あらすじ
二十年前に両親を殺されて以来、世捨て人のように生きてきた真野。ある日、彼が営む「深夜喫茶」に謎めいた少女が現れるが、不慮の事故に巻きこまれ、意識不明になってしまう。身元の手がかりは、ポシェットに入っていた一枚の地図のみ。その地図に導かれるように、真野は、一度は捨てた故郷を訪れる――。「汐灘サーガ」第三弾。
【目次】
第一部 帰れない街
第二部 すれ違う意図
第三部 螺 旋
第四部 接 近
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「汐灘サーガ」第三弾。
世捨て人のように生きていた真野は、細々と営む「深夜喫茶」に1人で現れた少女が、帰り際のドア前で不慮の事故に巻き込まれて意識不明になったのが気に掛かり、残された地図から身元を辿ろうと動き出す。
真野は、20年前に両親を殺されてから訪れたことがない汐灘へ向かうのだが…
一方、弁護士の川上もある事件の弁護の助っ人を依頼されて汐灘にいた。
川上の父親が20年前に殺人を犯して死刑になっていたのだが、彼もまた辛い思い出のある汐灘だった。
どちらにしても父親が原因であり、思い通りの人生を歩めなかったのだが、汐灘という場所だからか、川上の高校時代の先輩だった石神刑事も登場する。
彼もまた父親のことで苦悩を強いられたことを思い出した。
下巻へ。
Posted by ブクログ
サーガとは歴史や偉人に纏わる一大叙事詩とか散文的物語群だそうだけど、このシリーズは北関東らしい地方都市を舞台にしたという共通点で結んだ警察小説というところ。最初の文庫本が出たのが13年前、新装版を出すってどうなのか、というのが、一連の小説を読んできて思うところだけど、その答えは第三弾上巻でもわからない。
20年前の一家殺人事件、今回起こった殺人事件にはとても似通った状況がある。昔の事件の被害者の家族、犯人の家族、警察や地域の関係者など。バラバラのような出来事を繋いでいく、繋がっていくという前半のストーリー。
自分にとってはこの事件の繋がりよりも新装版の成り立ちを見つけたいという気持ちで最終章の下巻に向かう。