あらすじ
リボンをかけた小箱をひとつひとつプレゼントするように、ちくまプリマー新書の装幀を続けて20年、500冊。アイディアは台所のテーブルで生まれる。パソコンは二人で一台。「ノイズ」や「ほつれ」こそが魅力。愛は必需品――。二人組創作ユニット「クラフト・エヴィング商會」が語る、装幀という仕事。ちくまプリマー新書500巻記念! 【目次】1 本は平面でありながら立体でもある――どうして装幀の仕事をすることになったか/2 つかず離れずというのがちょうどいいんです――どんなふうに二人でデザインをしているか/プリマー新書*装幀セレクション3 リボンをかけた小箱をプレゼントするように――「ノイズ」と「ほつれ」と「にじみ」/4 「何もしない」っていうのは、どうでしょう――「過程」があってこその「結果」なんです/「あとがき」の代わりに
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うらやましい仕事を続けているクラフト・エヴィング商會。
デザイン創作の秘密が紙上トークショー形式で綴られる。やっぱりかなりアナログな手法と観念で制作されているのですね。表紙デザインの際には束見本必須というのも「らしい」としか言いようがない。この出版不況のなか、こんな贅沢が許されるだけの仕事してるよね。これからの活躍にも期待しちゃいます。
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ちくまプリマー新書500冊おめでとうございます!「『子供たちに何かひとつだけ伝えるとしたら、あなたは何を伝えますか』ーーそういう本をつくりたいというお話を編集者から聞きました。」「子供たちにリボンをかけた小箱をひとつひとつプレゼントするようにつくりたいと思った」あたりの言葉が素敵な装丁になる理由なのだなあと思いました。
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装幀以外の創作活動も旺盛な姿勢はうらやましい限り。ちくまプリマーの装幀はシンプルな印象があるが、並置して眺めると違った感想を得られる。装幀自体の話も、どこかふわりとした空気感がありながら芯の存在も感じられる。
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著名な装丁家のデザイン論というか、装丁制作の過程を会話調でわかる一冊。
サンプルを見ながら、著者の制作の考え方や、そのバックグラウンドを知ることができる。
ちくまプリマーは、色々なことを中高生でもわかるくらいの難易度でわかるので、大人にこそオススメ。捨てられない本も多い。一冊ずつデザインが違う理由もわかってスッキリした。
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ちくまプリマー新書、記念すべき500巻目です。この本は、クラフト・エヴィング商會のお二人の対談とプリマー新書の装幀セレクションでした。ファンである読者の私には、たまらない一冊でした。
◯が吉田浩美さん、●が吉田篤弘さんで、おしゃべりをそばで聞いているような感じの本でした。
似ているところが多いからか、お二人の仲のよさとお互いをリスペクトしている感じが伝わってきました。装幀の仕事の仕方や、お二人がクラフト・エヴィング商會になるまでのこととか、とても興味深く読みました。デザインの仕事をする楽しさが、文面から溢れていました。
プリマー新書の装幀集は、カバーのデザイン128点。お二人がセレクトしたものでした。見ているだけで楽しい気分になれました。出来たら500点全部並べてほしかったです。
20年かかって500冊。「それを楽しく作ってきた」と言えるお二人は、これからもまだまだたくさんのアイデアがわいてくるんだろうなと思いました。
500冊目のこの本の装幀は、「ただいま装丁中」という言葉どおりのものです。こういうところが、読者の私は大好きです。そして「すぐそこの未来」で、またお二人の作品に会いたいです。
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ちくまプリマー新書はクラフト・エヴィング商會が一手に担っていたのですね。
なんてことないデザインと言ってしまうと失礼なのだが、どれも極めてシンプル。
一見こういうデザインなら自分でも出来るんじゃ!?と勘違いしてしまいそうだが、このミニマルな意匠の中に詰め込まれたこだわりとユーモアと心地よさの結晶はそう簡単に創り出せるものではない。
吉田ご夫妻の2人語りでお二人の仕事の仕方だったり、向き合い方を紹介するという設定なのだが、いつの間にか片方がもう片方をインタビューしているみたいな体になっていて、それがある瞬間するっと入れ替わって一瞬どっちが語っているのか分からなくなるという不思議な読み心地だった。
普通ならもう1人インタヴュアーのパートを入れるところ。
自分も極めて近しい身内で手の内分かっているはずなのに、インタビューしちゃっているという空々しい他人事感も吉田ワールド的と感じた。
将来の仕事に迷える娘への刺激としてこんな仕事もあるよとのメッセージで買ってきてみたが、残念ながら「ふーん、て感じだった」と言われてしまった。
うーん、確かに吉田ご夫妻の考えていることとか、クラフト・エヴィング商會の来歴という意味では面白かったが、装幀家の仕事としては文字だけであまりイメージが湧かないかも。
工程毎の写真とかまで見せてくれるともっと興味深かったかもしれない。
後半の実際のちくまプリマー新書の装幀120選と其々のデザインに対する解説は、ごく寸評であるにも関わらず、すごく想いが乗っていて、え、こんなちょっとした説明があるだけで違った見え方になるのかという驚きがあった。
実は伝わり難いということなのか、奥深さと捉えれば良いものなのか、ただ単に自分の解釈能力の問題なのか。。
娘にはあんまり伝わらなかったけど、自分的には装幀ってやっぱり面白いなーと改めて思った。
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前半は、クラフト・エヴィング商會がクラフト・エヴィング商會になるまでを、お二人が語る。
500冊になったプリマー新書の装幀選を挟んで、お二人がこだわる装幀についてを、プリマー新書の実際を例に打ち明けている。
クラフト・エヴィングならではの装幀に、写真と見比べながら読んだ。
この二人、好きだ!
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「ちくまプリマー新書500巻記念」発刊おめでとうございます! 創刊から20年にわたり装幀を手がけた吉田夫妻(クラフト・エヴィング商會)に敬意を表します。珍しく『#東京アパート』と並行して読みました。いや〜いい仕事をしてますねぇ、の一言に尽きます。
プリマー新書の200,300,400冊目の節目が吉田篤弘さん作品だったので、500冊目もそうだろうと思ってましたが、内容はよい意味で想定外(装幀ではない)でした。なにしろお二人の装幀に関する紙上トークショウなのですから…。
これがまた新鮮で面白かったです。●が吉田篤弘さん、◯が吉田浩美さんで、ページ上部で交互に続きます。そして、クラフト・エヴィング商會のあゆみからまるまる装幀の話。途中に厳選のプリマー新書の表紙(カバー・デザイン)128点がカラーで紹介されていています。見事です。
デザインの発想やセンスなど、手の内に奥深さを感じました。また、対話の端々から吉田夫妻の阿吽の呼吸で、言葉がなくても(いや、書いてますが)意思疎通ができている雰囲気が漂います。YAへの入門書として未来への扉をデザインしている自負をひしひしと感じました。
奥様と四六時中一緒ってどうなのかな?などと、邪推するのも野暮でした。夫婦でありビジネスパートナーでもある素晴らしい関係性は天晴れです。
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いつも素敵な装幀で楽しませてくれるクラフトエヴィング商會の2人。今回は、タイトルの通り真っ白。潔い。
ちくまプリマー新書は子どもの時に出会っていればよかったって本がたくさんあるんだなぁ。
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クラフト・エヴィング商會のお二人は、これまで「ちくまプリマー新書」500冊のカバーデザインを作ってきたが、その中からご両人が選択した128点が掲載されている。
せっかくなので500冊全部見たかったですが、セレクトした128点のアイデアづくりの様子が聞けます。
そして500冊目の本書の装幀の話になります。
いくつかのアイデアがあって、本書の試作デザインも見ることができますが結局こうなっています。
これは「自分たちの本」だからできたという説明に納得できます。
一冊全部が、吉田篤弘さんと吉田浩美さんの会話という形式になっていて、テンポが良くてスイスイ読めました。
Posted by ブクログ
クラフト・エヴィング商會がちくまプリマー新書の装幀を続けて20年、そしてこの本が500冊目。
「どうして装幀の仕事をすることになったか」から、デザインの仕方、考え方などを、対談形式で。クラフト・エヴィング商會らしくて面白かった。たぶん、結構ファン向けの内容。
「本は平面でありながら立体でもある」という言葉が印象的。
Posted by ブクログ
ちくまプリマー新書500冊を記念しての本書。
今回は吉田篤弘さんと、奥様の浩美さんの、「紙上トークショウ」形式。
それがまたとても良くて、和むし癒される。
あの素敵な装幀は、ご夫妻のこんなやりとりから生まれてくるんだなー。
目次
1…本は平面でありながら立体でもある
どうして装幀の仕事をすることになったか
2…つかず離れずというのがちょうどいいんです
どんなふうに二人でデザインをしているか
プリマー新書※装幀セレクション
3…リボンをかけた小箱をプレゼントするように
「ノイズ」と「ほつれ」と「にじみ」
4…「何もしない」っていうのは、どうでしょう
「過程」があってこその「結果」なんです
「あとがき」の代わりに
クラフトエヴィング商會ファンの方は、目次を見ただけで面白そう!読みたい!と思われるはず。
お二人がどうして知り合ったのかという話。
始めた頃は完全にアナログだったというデザインの話。
「やりなおしに対応できるか」の話。
吉田さんの師匠の話。
プリマー新書がどのように始まったのか?の話。
などなど。
創作の秘密、沢山語られてます♪
ご夫妻がセレクトしたという、これまでデザインされてきたプリマー新書のカバーを紹介したカラーページも見応え充分。