【感想・ネタバレ】ぼくたちの報復のレビュー

あらすじ

母の再婚をきっかけに、東京から田舎町へ引っ越してきた高校一年生の成瀬航基は、転校先の学校で、突然、虐めのターゲットになってしまう。次第にエスカレートしていく虐めに航基の心は無惨に削られていき、ついに、地元の河で自殺しようと決意する。しかしその河へ行くと、ほとんど学校に登校していないクラスメイトの月島咲真がいた。咲真は死のうとする航基に、「報復ゲームに参加しないか」と言い……。(解説・杉江松恋)(単行本『チグリジアの雨』を改題しました)

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Posted by ブクログ

小林由香『ぼくたちの報復』ハルキ文庫。

単行本『チグリジアの雨』を改題、文庫化。

昔と違って、学校の虐めは陰湿で執拗になっている。1人をターゲットに大勢で虐めるなんぞ当たり前で、SNSまで使ってターゲットの噂や恥ずかしい写真をバラまくというのだから、驚くばかりだ。昔は気に喰わない奴が居れば、腕力で決着をつけたものだ。決着がつけば当人同士はサバサバしたもので後々まで引き摺るようなことは無かった。

さらに今の世の中は学校で虐めや暴力事件があっても、学校側が隠蔽しようとするから始末に負えない。

今年の夏、全国高校野球大会に出場し、1回戦を勝ち上がりながら、2回戦以降の出場を取り止めた広陵高校の野球部などは酷いものである。1人の下級生に対して上級生が集団で暴力を振るい、その下級生が監督に相談するも逆に口止めされ、やむ無く他校に転校したというのだ。学校側はその事実を把握していながら、高野連には過少申告し、出場停止には至らなかったというのだから開いた口が塞がらない。さらには広陵高校の校長がSNSでの誹謗中傷から生徒を守るために出場辞退を決めたとバカな発言をした。

さて本作。主人公の高校生の成瀬航基を始めに同年代の登場人物が余りにも幼すぎる。今の時代の高校生とはこの程度なのだろうか。

ストーリーは至って単純であるはずなのに、やけに小難しく捏ねくり回した感が強い。田舎町の高校に通う主人公の成瀬航基が虐めに遭い、同級生の月島咲真に誘われ、虐めの相手への報復を行うというものである。


母親の再婚を切っ掛けに東京から母親の実家のある田舎町に引っ越して来た高校1年生の成瀬航基は、突然、クラスメイトから虐めの標的にされてしまう。

航基に対する虐めは次第にエスカレートし、航基の心はどんどん傷付き、ついに航基は地元の河で自殺を図ろうとする。

しかし、航基がその河へ行くと、殆ど学校に登校していないクラスメイトの月島咲真がいた。咲真は死のうとする航基に報復ゲームへの参加を誘う。

それを切っ掛けに自らの行動で虐めから逃れようとする航基だったが……

本体価格880円
★★★

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2025年08月18日

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