あらすじ
「どうしても俺のものにしたくてたまらなかった」
「わからせてやる、どれだけ大切に思っているかを」
騎士団長は偽装夫婦となって、魔力を失った聖女を守り抜くと誓い――
呪いで眠りについていた聖女のセシリア。十年を経て目覚めるも、魔力を失った彼女は辺境に追いやられてしまう。唯一、身を賭して支えてくれる騎士団長のルートヴィヒに惹かれ始めたセシリアは、ある日彼と急接近。するとそれまでの態度から一転、「好きなだけおかしくなればいい」と淫らな熱情で迫るルートヴィヒに、無垢な彼女は翻弄されていき…。
感情タグBEST3
佳かった
レビューのないお話を購入するのは実はドキドキします。好きな作家さんでも、ハズレはつきもの、しかもこの作家さんでは知る限り初めてであろうファンタジー…冒険でしたが、たまたま試し読み増量期間で3章まで読めたので、そのまま購入、一気読みでした。
あとがきで作者様もおっしゃる通り、ファンタジーは、まず世界観や常識の説明が必要なので、下手をするとあらすじが延々と続く作品にもなりがちですが、このお話はそうはなりませんでしたね。
おそらく、ある程度、ヒストリカルを土台にしているから世界観に入るのに抵抗がなかったのが強みかと…
さて、ファンタジーにはつきものの「聖女」と「騎士」ですが、ご都合主義に走らず、終始納得できる立場、実力を持った2人なので、違和感がないのが素晴らしい。
えちえちシーン(笑)はふんだんで、しかし不自然はなく、「え、いきなりサカルの?」て展開はないにもかかわらず、濃厚でたいへん結構でございました。
特にヒーローのヒロインへ対する配慮が好ましい。
最後のSSは、そこを取り上げたかー!というところで、とても清々しい読後感をいただきました。
もし、スピンオフが出るなら、誰の話でもいいですので、楽しみにしています!
願わくば、ルートヴィヒとセシリアのように深い愛情を築くお話がいいなぁ