あらすじ
緊急対談! 「小沢事件」の中、東京地検特捜部で起きた虚偽公文書作成事件。
小川敏夫前法務大臣、石川知裕衆院議員、大坪弘道元特捜部長、八木啓代氏ら
注目の論者と共に、検察の嘘をすべて暴く。
6月27日の記者会見時、報道関係者・一部国会議員のみに配布され、最高検察庁
がいまだ一般市民への公開を拒否している、本事件の内部調査についての「最高
検報告書」、本事件の発端となった「田代報告書」も全文掲載!
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Posted by ブクログ
日々新聞を追うだけでも特捜検察の劣化ぶりが目に付くようになってきたのは、いつ頃からか。本書は数多の特捜事件の中で特に防衛省汚職事件、中でも影のフィクサーとされ逮捕された人物を巡って「被疑者の友人」である著者が個人的に知りえた情報を軸に、近年の検察の組織、捜査手法に批判を加えていく。そのため批判の対象は拡がりを欠くが、捜査のプロを生まない人材育成やマスコミへのリークを通じて形成した世論を追い風にする劇場型捜査、あらかじめ作られたシナリオ通りに自白を強要する捜査手法など、「崩壊」の状況はどの事件にも当てはまるように思える。
これらの劣化を後押しするのはそれを伝えるメディアの劣化だ。著者自身もあとがきで慎重に所属する新聞社と、本書との関係を否定し、タイトルについても「検察再生」にむけたエールであると半ば弁解する。
もちろん社会状況が特捜検察の変革を促している部分もあろう。その意味で合わせて「特捜検察VS金融権力」等を読むとより現在の検察を巡る状況が立体的に捉えられると思う。
Posted by ブクログ
陸山会事件での田代検事の虚偽調書作成について不問に付すという検察の決定に関して詳しく分析している本
詳しい人同士の対談で進むので,一連の事件の経緯について予備知識がない人が読んだらイミフなのではあるまいか? という気もしたが,それなりに知っていて読んだので,「ふむふむ。なるほど」が多かった。
特に有益だったのは,村木局長無罪事件に関するフロッピー改ざん事件で犯人隠避罪に問われている大坪氏との対談
大坪氏が有罪なら,田代氏の件のほうも,上司から最高検幹部に至るまでみんな犯人隠避である,と。
確かにそうだ!
組織防衛を最優先してしまう対応というのは世の中にいくらでもあるだろうが,それを検察がやるという恐ろしさ。
Posted by ブクログ
小川敏夫・元法務大臣、石川知裕・衆議院議員、大坪弘道・元大阪地検特捜部長、八木啓代 (健全な法治国家のために声をあげる市民の会の代表) と ヤメ検弁護士である郷原さんとの対談集。
特に、記憶に残ったのは、2009年の歴史的な「政権交代」前後に起きた検察による事実上の「クーデター」に関する記載である。
日本でそういった視点を持っている方はあまりいないと思いますが、民主党が政権をとったときに、検察が小沢代表を起訴した。本来であれば、政権党の党首は、総理大臣になるのが普通だが、検察による起訴により小沢は、総理になれなかった。これは、日本という国で検察が起こしたクーデター、民主主義が踏みにじられた問題だとういう点。