あらすじ
三百億円の損害を出した株の誤発注事件を追う「猿の話」。ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男の「私の話」。やがて交差する二つの話を孫悟空が自在に飛び回り、「SOS」をめぐる問いかけが物語を深化する。世界最強の猿からユングまでを召還し、小説の可能性に挑戦した、著者入魂の記念碑的長篇!
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Posted by ブクログ
SF感というか、不思議感が強かった。
それまで、新潮文庫や角川文庫のものばかり読んでいたためかそれらと比較するとそこまで、、という感じだったが、2人の男の話の繋がり(孫悟空の語り方)には見事に引っかかった。
猿の話のつど気になる語り口調の謎が途中ですっぽり解消できてスッキリ感があった。
Posted by ブクログ
やっぱ伊坂幸太郎はおもしろい。人の話、猿の話最後は全てがつながる。孫悟空がちょいちょい…どころではなく、ほぼ孫悟空の話。
引きこもりの少年、堅物の五十嵐さん、アカペラコンビニのひと。結局は孫悟空。
Posted by ブクログ
2009年の伊坂幸太郎氏の作品。
2000年初頭の奇想天外なエンタメ作品を彷彿とさせる先の読めない作品でした。
相変わらずの軽妙な語り口、個性的なキャラ、そして想像もつかない結末。
ってか、悪魔祓い、株の誤発注、西遊記、これらの要素が絡むエンタメ作品って、想像できますか!?
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特長的なのは二つのストーリーが次第に交錯してゆくところ。
一つ目の話は、イタリア公認の悪魔祓いの「エクソシスト」遠藤二郎の話。
かつて憧れだった近所の「辺見の姉さん」の子の眞人の引きこもりにつき、この「姉さん」から相談に乗ってほしいと依頼を受けたもの。
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もう一つの話は、ロジック・因果を突き詰める五十嵐真の話。
彼は300億円の株式誤発注の原因を探るということでシステム会社から証券会社へと派遣されるという設定。
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どちらも、軽妙で冗談だか本気だかわからん会話をベースに話が進みますが、これらを結ぶのが「西遊記」の孫悟空。このあたりはかなーり、奇妙。
ただ最終的には、「じっくり耳を傾けること」「話すこと」みたいなテーマが見え隠れしてきたと思います。
人の心理や感情を一方的に判断するのではなく、観察や会話から徐々に理解しよう、みたいな。
また、私のキャリアのスタートが証券会社向け勘定システムの開発ということで、誤発注ネタはちょっと厳しくも楽しく読みました(証券コードと単位株をキーにしてチェックロジックを入れるべき云々、心の中で突っ込みを入れる等)。
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ちなみにですが、解説で栗原裕一郎氏が述べている通り、2007年の『ゴールデンスランバー』以降を第二期とし、『モダンタイムス』『あるキング』『バイバイ、ブラックバード』などを「モヤモヤシリーズ」「肩透かしもの」と呼ぶそう。本作『SOSの猿』もこちらに属します。
どうも、当初からのファンはこの作風がどうも好みではないとか。
あーね、あーね。確かに分からなくもありません。エンタメのどストライク、とはちょっと違います。
何というか、より深いテーマに抵触するように感じ? 個人的には違った意味で好きですが。
『モダンタイムス』は国家という大きな装置が暴走したら?という仮定はAI時代の昨今、あり得なくもない未来だと感じます。
『あるキング』は逆らえない運命や、それに対する自己の構え、みたいなことを考えさせます。
『バイバイ、ブラックバード』はそうですね、確かに奇妙な小説でした。ただこちらも、五股男性が逆らえない運命が見えるなかでもベスト?を尽くすという意味では『あるキング』と似通っています。
もし本作を読んで「伊坂幸太郎って言われるほど面白くない」と感じたかたは是非デビュー以降2007年頃までの作品を読んでいただきたいと思います。
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ということで伊坂作品でした。
旅行中に読んでおり、記憶がおぼろげなところを頭から記憶を絞りながら書き留めました。失礼しました。
Posted by ブクログ
本作は伊坂作品の中ではかなり挑戦的に感じた。
わかりやすい回収などよりも、少し疑問を残すような展開が多く、伊坂テンプレとは異なる印象を受けた。
また、日常内に奇妙な展開が起こるのはいつも通りなのだが、今回はかなり奇妙な展開が多かっただった。リアルの中に過剰量のファンタジーが混ざっているような展開で、どこで説明が入るのか待っていたが、最後まで説明はなかった。
なお、五十嵐さん作の漫画:SARUとの競作とのこと。関わりはあまりなさそう。
Posted by ブクログ
終盤までは結構読むのが辛かった
猿の話の文体が苦手で…
でもラストスパートで伏線を巻き取っていくのは気持ちよかった!段ボールの壁で悪者を捕まえました!でも良かったのに、そうしなかったのはなんでなんでしょう?株にフォーカスするため?
Posted by ブクログ
因果関係の話
孫悟空が登場して、最初何がなんだかわからない。
五十嵐の話になってなるほどってなる。
伏線がちゃんと伏線だったり、ぜんぜん違ったり、不思議な話。
面白かったけど、孫悟空の話をあんまり知らない事もあって星が3。