あらすじ
戦後、連合国軍占領下の日本では米国兵士と日本人女性の間に生まれた子供たちが街中に捨てられ、悲惨な状況に追い込まれていることが社会問題となっていた。三菱創業者である岩崎弥太郎の孫娘で、外交官婦人でもあった沢田美喜は現状に心を痛め、女性たちが子供を託せる施設、エリザベス・サンダース・ホームの設立に乗り出す。資金繰り、世間からの差別の目、子供たちの行く末……様々な困難を乗り越え、千六百人近い子供たちを育て上げた女性の物語。
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Posted by ブクログ
【つないだ手】 植松 三千里 著
7月7日のNHK「知恵泉」で紹介された澤田美喜。あまり知らなかったので、出演していた著者の本を読んでみました。
祖父は岩崎弥太郎、夫は外交官の澤田廉三という「上流階級」にいながら、戦後の米軍兵士と日本人女性の間にできた孤児たちを、私財を投げうって設立した「エリザベス・サンダース・ホーム」という施設に収容・育成。これだけを聞くと美談ながら、孤児たちが成長するにつれて受ける差別や澤田美喜自身やホームに対する嫉妬・偏見などで、ほぼ苦闘の連続。最後には、これが報われるような形とはなるもの、よくぞここまで不屈の精神でやり終えたものと感心しました。
不勉強ながら、澤田美喜は、日経「私の履歴書」でも連載し、これをもとにした『黒い肌と白い心』という書籍もあるそうです。因みに、「知恵泉」に出演したサヘル・ローズもイラン・イラク戦争での戦争孤児。この経験から、女優業の傍ら、人権活動家として世界を渡った記録、『生きることから、すべては始まる』という書籍も上梓。(一投稿で二つ紹介してはいけないのかも知れませんが…)併せて読んでみましたが、古今東西の思想家の言葉が引用され、知性派女優という印象を持ちました。
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厳しい偏見の世にあって、裕福な産まれながら、一つの命の大切さと愛しさを体現された一人の女性の意志の強さに感服します。次の朝ドラで是非みたいものです。山本富士子さんの主演は望めませんが。
Posted by ブクログ
こんな立派な方が居られたとは!
戦後、アメリカ兵士と日本女性の間に生まれ、捨てられた子供達のために、私財をなげうってホームを作った澤田美喜さん(三菱の岩崎家の方)。しかも54歳からの活動!私もまだまだ頑張らねば!
Posted by ブクログ
三菱創業者の孫娘であり外交官夫人でもあった沢田美喜は、戦後、米国兵士と日本人女性の間に生まれた子どもたちを引き取り育てるため、エリザベス・サンダース・ホームを設立した。資金繰りや世間の偏見など様々な困難を乗り越え、1600人もの子どもたちを社会へ送り出した。
印象的だったのはタイトルの「つないだ手」の意味の重なり。
途中までは「つないだ手」はホームの子ども達の手だと思っていました。でも、それだけではありませんでした。
夫とつないだ手と、子どもたちとつないだ手——同じ言葉でも、その意味は異なる。
夫とつないだ手は「見送る愛」。ついていけない場所へ向かう人を静かに見守る、受容と祈りの愛。
子どもたちとつないだ手は「送り出す愛」。背中を押して未来へ向かわせる、願いと期待の愛。
どちらも、相手を自分のそばに留めようとする愛ではない。それでも手をつなぎ、いつか放す。
人と人との絆の尊さと、別れを引き受ける覚悟。その両方が、このタイトルに込められていると思いました。
Posted by ブクログ
戦後、主に米兵との間に残された赤ちゃん、生活苦や差別的な社会で捨てざるを得なかったハーフの子を引取り育てた沢田美喜さんの伝記的小説。三菱の財閥解体の苦労、資金難、実子達の孤独、冷ややかな社会の目の中、美喜さんの右腕となってホームを支えた八重さんとの二人三脚での孤軍奮闘に頭が下がる。
Posted by ブクログ
戦争後の自分の事だけでも精一杯な時代に
多くの子供たちの面倒を
見ることが出来るなんて
とてつもない事で
寄付を出してくれる人達にも尊敬した。
自分が理不尽な目にあった時に
思い出してみようと思った。
Posted by ブクログ
思いもよらない沢山の問題と戦ってきた方なのだと思いました。
今とは全く違うであろう世間の目、資金面、その他多くの問題に立ち向かい、救いの手を差しのべ続けた行動は誰でも出きることではないと思いました。
Posted by ブクログ
子どもを助けたいという願いや行動力
それらすべてが素晴らしいって思うのに、あまり感情移入できなかったのはなぜだろう……?
美喜の突っ走り方かな?
言動や行動かな?
物語としてはとても良い話です
でも主人公の美喜に共感できるところがあまり多くはなかったというところが私にはあります
どの時代にも差別や偏見があって
それは大抵、見た目から入る
自分たちだってそちら側が多数派になれば立場が逆転するというのに
終戦直後から比べると、今はかなり差別や偏見というものは減ったんじゃないかと思いますが無くなることはきっとない
こんな世界のなかで
それでも逞しく育ち、生きていかなくてはならない
世界は厳しい、でも時々優しさに満ちている
それを感じることができた本でした