あらすじ
「腹八分目」で育てたネズミは寿命がのびる――全てはそこから始まった.長寿の鍵となる栄養素はなにか.腹八分目で,老化そのものも防げるのか.そして不老長寿の薬は……!?発展著しいこのテーマを,気鋭の研究者が展望.「それでもお腹いっぱい食べたい」人々の切なる食欲にも向き合いつつ,健康長寿への飽くなき探究を描く.
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
同種または近い種では小さいほうが長生き。種をまたいだ議論では、大きい方が強く長生き。ゾウ、クジラ、ヒトもマウスやラットより長生き。
単細胞の公募も餌を減らすと寿命が伸びる。しかしカロリーではなく、タンパク質の制限によって寿命が伸びる。
動物はタンパク質を一定量摂取したい、という欲求がある。
ほっておくと最大寿命のタンパク質量より多く食べてしまう=満腹状態。ここから少し減らす。
寿命が最大化されたのは、タンパク質:炭水化物が1:16。タンパク質とはアミノ酸。腹八分目にするのはカロリーではなく、アミノ酸。
アミノ酸のうち必須アミノ酸のメチオニンを減らすと、体は小さくなったが寿命は伸びた。メチオニンが経るとSAMが経る。その結果寿命が伸びる。
生物の老化原因
ゲノムの不安定日、テロメアの短縮、遺伝機能の変化、タンパク質向上性の破綻、オートファジ不全、栄養感知の以上、ミトコンドリアの機能不全、細胞の老化、幹細胞の消耗、細胞間コミュニケーションの変化、慢性炎症、微生物叢の破綻。
食事制限はこれらの変化を呼ぶ。
カロリー制限による効果は人間でも、確かめられている。がタンパク質の摂取量と寿命の関係は結論が出ていない。年令によって必要タンパク質が異なる。若いうちは少ないほうがいい。高齢者は多めがいい。
mTOR(細胞内アミノ酸センサー)を阻害すると食事制限をしなくても、寿命は伸びる。mTORは、抗癌剤のラパマイシンで阻害できる。
ラパマイシンは、mTORを阻害して細胞が栄養欠乏状態と勘違いすることでタンパク質合成を止めるから、抗癌剤として機能する。
長期的に食をコントロールすることは不可能。食べることは生きることだから。タンパク質に対する欲求は遺伝子に書かれている。
バッタの実験=炭水化物が不足している餌では、タンパク質が充足すると食事をストップした。炭水化物が過剰な餌では、タンパク質が充足するまで餌を食べた。
タンパク質は糖をつくることができる。タンパク質があれば問題ないが不足すると細胞ができない。
動物はタンパク質に飢えている。アミノ酸をうまみと感じるように進化したこともひとつ。腹八分目で止めることは難しい。
タンパク質を減らすと個体の大きさは小さくなり、生殖能力は落ちる。生殖能力が高い生物が生き残る進化的淘汰圧がかかる。自然界では、寿命の長さよりも生殖能力の高さのほうが大事。
高齢者はタンパク質の摂取量を減らさない。