あらすじ
たった一度きりの高校生活。一生記憶に残るような、燃えるものを探したい――けれど、それが何か分からない。そんな不安や閉塞感を抱いた生徒たちが、クイズ同好会を結成した。記憶力が致命的に劣るリーダー。テニス部を途中退部した美少女。ケンカは強いのに、じつは極端なアガリ性の不良少女etc.。個性豊かなメンバー7人が、「本当の仲間」を見つけ、全国高校クイズ大会出場を目指す! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
これはまたなんともすがすがしい青春小説ではないですか。
なのにクイズ同好会の面々は、「キモイ」とか「暗い」とか「オタク」とか言われてる。
QuizKnock以前のクイズ好きって、こんな目で見られてたんですかねえ。
ちなみに著者は早稲田のクイ研出身。
7人のメンバーはそれぞれに悩みやコンプレックスを抱え、それは往々にして対立したりもするのだけれど、著者の眼は決して一人の方向だけを向いているわけではなく、メンバー同士の関係も7角形における対角線のように交差している。
勝つためのクイズの解き筋とか、練習の仕方、どんな本をどう読んで知識を蓄えていくのかなども興味深くはあったけれど、一番クイズに情熱があるリーダーが一番クイズに弱いという事実に対して、それでもリーダーを大会に出場させたいという気持ちとフェアに強い人を選抜するべきという気持ちに揺れるメンバーそれぞれの対応がとてもよかった。
喧嘩もするし、気まずくもなるけど、みんないい子。
福留功男さんの解説もとてもよかった。
高校生クイズの番組立ち上げに際して福留さんが出した条件が「スポンサーや視聴率の都合で簡単に番組を打ち切らないこと」
人生の中でたった3年しかない高校生を、大人の都合で振り回すな、ということでしょう。
作中でも言われているけれど、競技クイズってスポーツなんよ。
好きなことのために努力できるって、すごく幸せなこと。
Posted by ブクログ
夢を追うこと。大人になるとなかなか難しくなってしまうからこそ、クイズに青春をかける描写は熱くなれる。
あとがきがなにより良い!青柳さんの思いがすごく伝わってくる。『浜村渚の計算ノート』で有名な人だから、読んでみたくなった。
リーダーみたいに夢にひたむきな人になりたい。