【感想・ネタバレ】二世兵士 激戦の記録―日系アメリカ人の第二次大戦―のレビュー

あらすじ

日本人の血を引きアメリカで生まれた「二世」。アメリカと日本、そしてヨーロッパやアジア、太平洋の島々で、二世兵士は日本人の美徳を発揮し、壮烈に戦った。その姿は、米大統領の心をも揺さぶるものだった。米陸軍史上最強の第一〇〇大隊、第四四二連隊、“米軍の秘密兵器”情報語学兵、そして日本兵になった二世、GHQ、朝鮮戦争……。未だ激戦の記憶が生々しい元兵士たちの膨大な証言から浮かび上がる第二次大戦。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 色々と考えさせられるというか……非常に辛くて落ち込んだ。
 上手く感想なんか纏められないのでボツボツと。

 アメリカ軍に入った兄が、軍艦の上で「すぐに米軍に墜とされるな」と思いながら見送った特攻機には、日本軍に入った弟が乗っていた。後年、更に上の兄からの手紙でその事を知る。
 そんな事がフィクションではなく、本当に起きたなんて。

 アメリカでの日系人への差別や第四四二連隊の話などは少しは聞いていたけれど、本当に“少し”しか知らなかったんだと痛感。
 この本を読んで、全ての事実に物凄い衝撃を受けたけれども、それでも以前の知識に“もう少し”が加わっただけなのだよね。

 第二次世界大戦が終わった後も、元日本軍として戦った北朝鮮人・韓国人が朝鮮戦争で戦い、アメリカ軍に入った日系二世たちも、再び朝鮮戦争へ、そしてベトナム戦争へ。
 そういった事をつい忘れがちな自分に情けない気持ち。

 先人の苦労の上に、今の自分の生活がある……だから感謝しなければ……そんな気持ちよりも、屍の山を築いてからでなければ、生きている事に感謝も出来ない、どこにも居場所を作れない、そんな人間という種族にうんざりしてしまう。
 そんな気持ちを持ってしまう事がまた辛い。

 でも、こういった事実から目を背けるべきではない。

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2012年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

柳田由紀子


山崎豊子の「二つの祖国」のノンフィクション版って感じ。
なかなか読んでて辛い場面が多いですネ。
著者がアメリカの団体「go for broke」の取材に通訳として同行したときのことや二世の方々の著書などから抜粋してまとめたもの。

二世と一口に言ってもアメリカで生まれ、育ち、そこで戦争になり、アメリカ兵として参加した人。
アメリカで生まれ日本に一時帰りまたアメリカに戻る(帰米というらしい)そしてアメリカ兵となる。
また、アメリカで生まれ育つもたまたま日本に戻ってる時に戦争がはじまり、アメリカに帰れなくなった人たち。

様々なシチュエーションで戦争になり、参加し。
そしてどんなシチュエーションでも日本人からもアメリカ人からも信用されずに差別される。
第一〇〇大隊、第四四二連隊なんてアメリカのために死ぬほど働いて戦ってそしてやっと戦後ジャパニーズ・アメリカンズが市民権を得たって。

そんないたたまれないエピソードがたくさん載っていて辛いばかり。
犬の「生き餌」のなる実験をされるとかたまりませんね。
沖縄育ちの二世がで投降をすすめる話とかも辛かった。

あとは特攻隊の飛行機を見上げて「おとされるなぁ」と思ってたらその飛行機に弟が乗っていたって嘘としか思えない話。

そして、戦後の焼け野原の日本。
原爆を落とされた広島と長崎。
みんな、見てるはずなのに戦争の恐ろしさ、原爆の悲惨を見てるはずなのにアメリカを受け入れている。
不思議。
もちろん、私もアメリカを受け入れている一人ですが、、戦争だけは受け入れたくないな。

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2019年06月28日

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