あらすじ
「列島」の正体を知り、「未来」の災害に備えよ!
日本列島は、11億年前に地球に存在していた超大陸「ロディニア」の端が起源である。地球上で大陸は集合と分裂を繰り返し、日本列島もそのたびに大陸に組み込まれたり移動したりして、ほぼ今の場所までやってきた。そして1500万年前くらいに、アジア大陸から分離して、今の形となったのはだいたい2万年ほど前だ。
東日本大震災や2024年初の能登半島地震を言うまでもなく、毎日どこかで地震が起きている。地震災害、火山噴火、水害など、日本ではどこに住んでも安全なところはない。
それは、アジア大陸からちぎれて出来た日本列島の成り立ちに由来している。
自然災害の原因は、たいてい地学で説明できるのだ。
日本列島はどのようにしてできたか。なぜ自然災害と切っても切れない関係にあるか。地学にからむ謎を解明しつつ、日本列島をベースに、地球全体を俯瞰して、地学の最新研究から相関と未来を予測。
もし富士山が爆発したら日本列島は真っ二つ裂ける・・・・・・など、ちまたで言われる災害予測について、科学的な知見から、京都大学名誉教授で地学の第一人者である鎌田浩毅先生がわかりやすく解説! 地学マニア必見の書!"
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Posted by ブクログ
この本の途中で著者は、大学センター試験を受ける学生のうち、理科で地学を選ぶのはわずか7%と嘆く。
私個人的な経験でも、40年以上前の受験時に地学を選択したが一定数以上の生徒が受講しないと授業を行わない、と言われて往生した記憶がある。
地質学、古生物学、宇宙論、天候、太陽活動まで、地学のカバーする範囲は広い。その地学を最新の知見をもって解説し、最新の地学を俯瞰できるのが素晴らしい。
「できるのは防災ではなく減災」など、うなずける指摘多数。この分野の専門家である著者が、地学にもっと興味を持って欲しい、という動機をもって書き上げた良書。
地学はこの1冊で。