あらすじ
★研究者キャリアの新たなバイブル!★
「企業研究者は自分のやりたい研究ができない」
「会社が専門性を評価してくれない」
「研究と全然関係ない仕事ばっかりやらされる」
企業研究者の愚痴でよく耳にするセリフです。そんな愚痴をこぼすのは、もしかすると「企業研究者として正しいキャリア戦略を実行できていないから」だけかもしれません。
自分にマッチする企業を見抜き、就活で勝ち、スピーディーに昇給・昇進を遂げ、そしてプロジェクトを自ら立案し、結果を出す。
本書では、特に外資系企業でのキャリア戦略にフォーカスして私や私の周りの優れた企業研究者が実行していた「企業研究者のためのキャリア戦略」を、企業研究者がぶつかるさまざまな場面に応じて解説します。私自身が企業研究者としてキャリアアップする中で実践した戦略や、人材紹介のエージェントとして研究者・企業と繰り返しかかわる中でわかった「企業でパフォームする研究者像」をもとに、「今日から実践できる」と思えるほど実用的かつ具体的に解説しました。
◎少しでもお金とルールメイクの流れの上流にいる企業に就職しなさい。
◎職務経歴書は具体性がすべてであり、具体性を欠いた情報には一切の意味がない。
◎「きちんと報連相ができる」ことが評価の五割を占める。
◎企業では「期限を守れない天才」より、「期限を守る秀才」の方がはるかに重宝される。
◎「この人に辞められたら終わる」という依存状況を作りなさい。
元世界的外資グローバルチームのシニアマネージャー研究者が教える、必勝のキャリア戦略。
本当に知りたかった企業研究者の話が、ここにあります!
【主な内容】
第1章 企業研究者の知られざる魅力を知る
第2章 就職活動編 ――選ばれるのではなく選ぶ側になるために
第3章 入社直後編 ――最速でパフォーマンスを示すために
第4章 成長加速編 ――成果を積み重ねる
第5章 キャリア戦略編 ――キャリアを飛躍させる
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
博士課程在学中、あるいはポスドクとして企業への就職を考えている研究者の方に、心からお勧めしたい一冊です.
本書は、企業で研究者として成果を出し、キャリアを飛躍させるための極めて実践的な戦略を解説しています.「専門性さえあれば何とかなる」という考えが、いかに企業では通用しないかを痛感させられました.
特に印象的だったのは以下の点です.
成果の定義の違い: 企業では論文数だけでなく、「いかに会社の利益に貢献したか」が問われます.その「利益」が、売上だけでなく、ステークホルダーとの関係構築や社内での影響力拡大など、多岐にわたることを具体的に示してくれます.
「裏KPI」の存在: 公式な目標の裏にある、上司や組織が本当に望んでいる「言語化されない目標」を読み解き、そこに貢献することの重要性は、まさに目から鱗でした.
人間関係の重要性: レポートラインの遵守や根回しの技術など、アカデミアでは軽視されがちな「社内政治」を生き抜く術が具体的に書かれており、これを知っているのと知らないのとでは、キャリア形成に大きな差が出ると感じます.
専門性を活かすも殺すも、企業のルールを理解し、その中でうまく立ち回れるかにかかっています.「こんなはずじゃなかった」と後悔する前に、本書で企業研究者としての「戦い方」を学んでおくことを推奨します.