あらすじ
西之園萌絵は、叔母を連れて白刀島までやってきた。加部谷と、この島の出身者である山吹、海月と合流し、夕食の席で、島の診療所に女性の幽霊が出るという噂話を耳にする。(「刀之津診療所の怪」)。ほか「砂の街」、文庫版に初収録の「ライ麦畑で増幅して」など、煌めく魅力を湛えた、全10作の短編を収録。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
ラジオの似合う夜
これって林さんのことやったん!?確かに保呂草っぽい事件が出てきたなとは思ったが…。事件云々よりかはX.Jとの絶妙な関係が好き。このどっちつかずなへたれさというか優柔不断っぽさがある男の決断。確かに林やわ。
檻とプリズム
妥協的理解とかが出てくる最初らへんの描写が好き。大人になるって確かに妥協を積み重ねることよな。
証明不可能な煙突掃除人
星新一の話みたい。ふわっとした感じが好き。
皇帝の夢
ドグラ・マグラみたい。
私を失望させて
前にもあったなぁこんな話。軽いやりとりが好き。
麗しき黒髪に種を
罪悪感にさりげなく苦しむ。あるよねぇこんなこと。あの時ああしてたら、こうしてたら、思うことはあるけどただ思うだけ。罪悪感って無責任なエゴやわ。
コンジ君のこと
これも罪悪感。僕の夢に出てくる友達も、もしかしたらこうなることがあるのかも。
砂の街
有川浩!?不思議な繋がりを感じさせる。知らんけど。
刀之津診療所の怪
練無が出てくるだけでもう満足。紫子と結婚してたってことも嬉しくなる。原作では一切恋愛関係がなかった2人。練無は失恋し、紫子は保呂草に最後まで見向きもされなかった。でも「身内」って言えるくらいの関係になり、でも同居はしてない、独特な関係。学生時代の独特な関係が新しい独特な関係になった。それが嬉しい。
ライ麦畑で増幅して
午前と午後って何!?まさかXシリーズに繋がる話か!まだまだ森博嗣は止まらない!
Posted by ブクログ
3.5
短編集5弾。林の海外赴任の話、練無と紫子の萌絵の時代での後日譚、保呂草とXシリーズの小川令子の出会いが描かれており、シリーズ作品として読むと引っ張られている感もありとても興味深い。名前をストレートに出さないあたりが森っぽい。他には短い話も含めて数点。練無は白刀島で診療所をやっているよう。「刀のつPQR」「午前と午後が背中合わせ」。
刀之津診療所の怪では、山吹と海月の出身である白刀島に渡った萌絵、睦子、山吹、加部谷、海月。そこで見つけた「刀のつPQR」の看板を出す診療所。横を向いているFGJを合わせて非対称なアルファベット。前々作からの伏線。フランソワ。グライダを飛ばしている「僕の身内」が紫子だろう。振袖の趣味。少林寺。徐々に分かるあたりがうまい。
ライ麦畑で増幅してでは、保呂草こと椙田と小川の出会い。前職の社長秘書時代の小川が、愛していた社長が死んだ場面から椙田に誘われるまで。音が良いという想い出のアンプ。「午前と午後が背中合わせ。それが小川君のものだ。」Gシリーズへと続く謎。なかなか面白い。
Posted by ブクログ
森博嗣のショートショート,好きです。世界観に入れそうっていうところで結末を迎えてしまって自分がまだまだ至らないのだと痛感させられた。
何の先入観もなく読み始めた主人公がまさかの林さんで,この人視点の物語展開ってあまりなかったから新鮮だった。なんだかVシリーズで感じていた林さんよりもちょっと女々しい印象。
Gシリーズのプロローグ的な『刀乃津診療所の怪』は,まさかの登場人物(明言はされないけど)に「くぅぅ〜これが短編の醍醐味!」と興奮してしまった。少林寺に女装,美女×背の高いボーイッシュ…はぁ〜シリーズが終わってもこうやって楽しませてくれるから森博嗣ファンはやめられないんです。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
西之園萌絵は、叔母を連れて白刀島までやってきた。加部谷と、この島の出身者である山吹、海月と合流し、夕食の席で、島の診療所に女性の幽霊が出るという噂話を耳にする。(「刀之津診療所の怪」)。ほか「砂の街」、文庫版に初収録の「ライ麦畑で増幅して」など、煌めく魅力を湛えた、全10作の短編を収録。
【感想】