あらすじ
旅する魔女と、人々との絆。
それは温かく、強く、優しい――
魔女や魔法使いが存在するこの世界に、紅という名の魔女がいた。
紅は祈りとともに小さな奇跡を起こし、永い命を少し削っては大きな魔法を使う。
旅先で出会った母子を癒やし、夫を喪った妻の次の一歩への背中を押し、家出娘たちの門出に祝福を与え――その交流の中で紅も探すのだ。自らの「生きる意味」というものを。
そしてまた、魔女は旅を続ける。傍らに「小さな奇跡」を携えて……。
最後はきっと、泣いてしまう――
ヒューマンドラマの俊英・沖田円が紡ぐ、最高に切なく温かい4つの感涙ストーリー!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
普通の人とは違う時間の流れ、理の中で生きる魔女が現実世界で「そういうもの」として受け入れられているという設定が優しくも素敵な世界だった。
寿命も長く、魔法で何でもできるから(但しデメリットが全くないわけではない)妬まれたり、迫害されたりしないのかと思ったら、上記の通り「そういうもの」として受け入れられているから、所謂魔女狩りはなさそうな雰囲気。
それでいて、魔女と人間との時間の流れが違うので、同じくらいの時間軸だと思って読んでいたら、最後の最後でしてやられるという。
最後の話は、ベタといえばベタなお約束の展開ではあったが、素敵な「再会」話だった。
冒頭の話の少年が知りたかった答え、そして今作の魔女も探していた答えが、ここでようやく少し見えた形。
感動的なラストだった。