純計算を楽しくできるためには、やはり幼児期の働きかけや環境が重要である。
あとがきに書かれている、「よい教師、悪い教師」は、そのまま親にもあてはまる。数学に関わらず、どれだけ子どもの頭を使うような対応を日常的にしているかで、すべてのものに取り組む姿勢が変わってくる。
Posted by ブクログ
数学に対する感性というのだろうか、「数感」を鍛えるための方法について著者の持論を伝える本。
記憶力、イメージ能力、発想力、推理力、構想力、位置付け能力、洞察力などの開発方法に分解して解説している。
著者が発刊している問題集にもその思想は強く出されているが、暗算と特に図形の問題に見られる頭のなかでのイメージ力養成の重要性を説いている。
自身の経験に照らしてなるほどと納得できるところは多いと感じたが、実践には指導者にとっても根気が必要だと思う。
Posted by ブクログ
子供に少しでも数学的感覚を持たせたいと思い、そのヒントを得るために手に取りました。単に解ける数学ではなく、本質的な理解を得ることが重要であることはよく分かりましたが、道は大変険しいことを痛感しました。練習問題に対してチンプンカンプンなのはショックです・・・。
Posted by ブクログ
数学とはとても奥深く、一筋縄ではいかない学問であると改めて、実感しました。本書はいい面も悪い面も赤裸々に数学のいろはを教えてくれます。私は、社会人になってからも趣味で数学をやってますが、生半可な気持ちで取り組むのはやめようと改めて気づきました。
本書の目標は中高校のテストで100点を取ることではなく、数学の世界を自分のものにすることを目標としています。
正直に言うと本書を読んでよかったと思えるのはごく一部の数学マニアの方だけだと思います。私はとても満足できました。
Posted by ブクログ
結局は努力しかないんだけど、努力をする方向性は理解した感じ。
なにからはじめたらいいか、はじめているけど手ごたえがいまいち、という人にいいかも。