あらすじ
絵葉書のような村の猟奇殺人。
容疑者は、“善き隣人”の誰か。
「多層な登場人物と息詰まる展開、
心理描写が交錯する出色の犯罪小説」
――ジェフリー・ディーヴァー
「掛け値なしのストーリーテラー」
――リー・チャイルド
英アカデミー賞3冠&ITV過去最高視聴率を誇る人気ドラマ、
『ブロードチャーチ』の脚本家による、現代英国ミステリの最前線!
藁葺きの家並みが美しい英国南西部の海辺の村で起きた殺人事件。
殺されたのは村の名物パブ〈ホワイトハート〉の店主で、裸で縛られ、
頭に王冠を戴くように牡鹿の枝角が括りつけられていた。
刑事ニコラは都会の組織犯罪部から転属早々、新米巡査と事件解明に奔走するはめになるが、被害者と村の住人の隠された“顔”が暴かれてゆくなか、百年前もこの地で鹿角を用いた連
続殺人があったことが判明し─―
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Posted by ブクログ
2025年の31冊目は、クリス・チブナルの「ホワイトハートの殺人」です。クライムサスペンスドラマの脚本、製作総指揮を務めた作者の小説デビュー作です。
ウェストドーセットの架空の町フリートコムとブレディを舞台にリバプールから故郷に戻って来たニコラ・ブリッジ巡査部長が猟奇殺人と思われる事件に挑みます。
フリートコムに2件あるパブの1件〈ホワイトハート〉の店主ジム・ティエナンの死体が、頭に牡鹿の角を装着され、椅子にくくりつけられた状態で、上半身裸で道に置かれているのが発見されます。殺人など滅多に起きない、田舎町の住人達は、色めき立ちます。それは、家族関係を立て直す為に、故郷に戻って来たニコラにとっても好ましい状況では有りませんでしたが、事件解決に向けて立ち向かいます。
ドラマの脚本家らしく見せ方が上手いです。疑わしい人物がわんさか出てきます。しかも捜査を進めて行くと、100年前にも似たような事件が起きていた事が分かります。事件解決の鍵を握るのは、1人の少女シャノンの存在です。最後の反転、犯人逮捕に至る流れは見事だと思います。
☆4.4いかにもテレビドラマの脚本家らしい本だと思います。
Posted by ブクログ
こういう系の小説で最近珍しいくらい、登場人物が良かった。
その中でも一番はやっぱりハリーよね。顔は良いけどポンコツっていう第一印象で、初登場のシーンだけ読むと、賑やかしのモブ刑事か?こいつにはサイドキックは務まらんだろ…と思いきや。意外とカンが良いというか、ポイントポイントで良い動きする!そんでちゃんと熱心に職務に取り組んでる!って好感が持てて、事件を追ってく間ずっと嫌味なく良い味を出してくれてた。
鉄仮面なニコラが、助手席のハリーの無邪気な笑顔を見て「こいつ…顔が良い…」って癒されちゃうシーンは笑えた。
手の込んだ謎解きとかどんでん返しとか、犯人の罠に嵌められた刑事が危機一髪脱出するスリリング展開とかそういうのは無い。クライムノベルってのはそういうの無くてもおもしろく成立するよってルートを照らしてくれてるという点も素敵。
シリーズ化してもらえないかな?ニコラたちの活躍をぜひまた読みたいです。