あらすじ
アルコールから受ける害を少なくしていくために「今すぐ」
アルコール依存症治療は、治療が必要な人の多くが受けていないことが問題です。放置していると進行し、酒量は増え、ますますコントロールがきかなくなります。
本人の意思の力だけではコントロールすることはできません。また、家族など身近な人が叱ったり、止めようとしてもうまくいきません。
健康や社会生活、また本人だけではなく身近な家族にも深刻な影響を与える事態になります。アルコール依存症は、飲酒運転や犯罪にも結びつきやすくなるリスクがあります。
アルコールによるトラブルを少しでも経験した時点で(できればその前に)、対策を講じるようにすべきです。
一方で、近年、飲酒によるトラブルに対する社会の目は昔より厳しくなり、アルコールの害や治療に関する知識が広まったことにより、かつてより早期に治療を開始する人も増えています。
また「断酒しかない」といわれていた治療も、ここへきて選択肢も増えてきており、それを助けるツールも登場しています。
アルコール依存症の治療は難しく、時間のかかるものですが、その害を減らしていくことは今すぐに始めることができます。
本書は、アルコール依存症が治療の必要な病気であることや、知っておくべき基礎知識、医療機関での治療、本人や家族にできる対処法などを詳しくわかりやすく紹介しています。
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Posted by ブクログ
重度のアルコール依存症患者でその名を知らない人はいないという、世界有数のアルコール依存症治療専門病院 久里浜医療センターで院長を務め、現在は名誉院長・顧問となっている著者が、アルコール依存症の一般的な知識から、最新の薬物療法、認知行動療法、家族の役割・心構えまでを記述する。特に家族に寄り添った記載は、アルコール依存症患者に苦しめられる家族と長年向き合ってきた著者の経験が活きているのだろう。「底付きするまで放っておいて、生き残っていたら、断酒させる」という到底21世紀とは思えない治療方法が罷り通る中で、著者の積極的な早期介入、(断酒ではない)減酒治療への取り組みは業界に一石を投じ、2018年 17年ぶりに大幅改訂された「新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン」として結実した。