あらすじ
◆200枚超の図でわかる、疲弊する現場・歪んだ組織の立て直し方◆
「チーム」という単位をないがしろにする組織は、うまく機能しません。日々の業務フローが複雑で入り組み、非効率になりがちになります。たとえプロジェクトが成功したとしても、再現性がありません。現場はいつも手一杯で、余裕のない状態が続きます。
本書では、そんな“うまくいかない組織”で生じる問題を、組織設計の視点から解決に導きます。チームを最小単位とする「チーム指向」に基づく組織設計によって、組織を侵す問題を解消することを目指します。
組織設計として避けるべき16のアンチパターンや、チーム中心の組織作りのための6つの原則、チームの機能と配置を考えるための7つのガイドラインを収録。「アジャイル」「リーン」「DevOps」「コンウェイの法則」「チームトポロジー」、そして組織論としての「Microservices」といった考え方に基づいて解説します。
■こんな方におすすめ
・エンジニアリング組織を預かるマネージャー
・ソフトウェアの内部品質の低さに苦しむエンジニア
・ソフトウェアプロダクト事業に携わるビジネスリーダーやプロダクトマネージャー。
■目次
第1章 チーム指向の組織設計
・1-1 チーム指向の組織設計が目指す組織のビジョン
・1-2 チームが組織を駆動する
・1-3 チームレベルの設計のための学びを得る
・1-4 組織レベルの設計のための学びを得る
・1-5 チーム指向の組織設計に求められる要件を定義する
……ほか
第2章 組織のパフォーマンスを蝕む問題から捉える組織設計
・2-1 問題1:非効率なチーム間コミュニケーションが組織の生産性を削り取る
・2-2 問題2:非効率なフローが無価値な待ち時間を生じさせる
・2-3 問題3:粗悪な内部品質がビジネスに悪影響を及ぼす
・2-4 3つの問題は相互に影響し合う
第3章 内部品質を悪化させる組織設計アンチパターン
・3-1 共有リソースプール:プロジェクトの度にチームを編成している
・3-2 不連続なチーム:プロダクトに専属チームを配備しない
・3-3 行き過ぎた固定化:チーム編成を長期に渡り変更していない
・3-4 無制限のコード共有:どの領域のコードでも制限なく誰もが変更できる
・3-5 保守・運用の分離:開発チームが保守・運用業務を知らない
……ほか
第4章 コミュニケーションコストとフロー効率を悪化させる組織設計アンチパターン
・4-1 スパゲッティ組織:プロジェクト体制が組織内で複雑に絡まっている
・4-2 水平統合:組織を技術観点でチーム分けしている
・4-3 即興的な開発プロセス:開発プロセスがあいまいで過度に柔軟性を重視している
・4-4 低凝集な業務機能:業務機能の一部がチームに欠けている
・4-5 ねじれコンウェイ:コミュニケーション構造とシステム構造に乖離がある
……ほか
第5章 チーム中心の組織作りのためのチーム設計の原則
・5-1 安定:チームのメンバー構成と担当責務をほぼ一定に保つ
・5-2 アトミック:組織内でチームを「個」として扱う
・5-3 専属:メンバーを兼務させない
・5-4 少人数:チームメンバー数を制限する
・5-5 流動性:少しずつチーム編成を変えていく
……ほか
第6章 チームの機能と配備を考えるためのチーム責務定義ガイドライン
・6-1 ストリームアラインド:チームをバリューストリームに対して配備する
・6-2 コードのオーナーシップ制:コードごとの所有権を各チームに持たせる
・6-3 バリエーション分割:対応プラットフォームごとにチームを分ける
・6-4 垂直統合:エンドツーエンドの開発チームを作る
・6-5 DevOps:開発と保守・運用を1つのチームに統合する
……ほか
第7章 組織のリファクタリング・リアーキテクティング
・7-1 組織設計をアーキテクティングと設計で責務分けする
・7-2 SPACEフレームワークで組織の開発生産性をモニタリングする
・7-3 指標を正しく活用する
・7-4 まとめ:組織にもリファクタリング・リアーキテクティングを!
■著者プロフィール
松本成幸:大学卒業後、ソフトウェアエンジニアとしてさまざまなプロジェクトに従事し、開発・保守・運用を幅広く経験。現在は、LINEヤフー株式会社で開発本部長として、複数のコンシューマ向けサービスの開発業務全般に携わっている。