あらすじ
江戸時代、武士は道ですれ違うとき、どちら側によけたのか? 刀が当たらないように左側通行だった、いや、道で抜刀しないように右側通行だったと、終戦直後の国会では、道路交通法案をめぐって侃々諤々の議論があった。歴史をさかのぼればどちらもありだった。人はどのように道を往来し、乗り物はどんな発達を遂げてきたか。
祇園祭など道路を練り歩く祭祀は数多く、道端には地蔵が安置されている。なぜ神仏は道路とともにあるのか。ケンペルら、江戸時代に来日した外国人は整然とした道路を称賛する。誰が命じて道路整備や維持管理がなされてきたのか。
文献史料、都城や鎌倉の道路遺構、故実書や絵図、日記などをもとに、道路利用から日本社会の特質を描き出す。
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Posted by ブクログ
日本では「人は右、車は左」が常識と幼い頃から右側通行しているが、最近駅で「人は左側歩いて」表示増え、表示はないが原宿駅の影響か、明治神宮参道まで左通行。インバウンドの外国人や幼い子戸惑うのではと不思議に思っていたら、本書が。直接的な疑問の回答はなかったが、「なぜ右側通行?」だけでなく「なぜ道路が神仏と共にあるのか?」江戸時代に外国人に並木付きの道路褒められたエピソードなど盛りだくさん。魏志倭人伝まで遡る通行ルールから牛車時代のマナーも。相手に害意ないことを示すために右側に避けたり、刀当たらないよう左通行になったり。交通安全の観点から国会論議へて1949年に対面通行に。それまでの左通行前提の信号機付け替え予算無く揉めたとか…いやー深い歴史あるのに、簡単に左通行にしていいのか?地球の歩き方Japan編あったら「Japanでは車は左、ひとはどっちでも」と書くのかなぁ…。