あらすじ
話題の新書を衝撃コミカライズ!! 殺人、傷害、詐欺といった犯罪の裏に必ず存在する加害者家族の「その後」の人生に迫る渾身のドキュメンタリーコミック!!
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現場をもっと見てください
本作では、経済的・精神的被害に遭われ、報道被害や野次馬の攻撃への対応に追われる人たちを第6話にてNPO担当職員が「低レベルな人たち」と切って捨てています。事実が元になっている作品なら尚更、断じて許し難い軽率な発言だと思います。
本作の第一章のような加害者家族をとりまく社会的リスクはもちろんのこと、セキュリティの脆弱性による情報漏洩、バイトテロによるSNS炎上や責任者や社員の不祥事、大震災や洪水といった自然災害やパンデミックといった様々な脅威に対してクライシスマネジメントが追いつかず、職場の業務がショートする瞬間を、この原作者と作画の方は社会人になって見たことがないのでしょうか?
緊急時でなくても学校職員は、繁忙ピーク期間は災害レベルで忙しい。現場の余裕のなさが、職場の不正行為や怠業、生徒間のいじめ、職員のハラスメントや長時間労働による免疫力低下で感染症罹患リスクといった二次災害に原因にもなります。校務分掌や1日のタイムスケジュールについて丁寧に取材した上で描かれているとは思えない粗末な描写が多々見られます。
緊急対応が必要な状況では、学校職員は睡眠や昼飯返上で、車内泊やどっかのカプセルホテルやネットカフェに寝泊まりしてでも苦情対応、報道陣への対応や嫌がらせへの防犯対策などを通常業務と両立しないといけない。忙しいを理由に教育サービスの品質を落とすわけにはいかないからです。
主人公は父親が起こした投資詐欺事件について「自分は悪くない」とは言うけれども、ならば、なぜ同じ無関係どころか、親族ですらない学校職員や周辺に住まれている方々やお店のスタッフは起こりうる脅威に怯えないといけなかったのでしょうか?
まわりの大人や同級生は対応に追われて、気を遣って、その間主人公はなにをするの?面倒なことはすべて大人に丸投げですか?学生とはいえ、主人公こそ自分からなにか動くべきでは?NPO相談の際も母親だけ来て主人公は同席していませんでした。
事件について問い合わせ窓口は学校に直に行くかHPに出てる電話番号FAXしかありません。窓口対応するのは学校職員です。これ、本来は関係者がやるものでは?
家族とNPO以外全員「敵」描写が不愉快でした。