あらすじ
家庭料理は世界一難しい。台所では誰もが孤独だ――。引きこもり、火事、世界一周と壮絶な半生を経て、理想が破れかけた先に見つけた答えとは。YouTube登録者523万人、Xフォロワー286万人の料理研究家・リュウジ、初の挑発的・料理哲学本。
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Posted by ブクログ
この方が料理系人気YouTuberになるまでの半生と、ネットで話題になった出来事についてなど、料理研究家としての料理や物事への考え方が書かれたもの。
彼の動画は、料理の後に、スタッフに試食してもらうところまでが入っている構成が多い。この構成は、食べる側一人以上に対し作る側は一人。相対的に作る側の孤独感が出るのだ。その孤独感は、この動画を視聴する世の中のたくさんの台所料理人に共通するもので、動画を通じてその孤独感を共有しているのではないだろうか。そこが彼の動画の人気の秘密ではないかと思った。
彼が自分にできることは、料理のハードルを下げて、自炊できる人を増やすということなのだそう。孤独の台所は終わりにしましょう、手抜き料理でいいじゃんと。昔と違い、家事は主婦の仕事とは限らない。台所で料理をするのは、主婦一人ではなくなってきているという点では、孤独の台所は減っているか。とはいえ、少子非婚化が続けば一人暮らし世帯が減ることはないだろうし、彼の動画の需要がなくなることはない。おそらく今後も彼の動画で難しい料理はしないでしょう。彼の動画を見る人が求めているのはそういうものではないし、そういう需要は世の中にたくさんありますからね。そういう私も手抜き料理ばっかりだし。
今後も頑張って欲しいけど、ネタ切れが近い気もする。最近は企業コラボが多いが、この先どうなるのかな。料理のレシピが古くなってしまうことはそんなにないのが幸いか。
Posted by ブクログ
リュウジさんの動画をよく参考にしている。虚無な日も、至高な日も、ありのままのリュウジさんが伝わるから楽しい。そんな彼の人生がつまった一冊。料理研究家なのに料理しないことも許してくれる、やさしい!わたしの味方でいてれる!!好き!!
Posted by ブクログ
私の中で2025年最高の一冊です!!まだ九月ではありますが、多分これが2025年最高。それくらいよかったです!!
タイトルからして”料理研究家は辛いよ”的なメニュー開発の裏側とか、料理研究家としての孤独とかが書かれているのかな?と思いました。それは面白そう。あの楽しい動画の裏側見て見たい。と手に取りましたが、違いました。台所で誰かのため辛い思いをしながら料理をする人たちに寄り添ってくださった一冊だったのです。
私は一人暮らしで料理をします。一人暮らしだからと言って、むしろ一人暮らしだからこそ孤独を感じません。いつもわくわくに満ちています。これはどんな味になるかな。早く食べたいなとか考えるの最高に楽しい。この本で言うと言う所の5%の料理好きの方に入るかもしれません。まぁ、ものすごく凝った料理とかはしませんが。
リュウジさんのレシピ本はその他95%の料理がしたくない人たちへ向けて書かれています。だからこその虚無レシピの本も生まれました。ありがとうございます。料理をする私も虚無レシピ最高。と思っています。その虚無レシピが生まれた背景にも触れられています。
それだけではなく料理研究家になったいきさつなども載っているので、その辺りも楽しく読めます。料理だけではなくYouTubeでのマーケティング的なお話も、経営についてのお話も。
この本を読んで、リュウジさんに今後もついていきます!!と雷に打たれたように思ったのがあとがきです。
「うまい」こそが、人にとんでもない力を与えてくれます
「おいしい」は人を幸せにする言葉であり、幸せを分かち合う素敵な言葉です。
この二つの文章は、私の”料理をする理由”をまるっとどんぴしゃり表していてくれていました。これがあるから私は料理をしている。本当に、本当にです!
いままでなんとなく感じていたこれを言語化してくださって本当にありがとうございました!!
私にとって2025年最高にアツイ言葉を乗せてくださった最高の一冊でした!
まだ九月ですけど
Posted by ブクログ
彼が何を考えてあのような活動をやっているのかよく分かる本。彼が相手しているのはやむを得ず料理をしている大多数の人。彼を批判するのは料理が好きな人だったりするけど、料理を好きじゃない人、やむを得ずやってる人を少しでも楽に、料理を好きにしようとして活動してるんだから、本来ならそんな批判者の味方の人だろうと思うのに表層的にものをみてるから浅い批判に終始してしまう。
ちゃんと背景や裏側の思想を知るのが大事だとあらためて知ることができた。
Posted by ブクログ
リュウジの半生を綴った本書。一人称が終始「俺」だったのはちょっと可笑しかったが、それゆえに著者の声で語られているような臨場感があった。引きこもり生活からの実家が燃えたなんてね……。その後、職を転々としながら何度も鼻をへし折られ、それでも這い上がっていくパッションには「さすが」と思わされた。「自炊する人」の苦悩を理解してくれて、また努力を褒め称えてくれて、主婦のワタクシはとても嬉しかったです。ありがとうリュウジ。
Posted by ブクログ
一人暮らしを始めてから料理をしようと思ったはいいものの、どうしたらいいかわからなかった時にリュージさんのレシピを見てとりあえず作ってみた。
そこから6年ほど、彼のレシピや動画を見るのはもちろん、他の料理研究家の方のレシピでも気になったら作ってみるというところまでできるようになった。
そんな私に料理を作るきっかけをくれたリュージさんにもこういった背景があるということが知れてよかったと思う。そして自分のペースで料理を楽しんでいけたらいいなと改めて感じた。
Posted by ブクログ
世の中の95%の「しょうがなく料理をしなければいけないから料理をしている人」の側に立っているリュウジさん。
レシピ動画を観ればその意味がよくわかる。
残り5%の「意識の高い料理好き」のためのレシピ本に心折れた人に、リュウジさんのレシピと言葉が響くのは必然。
大事なものをはっきり言語化してくれる姿勢と言葉のひとつひとつに勇気づけられた。
リュウジさんのモツ煮つくりたいなぁ。
■ 心に残った内容
・お互いにリスクを取って結果をつかみに行くという姿勢からしか良いものは生まれない
・お金のためとか、自分の利益のために動く人をかなり信用している(中略)目的がはっきりしているから一緒にリスクを取ってくれる。うまくいったら利益の分配、うまくいかなければ解散
・大事なのは、今できることを今やるということに尽きる。待っていてはダメ
・言葉もまた、”調味料”のひとつ
・ハッタリをかませ
■ 料理を作っている人を孤独にさせる人たち
・「意識だけが無駄に高い人」「手間暇至上主義の料理好き」の主張こそが台所を孤独な場に変えてしまっている。
・今はみんながキツいから共働きも働きも増えている。そういう社会変化があるのに昔お母さんがやってくれていた3品も4品も並ぶ食卓をパートナーに求める連中がまだ残っている
・「お前の飯はまずいから自分の好み通りに作れ。ただし何が好みかかは言わないから、美味しいと思うまで作り続けろ」そいういプロのシェフに言えないことをパートナーに無償でやれと言っている連中