あらすじ
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【内容】
怪談話「耳なし芳一」や「雪女」の著者、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)。それらの物語の原案は、妻である小泉セツの語りによるものだった。本書では、そんなセツの生涯についてまとめた。
急速な西洋化が進む明治時代の日本で、2人がいかにして出会い、結婚し、物語を生み出すまでになったのか。それぞれの幼少期や青年期はどんなものだったのか。セツが語る物語や怪談のルーツはどこなのか。
朝の連続テレビ小説『ばけばけ』の主人公モデルにもなった、セツの生涯を丁寧に描く。
序章:セツとハーンが生きた明治という時代と近代化
1章:小泉セツの幼少からハーンとの出会い
2章:ラフカディオ・ハーンの幼少からセツとの出会い
3章:セツが話す不思議な物語とハーンが愛した風
4章:世界で一番良きママさん
5章:夢の国へ旅立つハーンの見送りとその後
【著者】
櫻庭由紀子
各媒体の執筆、創作を行う文筆家・戯作者。伝統芸能、歴史(江戸・幕末明治)、日本文化の記事執筆の他、ドキュメンタリーライター、インタビューライターとして活動。著書に『蔦屋重三郎と粋な男たち!』(内外出版社)、『落語速記はいかに文学を変えたか』(淡交社)などがある。
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Posted by ブクログ
とても面白かったです。
ハーン(小泉八雲)さんってこんな人だったのか、こんな物語り、仕事をした人だったのか…セツさん(妻)との夫婦の歴史、関係性、家族愛…とても癒されて、久しぶりに元気を頂ける話しだったかな。
後期のNHK朝ドラにもなるそうで。
プラス、幕末から明治へ、近代国家を目指して突き進む日本の様子、激変する暮らし、翻弄される人々の生き様が描かれていて、歴史を知ることもできました。
ハーンの物語り…
怪談ものとしては勿論だけれど、そこに描かれている人の業、愛憎、裏切り、、、そういった情念の世界がなぜ生まれたのか、一方で、ハーンが愛した古き良き日本とは何だったのか、がわかると一層深みがもてますね。ハーンさんとセツさんの出会いは、奇跡的なものだったと思いながら、その裏では互いに努力した様子もわかり、夫婦愛を教えられました。
素敵なお話しです。
Posted by ブクログ
今やっているドラマ「ばけばけ」につられて読んだ。
黒人との結婚で会社をクビになったなど、ドラマには出てきそうにない話も盛り沢山。
2人だけでなく家族の遠隔を知るのに最適。優しい文体で読みやすい。
小泉セツとハーン、出会いから亡くなるまで。
ハーンは53で、セツは64で。
ハーンの生い立ちや経験を読みながら、その好みや考えががどこから来るのか、セツについても同様に面白い。
アイルランド、ロンドン、アメリカのシンシナティ、ニューオリンズ、メキシコ湾グランド島、カリブ海マルティニーク島、ニューヨーク、横浜、松江、熊本、東京。
各地の話や物語、セツの語りと怪談などの再話。