あらすじ
ようこそ、天空遊園地 まほろばへ。 わたくし当園の案内人、シチカと申します。 ここは、もう二度と会えない、あなたの大切な人と「再会」できる場所。 入園される際に、一つご注意を。 当園では泣くことが禁止されております。 もし泣くと、あなたの大切なものが失われます。 くれぐれもお気をつけください……。 大好きだった父親の死後、母親と折り合いの悪い少女。 出産を控えて、辛い別れをした元恋人に会いたいと願う女性。 軽蔑していた父親にどうしても聞きたいことのあるエリートビジネスパーソン。 決別した元相方と会いたい女性お笑い芸人。 戦死した兄との約束が忘れられない90代の男性。 大切な存在との「再会」を通し、残された人々が自分の心と向き合い、未来へ歩み出す姿を描く、胸を震わせる5つのやさしい物語。
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Posted by ブクログ
設定が素晴らしかったです。架空の地にある架空の遊園地を舞台にしてパラレルワールドの世界に一時的に連れて行く、ちゃんとルールを設けているのも良かったと思います。
モデルとなった生駒山上遊園地と国内最古の大型遊具である飛行塔も現役で動いているのもわかって良かったと思います。
中身をすべて読んで5話の短編全てで号泣しました。あと読書メモにこんなに書いたのは初めてです。読書メモに書いたことをそのまま書きます。(読書メモなので大雑把に書いてありますがご了承ください
奈良県天駒山にある死者に会える遊園地が舞台 支配人はシチカという 切符鋏で切符を切る
「まほろば」という遊園地は戦前2年間だけ開園していて、閉園後、都市伝説が噂されていた。閉園した遊園地が夜に「死者に会える遊園地」として営業
この遊園地では亡くなった人の日を把握しており。亡くなる前の日にタイムリープしてくれる 「まほろば」に入るとパラレルワールドの世界だ
「まほろば」に行くケーブルカー乗り場には猫が案内し、ケーブルカーに化けているらしい
禁止事項:泣くこと(破ると大切なものがなくなってしまう)生者が未練を抱く行為が泣くこと
・「まほろば」は一生に一回しか利用できない
・「まほろば」の利用時間は1時間だけ
・絆のサイクルモノレール
久保田杏奈:主人公 女子高生 男女共学の私立高校に通っている 薬剤師を目指している 東京の大学で独り暮らししたい 名古屋在住
久保田沙織:杏奈の母 薬膳カフェを経営 社会人リーグでサッカー選手をしていた
久保田隆史:杏奈の父 杏奈は父と仲が良かった 以前から母が仕事に行って父が主夫として家事をしてくれていた 二年前、交通事故で亡くなった(信号無視した車に轢かれた)
渡部真美菜:杏奈の友達 杏奈と同じ高校に通っている ダンス部に所属 性格は明るい(仙人のような口調の時がある)
海斗:真美菜の兄 真美菜の5歳年上 大学生
マリア・デラクルス:家政婦 フィリピン人 家事を完璧にやってくれる 沙織の店の常連客の紹介で、沙織の家で家政婦として働いている 現地の労働者支援団体を通して日本に働きに来た
杏奈のセリフ「お客さんの健康は気にするけど、私の健康はどうでもいいんだ…」杏奈は母のことを「仕事しか興味がない冷血人間」と言って嫌っている
父の代わりにマリアが来た。杏奈は反対していたが、沙織は聞き入れてもらえなかった
マリアと杏奈には溝ができていた(隆史の最後の書置きの紙をマリアは勝手に捨てていた)
隆史の命日を沙織は忘れている(真美菜が覚えててくれているのに)杏奈は「パパに会いたい」といつも思う
真美菜が「最近のスマホは心が読める」と言った これがのちに出てくる「天空遊園地まほろば」の紹介動画につながる。
杏奈のスマホに「天空遊園地まほろば」の動画が流れる 杏奈は行くことにした
「まほろば」には杏奈、真美菜、海斗が行く。ただし「まほろば」の中にはには杏奈1人だけで行く 無事「まほろば」に到着。シチカに案内され待合室に行く 泣くと父親との思い出が失われると、シチカに言われる
すみれ:「まほろば」の従業員 涙を止める魔法を持っている
「まほろば」のゲートをくぐり、遊園地の中に入ると隆史が杏奈を呼ぶ声が聞こえた。再会できた
パパと二人で遊べる乗り物に乗りたく、杏奈はサイクルモノレールを選ぶ その後、沙織のサッカー選手時代の話を聞く。沙織が靱帯断裂でサッカー選手を引退したとき、そこで初めて沙織が泣いたところを隆史は見る それを見て隆史はプロポーズした その後OKをもらい、ママは選手時代に大切にしていた食の道に進んで会社を辞め、薬膳カフェを経営 パパも一緒に辞めてママの支えになるため主夫となる
杏奈は思う「ママは悲しい時ほど強がる…」杏奈の心の中で「パパが亡くなって本当は悲しいんだ…」と思うようになる 隆史との1時間の再開が終わり、家に帰宅してマリアに今までのことを謝る。するとマリアも同じ境遇だったから沙織さんの行動がよくわかると言った 後に沙織が好きだった隆史のオムライスを杏奈が作る。沙織はそれを食べて号泣する。マリアも泣く。
杏奈は思う「自分もママみたいに強くなろう」
1か月後、ママは朝はあまり忙しくならなかった。杏奈が学校へ行く時、「いってらっしゃい」と言われ、笑顔で「行ってきます!」と返した。
1話目の流れはこのような感じ
読み進めていくうちに目頭が熱くなり、終盤には泣いた。
・幸せのメリーゴーランド
桜井美咲:主人公 埼玉県在住 システムキッチンのメーカーに勤務 エコー検査で自分のお腹の中で赤ちゃんがモゾモゾ元気に動いているのを見た
桜井祐介:美咲の夫 市役所の産業振興課に勤務
今野晴香:美咲の親友
翔馬:晴香と付き合っている彼氏
久我涼太:晴香と付き合ってる翔馬の友人 バイクの交通事故で亡くなった 美咲は久我との連絡手段を全て断っている(久我は美咲の元恋人だった)
宮原:産婦人科の医師
美咲の母は看護師として働きながら美咲を女手一つで育ててくれた。父は美咲が幼稚園の時に膵臓癌で亡くなった
美咲と涼太が出会ったのは5年前
美咲の働くシステムキッチンの会社で商品の撮影していたのが久我涼太だった 久我涼太は広告制作会社でカメラマンをしていた 涼太は時々個展を開いていた
涼太と交際して3年、突然涼太から別れの話を切り出される(他に好きな人ができたから)
その後カフェでコーヒーを飲んでいたら、一人の男がスマホの充電器を借りたくて声をかけてきた。美咲は充電器を貸し、お礼がしたいと言ってお互いの連絡先を交換 そのときに名刺を渡されてその人の名が祐介だった
交際してすぐにプロポーズされ結婚する
佐々木:美咲の会社の後輩 男性社員 軽くていい加減な性格で美咲はあまり好きではなかった 仕事もいい加減で領収書の締め日も守らない 美咲に注意されてぼそっと「うるせぇな」と言ったのが美咲に聞こえて美咲は泣いて早退してしまう。でも本当の理由は涼太の死を聞いて頭がパニックになっていた。
しばらくメソメソしていると、スマホの画面に「天空遊園地まほろば」の動画が流れてきた。再会したい人の名前を入力する欄があり、美咲は「久我涼太」と入力する 再会日は涼太が亡くなる一週間前と希望欄に入力
無事に「まほろば」に着いた。涼太とも再会 涼太は美咲の妊娠中の体を気遣い、カフェインを控えた飲み物を買ってきてくれ、妊娠中の体の負担を考えてメリーゴーランドで遊んだ
遊んだ後に、美咲は自分と別れた理由を聞く。涼太は「好きな人ができた」と言ったが、それは嘘だと見破る。そして本当の理由を聞く 涼太は親父のDVで悩んでいた。ついには母とシェルターに逃げ、離婚が成立 ただ母も涼太が大学生のときに亡くなった 幸せそうな家族の写真を撮りたいと拘った理由も有名なカメラマンに「君の一番取りたいものは?」と聞かれ、「幸せそうな家族です」と答えた。涼太は幸せそうな家族に憧れていた。美咲と別れたのは美咲のことを考えて、あえて嘘を言った(以下が理由)
結婚の話を避けていたのは、もし自分が父親になったらもしかしたら子供を虐待するかもしれない、という怖さがあった。それと人間ドックで自分は子供を作れない体だったことがわかったから。
遊園地を出るときに涼太から封筒をもらう。中身は「家族写真無料チケット」(最高の一枚を撮るよ、と書かれていた)涼太は敢えて自分から身を引いて美咲の幸せを願っていたんだとわかった。美咲に渡したかったものはこれだと確信した。
無事に子供が生まれた(陽人と名付けた)3年後、美咲は趣味程度で家族写真を撮っていた。あの時涼太からもらったチケットはいつの間にかなくなっていた。
2話目の流れはこんな感じ 読み進めていくうちに目頭が熱くなり、終盤には泣いた。
・沈黙のパンダカー
山田颯太:主人公 30歳 断捨離をして、酒も五年前に辞めた 人付き合いもない simple is best カフェイン断ちをした(コーヒーも飲まなくなった)1か月前、父(山田泰蔵)が亡くなった(心筋梗塞)65歳 新潟県出身 現在は東京タワーやスカイツリーが見えるマンションに住んでいる 東京丸の内にオフィスを構える外資系戦略コンサルティングファームに勤務(本社はニューヨークにある)マネージャー職で社内でも地位が高い
父は米農家の職人肌で颯太はそれが嫌で東京の良い会社に入るため猛勉強した
三宅:颯太の部下 MBAホルダー 寅さんのお守りを持ち歩いている 颯太は義理と人情が一番くだらないと思っている
椎名:颯太の上司 シニアマネージャー
颯太が手掛けている無人書店プロジェクトは順調に進んでいる 無人化することで人件費を削減し、売上を伸ばす
ただ、無人化=幸せっていえるのだろうか?
颯太と椎名は東邦アーバンの副社長の加賀谷と執行役員の森川と会食 颯太は会食は嫌いだが、会食の最後に出された新潟産コシヒカリの炊き込みご飯に舌鼓を打つ そして思う「自分は親父と何か話してみたかったな」
そう思ってたら颯太のスマホの画面に「天空遊園地まほろば」の動画が流れてきた。再会する人の名前と再会希望日を入力する画面にとんだ 最初は信じていなく、何かの詐欺かと思ったが、他の利用者の「まほろば最高!」というメッセージを読んで試したくなった。父(山田泰蔵)の名前を入力
「まほろば」のケーブルカー乗り場までやってきた 乗り場まで石段でその横には無数の灯篭があった 颯太が通ると灯篭に火が付いた。
「まほろば」の入り口でシチカと会う。「まほろば」という遊園地は戦前に元々ある実業家が子供たちを喜ばせたいと思って造った。その実業家の息子がまだ小さい頃は仕事が忙しくて遊べなかった。その後悔を遊園地を造ることで解消しようと考えたらしい しかし戦時中、その実業家の息子は戦死し、実業家は非常にショックを受け、その後も遊園地は再開されることなく廃園になってしまい、今は広場と飛行塔だけが残っている、という説明をシチカから聞く 日本最古の飛行塔と日本最古のケーブルカーもここであるとも聞く
10年前の父と再会したいと入力してあった シチカが注意事項を説明した後、「泣けない、って言うのも悲しみの一つの表現かもしれません」と言う。その言葉が颯太の心にグサッと刺さった。
遊園地に入り、無事に父と再会 シチカの注意事項の中に「死者は全員、生者に誘われてここに来たのだから、話を合わせてほしい」とあった。最初は遊園地の中にあるレストランに行く。父とビールを飲んでいると「男はつらいよ」っていう映画について、その中で一番好きなシーンがあると父は言う。寅さんの甥っ子が「人間は何のために生きてるのかなぁ?」と寅さんに聞く。すると寅さんは「生まれてきてよかったな、と思うことが何遍かある。そのために人間は生きているんじゃないか。そのうちおまえにもそういう時が来るよ」って言う。「渥美清が演じる車寅次郎だから心に染みた。他の俳優ではできない」と父が言う。
レストランを出て、次はあのパンダカーに乗りたいと父は言った。颯太が5歳のころデパートにあるパンダカーに乗ろうと考えたが、その日は田んぼの水量調節のため行けなかった。それ以降颯太はパンダカーに乗りたいと言わなくなった。その約束を今叶えようとしてるんだと颯太は思った。
父は帰りに何か食べ物が入った袋をくれた「帰りに食べろ」と言った 最後、父に言った言葉は「元気でな。」帰りに袋を開けたら塩むすびが入っていた。これを見て今までが幻じゃなかったと気づく。そして泣きながら一口ずつほおばる。「親父、ありがとう…」
そして家に帰り、「男はつらいよ」のDVDを全巻買い、全部見た。仕事でもそのことを活かしている。
3話目の流れはこんな感じ 3話目は泣かないかなと思っていたが、「まほろば」での父やシチカの言葉のシーンから泣いた。
・友情のびっくりハウス
丸倉七海:主人公 お笑い芸人 5年間続けたコンビを解散、新しいコンビと組むと、周りの評価が少しずつ上がる 昨年末KOM(キング・オブ・漫才)の決勝に出場 そこで3位となり、毎日のように仕事が舞い込む
河合:マネージャー
山木:七海の新しい相方 七海と風子の同期
結城風子:七海の元相方 幼稚園からの友達 七海が横浜から大阪に引っ越してきたとき、いち早く駆け付け、カマキリをブローチ代わりにプレゼントされて七海はビックリする。風子は七海の斜め向かいの家に住んでいた。引っ越し初日の夕食になぜか風子もいた。先日亡くなった
河合マネージャーから先日、風子がくも膜下出血で亡くなったことを知らされる
七海も風子も朝ドラばかり見ていたので学校でも朝ドラの話ばかりしていた。二人はともに同じ中学・高校に進んだ。七海が思春期の時に「彼氏が欲しい」と風子に相談したとき、風子は「あたしにまかしとき」と言って他の高校からイケメン高校生を虫取り網で捕まえて七海の所に持ってきた。その後3ヵ月付き合った
高校卒業後も大学も同じ大学だったので、学生生活は中学・高校と変わらなかった どちらかに彼氏はできるのだが朝ドラを観させられて「お前たちにはついて行かれへん」と言って別れた。
占い師から「お笑い芸人やれ」って言われる 「七海もお笑い芸人やったほうがいい」とも言われた それでコンビを組む コンビ名は「月と水餃子」
七海はこのまま普通に就職先を探しても結局は父の経営する不動産会社で経理の仕事をするに決まっていると思い、父に大学卒業後にお笑い芸人になりたいと言ったら最初は反対されたが、七海の強い押しに負けた。
七海と風子の漫才は養成所時代は良かったが、事務所所属になってからウケなくなった。風子は平然としていたが、七海はもっと売れたいと思うようになる。次第に七海は風子に対してイライラ感を持つようになる。
ある時、七海と山木が飲みに行ったとき山木が「俺、中津と解散する」と言った。「中津と組んでもKOMの準決勝どまり」と言い、ボソッと七海に言う「もし俺とコンビを組んだらどこまでいけると思う?」それで七海は風子に解散を突き付ける。芸人辞めて七海は大阪に帰ると言った。
七海は大阪で山木とコンビを組みなおした。コンビ名は「天ざる」その成果はすぐに出た。ついにはKOMで決勝に行き、3位までいった。その後風子の死を知らされる。〈もし風子とコンビを続けていたら風子は死ななかったんじゃないか、うちが風子を殺したんじゃないか、 親友を捨ててまでお笑い界で成績を上げるために他の人とコンビを組んで正解だったのだろうか〉と自問自答する
そこにスマホ動画で「天空遊園地まほろば」のCMが流れてきた。
米農家をしている父と再会して「生きててよかった」と、「まほろば」を絶賛する青年のコメントを見て七海は明日来園の予約を取った。
夜、天駒駅に着くと1匹の猫がいた その猫は七海をケーブルカー乗り場魔で案内し、その後消えた。それから猫の形をしたケーブルカーがやってきた
「天空遊園地まほろば」に到着。シチカが迎えに来た それから「まほろば」についての説明・注意事項を受ける。七海は「まほろば」の入り口まで行こうとするが途中で立ち止まってしまう。シチカが「どうかされましたか?」と聞いて七海は「風子は絶対私のことを怒っているに違いありません」と言う。
シチカは「七海様を苦しめておられるのは、風子様の怒りではなくご自身の後悔ではないですか?後悔とは行き場をなくしてさまよう想いです。人は大切なものを失うと激しい後悔という想いに襲われます。その想いを正しい道に導く、これが「まほろば」の役目です」と言う
入り口を通り、無事に風子と再会
風子が昔から好きだった「びっくりハウス」で遊んだ。その後に風子は飛行塔を見上げる。すると風子が七海に「ごめん、お笑い真剣にやらなくて。七海の口から解散を言わせてしまって、ほんまごめん」と言った 風子が初めにお笑いやりたいと言ったのは占い師に言われたからではなく、本当の理由は七海とずっと一緒に痛かったから。「月と水餃子」の漫才が飽きられてきたとき、風子は「最初は真剣にお笑いをしている七海に腹が立ったんだ。でもあたしは子供で七海は本気でお笑い芸人目指してたんだな」と七海に言った 制限時間になって風子から「これからは連絡とっていいかな?」と訊かれ、七海は笑顔で返す。(もう風子はこの世にいないのだから連絡のしようがない)
翌日、風子の家に行き、風子の遺影を見た。風子の部屋も見た。そこには「天ざる」のファングッズがたくさん置いてあった。風子は「天ざる」を応援していた。そして七海は泣く。
4話目の流れはこんな感じ 読み進めていくうちに風子の気持ちがわかり、目頭が熱くなり、泣いた。
・約束の飛行塔
田上今雄:主人公 90歳の誕生日を迎えたばかり 東大阪市在住 高校卒業後、天駒市の市役所に勤務
息子、娘、孫、ひ孫に囲まれている 嫁は五年前に亡くなった
亜利沙:今雄のひ孫の一人 家族からは問題児扱いされている
和室の布団を畳めなくなったら老人ホームに行く、と息子と約束している
今雄の部屋に兄の写真があり、「兄さん(田上貞生:今雄の9歳上、19歳の時に特攻隊員としての役目を果たし戦死)、90歳になりました」とぼそっとつぶやく 後に部屋に入ってきた亜利沙に写真を見つけられ、誰だか尋ねられる。「兄さんだよ。兄さんは特攻隊員だった」と答える。兄さんは飛行塔が好きだった。遊園地の従業員が、今雄の兄さんが特攻隊員であると知った時、特別に飛行塔を動かしてくれたらしい。兄さんは喜んで乗ったが今雄は怖気づいて乗れなかった。今思うと「なぜあの時一緒に乗らなかったのか」と自分を責める そこで亜利沙が提案する「「天空遊園地まほろば」に行けば死んだ兄さんに会える」と。
今雄は戦時中は「金属類回収令」があったことを亜利沙に教える(金属類を回収して武器や弾丸を作るため)じゃあどうして飛行塔は回収されなかったのか?Answer:戦時中飛行塔は海軍の防空監視所として利用されていたから回収されなかった そうこうしてるうちに23時になっていたので亜利沙と一緒に「天空遊園地まほろば」に行くことにした。
亜利沙はケーブルカーに乗れず、今雄一人で行くことに。亜利沙は下の駅で待っている
無事に「天空遊園地まほろば」に到着。シチカと会う 兄さんと、飛行塔に一緒に乗る日に設定してくれた
「天空遊園地まほろば」に入ると夜が昼になって、今雄も80年前に戻っていた。飛行塔にも一緒に乗れ、最高の気分だった
飛行塔を降りた後、兄さんは軍粮精(キャラメル)をくれた その後今雄は兄さんに特攻を止めるよう言う しかし兄さんの考えは変わらない「お前のためだ。家族の負担が減るんだったらオレは喜んで特攻に出るよ」と。
下の駅に着き、亜利沙が迎える。手にはクロスワードパズルを持っていた。家で解いていたパズル「雨を一文字ずつずらすと・・・」これを思い出し、「シチカと言う文字を一文字前にずらすと・・・まさか⁉」と驚く。
5話目の流れはこんな感じ 「天空遊園地まほろば」について自分なりにわかったつもりでいる。今雄と兄さんの仲の良さを読んで、またシチカが「これからも、ずっとおまえを見守っているよ…」と言っているのを読んで泣いた。シチカが何者かが少しわかった気がする。
もしこの本の帯にコメントするようなことがあれば「5話の優しいバリアーが読者をオブラートのように包み込む」ですかね。調子に乗りすぎました
最後にこのような素晴らしい小説を書いてくれた作家さんに感謝します。ありがとうございました。