あらすじ
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録!】
治癒の名家・三条家の令嬢が生んだ不義の子。それが浅葱だった。
異能も持たず口も利けない浅葱は母の死後に養父母となった当主夫妻から出来損ないと虐げられ育つ。
そんな彼に唯一優しかった義妹が妖と和平名目で婚姻させられることに。
怯える義妹を逃がすため輿入れの日、浅葱は花嫁衣裳を纏い身代わりになった。
すぐ見破られると思っていたけれど、花婿の妖・黒尾はそのまま浅葱を妖の里へと連れ帰る。
こうなったら少しでも義妹の逃亡時間を稼ぐため偽の妻を演じ続ける!
そう決意した浅葱だが冷酷に見えて手話をこっそり覚えてくれる存外優しい黒尾に惹かれはじめ……!?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現域と幽域、人と妖。
治癒力を持っているはずなのに使えず義父母から酷い扱いを受けながらも前向きに生きている浅葱がとにかく可哀想でした。
話す事が出来ないけれど手話で話せているのにはホッとしたけれど。
でも約定により幽域の頭領の元へ輿入れしなければならない義妹の身代わりになり逃げたら頭領の黒尾にそのまま連れ去られてしまい。
そこで妖達には話せない、手話が通じないために中々苦労するけれどそこでも前向きに自分の出来る事をと頑張る浅葱は凄いなと思いました。
素っ気なく冷たいかと思われた黒尾も関わっていくうちに素晴らしい人だと分かり惹かれていくのは当たり前かなと。
実は黒尾は浅葱とは過去に出会っていて、そこで浅葱の力が使えない理由が分かり驚きました。
そして力の解放。
現域での妖の悪事、それに絡んでの浅葱が攫われそこで黒尾の弟の赤目が全ての元凶だと分かり黒尾と赤目との戦いで黒尾をかばい瀕死の重症になった浅葱にもうダメなのかとハラハラしましたが何とか助かり良かったです。
その後の浅葱が赤目を助けるのにはびっくりでしたが浅葱らしくて本当に浅葱は芯が強く素敵な人だと感動しました。
改めて約定を結び、晴れて祝言を挙げる事が出来たのには感慨深いものがありました。
お互いに相手を想い、幸せな未来が見えるようで良かったです。
浅葱の父はあの人ですよね?
特典ペーパー2種はどちらも黒尾の長年そばにいた人達の黒尾、浅葱を暖かく見守ってくれているのが心温まりました。
Posted by ブクログ
ハピエン、健気受、モブキャラ際立ってて、とても良かった〜のだけれど。。。
まずイラストがダメよ。キャラが全然あっていなかった。思いが通じ合った場面での挿絵が全然違くて興を削がれたよー。とても残念だった。
そして、序盤の情景描写が。。。小難しかった。コレは、そもそものイメージ図がないせいで、細かく説明されているけれど、逆に想像できなかったよ。
そして何より、ブツっと突然終わりすぎよ。一昔前の文庫みたいな、突然終わりすぎて、あのことはどうなった?とか、その後の二人の話は?ってのが全然、、、足りなかったよー!
色々あっさりなのが惜しい!
大正時代を思わせる雰囲気の和風ファンタジー。好みな世界観の作品で期待したのですが、ちょっぴり物足りなかったです。
浅葱が里に連れていかれ、屋敷の使用人である妖たちに仕事をもらい打ち解けていく様子は『千と千尋の神隠し』を思わせて楽しげです。
良い雰囲気でしたが、細かな設定が分かりにくい上に中盤から後半にかけてがサクサク進み過ぎ。タイトルにある『時間稼ぎ』は全く必要ないし、肝心のメインストーリーがあっさりしていて盛り上がりに欠けるように思えたのが残念。
人の身でラストバトルに参加していた大嗣ももっと活躍させてあげてほしかったですし、浅葱の生い立ちが明かされるシーンもその後の祝言もなんかあっさりでしたね。
特に黒尾の父である頭領さん、病で長く臥せっていた設定でしたよね?登場シーンの軽さにびっくりでした。