あらすじ
「どうしても俺のものにしたくてたまらなかった」
「わからせてやる、どれだけ大切に思っているかを」
騎士団長は偽装夫婦となって、魔力を失った聖女を守り抜くと誓い――
呪いで眠りについていた聖女のセシリア。十年を経て目覚めるも、魔力を失った彼女は辺境に追いやられてしまう。唯一、身を賭して支えてくれる騎士団長のルートヴィヒに惹かれ始めたセシリアは、ある日彼と急接近。するとそれまでの態度から一転、「好きなだけおかしくなればいい」と淫らな熱情で迫るルートヴィヒに、無垢な彼女は翻弄されていき…。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
呪いによって十年もの眠りについた聖女セシリア。ようやく目覚めたものの、かつて国を救った彼女は魔力を失い、価値を見出されなくなったことで辺境へと追いやられてしまう。そんな彼女を唯一変わらず守り続けたのが、騎士団長ルートヴィヒ。偽装夫婦という形を取りながらも、彼は命を懸けて彼女を守り抜くと誓う。失われた力、変わってしまった世界の中で、二人の関係は次第に深まっていく。
品格があり凛としたヒロインが大好きな私には、セシリアはまさに理想の聖女でした。力を失い立場を奪われても、卑屈にならず前を向こうとする姿は本当に強く、美しい。十年という空白の重みや、目覚めた後の冷たい現実は胸が痛みましたが、それでも折れずに生き抜こうとする姿に心を掴まれました。
そして何よりルートヴィヒ。彼の揺るがぬ一途さと、彼女を守るために自ら動く姿はまさにヒーローの鑑。熱くて真っ直ぐで、でもどこか不器用な愛情がたまらなかったです。激愛と言っていいほどの想いの強さに説得力があり、二人の関係が深まっていく過程も丁寧でした。
欲を言えば、クライマックスでもう少し感情の爆発を細やかに描いてほしかった気持ちもあります。特に大きな転機の場面では、彼の絶望や焦りをより生々しく感じられたら、さらに胸に迫ったのでは…と思いました。また、力を取り戻した後の聖女としての活躍ももう少し見てみたかったです。
それでも最後の余韻はとても美しく、穏やかな幸せに辿り着いた二人に心から安堵しました。番外編でもう少し先の未来を覗けたら嬉しかったなと思いつつ、読後はじんわりと温かい気持ちに包まれました。