あらすじ
宵節句の宴で七重は隣家の出三郎の袂に艶書を入れる。しかし、部屋住みでうだつがあがらないと思っている出三郎には、それが誰からのものかわからないまま、七重は他家へ嫁してゆく。廻り道をしてしか実らぬ恋を描く「艶書」。愛する男を立ち直らせるために、自ら愛着を断つ女心のかなしさを謳った「憎いあん畜生」。著者が娯楽小説として初めて世に問うた「だだら団兵衛」など全11編。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
全11編の作品
歴史物ではあるが読みやすい
市井の庶民の暮らし 清潔さ
潔さなどが感じらる
今どきの人が忘れたものを文の中に読み取ることができる
Posted by ブクログ
「だだら団兵衛槍術年代記」「本所霙河岸」「金作行状記」「憎いあん畜生」「城を守る者」「五月雨日記」「宵闇の義賊」「艶書」「可笑記」「花咲かぬリラ」
「可笑記」は周五郎作品には珍しい随筆調の作品。「花咲かぬリラ」現代ものの恋愛小説。残り9編が時代小説です。
それらの時代小説も昭和29年発表の表題作「艶書」を除いて、ほぼ全て初期(戦前)の短編集です。と、いうわけでどれも修身的だったりして読み応えのある作品は少ないのです。
それを半ば承知でこの本を買いました。実は私の本棚には、新潮文庫の周五郎さんの本がずらり。でも、あと何冊か足りないのです。残り4ー5冊ですから、今年中にはコンプリートしましょう。