あらすじ
「生きるのに、誰かの許可なんて必要ない」
――400年を生きる猫が導く、令和最愛のおとぎ話。
人の間に生き、なによりも深く人を愛した猫は、今日も誰かの心に「生きる意味」を問う……。
愛情への渇望に揺れる、母と二人暮らしの中学生・景奈がある日出会ったのは、尻尾の長い、ベージュと黒のマーブル模様の猫だった。
エルと名乗る「彼」は、舐めて瞬時に傷を癒やし、人語を操る不思議な力を持っていた。
「私はもう四〇〇年 生きている」
なぜか老いもせず、病に倒れることもなく。
永遠にも似た時間を生きるエルが、母や友との向き合い方に悩む景奈に問いかけた言葉とは――。
「彼」は、ほかにも様々な事情を抱えた人々と時間を共にする。
仕事も人間関係もすべてが嫌になり自死を考えるアラサー会社員男性、
父親の死を看取れなかったことを後悔し続ける50代の豆腐屋2代目男性、
病を患い余命宣告を受ける心優しい80代女性……。
これは巡る季節の中、傷つき迷える人々にそっと寄り添い、希望の光を灯す奇跡の猫の物語。
作家デビュー10周年記念!
ドラマ化ヒット『さよならの向う側』の著者が贈る、渾身の書き下ろし最高傑作!
どう生きるのか、そして、どう死ぬのか――。
「奇跡の猫」が、人々の生と死に寄り添い、生き方と死に方、生き様と死に様について、大切なことを教えてくれる物語。
ヒューマニズムの名手・清水晴木が贈る、後世に残したい感涙ファンタジー!
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
BUMP OF CHICKENの『K』好きな人に全力で勧めたい一冊!(^^)
400年も生きてきた1匹の猫と、猫が出会った人間との心の触れ合いを描いた物語。達観した猫と、人生や人間関係に悩む人間との会話は、くすりと笑えたり、思わず我に帰ったり、心がすっと軽くなったり。
お互いに影響し合いながら、人(猫)生について考え、ある種のままならなさは抱えながらも、今できる精一杯を紡ぎながら前へと進んでいく『生き様』が心に響きます。
物語を読み終え、満たされた気持ちに浸りながら、最後のページをめくると、、、。思いもよらなかった事実が2行の短い文章で記されておりまして。思わず目を閉じ、永遠猫に思いを馳せました。
あたたかな気持ちをありがとうございました。
Posted by ブクログ
永遠を生きる猫は生きる意味を探している。
猫の生きる意味を教えてくれたのは50年ぽっちしか生きていない人間だった___
猫は永遠の命で、その生きる意味を教えてくれた人間が生まれ変わるのを待つことにした。
春夏秋…と季節が過ぎ章が変わっていく中で
春の景奈にだけ名前を教えるし、景奈とはずっと一緒にいる約束をした。
けれど夏には違う人…?と思ったのですが
冬を迎えてああそういうことだったのか、と納得しました。
景奈はエルにとって待ち望んだ人だったのですね。
最近はホラーブーム(?)だったりで
読むと感情が揺さぶられすぎて疲れ気味だったのですが、久しぶりに心安らぐ、ほっとする作品に出会えました。