あらすじ
こんなにも、懐かしいのは……。
もしその人の世界をかたちづくるのが記憶なら、それを失くした彼女は世界の果てに放り出されたようなものだーー。
「ねえ、『ここが世界の果てなら』って。そう考えたらいいと思う」
夜の公園で、君の奇抜の提案に、俺はつい言葉に詰まる。
世界の果て、世界の終わりーー果てと終わりの向こうには未知が広がる。それはそこにたどり着いた誰かの可能性そのもの。
「ねえ、そしたらその先は、誰もが初めて見る景色だから。
誰も見たこと無いならさ、それは自分だけのものじゃない?
だから、不安なんてただの古い世界の言い伝えって思えば……」
そんなふうに思えたら、俺はなにも考えずにいま君を抱きしめることも出来るんだろうか。
「……ねえ、わたしのこと好き?」
双子の姉妹、まひると真夜。幼なじみの少年、慎司。それぞれに恋心を抱きながら育ち、やがて高校生となったある日、真夜は事故により記憶を失い、日常がゆるやかに崩壊をはじめる。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
恐らくミステリ好きにはこのトリックは最初の50ページくらい読めば分かってしまいます(笑) が!自分はプロローグで一気に惹かれ、トリックにも気付かないままラストまで行った幸せないタイプだったので純粋に語りますが、世界観を破壊する話だと思いました。過去を肯定するか、否定するかではなく、破壊して未来へと進むお話。それが問題作たる所以でしょう。文章の表現もとても綺麗だし、読みやすい。ガガガらしいラノベらしくないラノベらしさが出ていて、読んで損はないラノベだと思いました。
Posted by ブクログ
展開はかなり早くに読めるが、最後に一捻り待っていて、好みではないが興味深かった。
語りの軽さと物語の低調音の重さのギャップが私には面白かったがダメな人にはダメだろう。
少なくとも著者の他の作品が読みたくなる程度にはじゅうぶんおもしろかった。
余談だが登場人物の名前からすると、この人は金沢市出身なのだろうか? それとも毎回適当な場所から名前を拾う習癖なのかしら?
Posted by ブクログ
ひたすら淡々とした、あっさりとした描写で進められる物語世界に待ち受けていたのは、何とも背中が寒くなってしまうようなものでした。異なる3つの時間軸が入り乱れることで、物語世界の全容がつかめぬまま、読み進めていました。勘のいい人なら、途中でオチに気づいてしまいそうですが、それであってもこちらに幸せについて問いかけるようなラストに心が乱されるようでした。彼女はそうであることを選んだけれども。彼はそうであることを選んだけども。せめて、世界の終わりで彼らが逃げないで向かい合うことがあることを祈りたいです。
Posted by ブクログ
ライトノベルを超える!と某所でみかけて期待しすぎたみたい。
軽く読めます。まぁ、オチはわかりやすいというか。それ以外に考えようがないというか。
オバちゃん世代は逆タッチじゃん、と思いました。
Posted by ブクログ
双子と友達以上恋人未満な関係でモニョモニョしてたら
双子の片割れが事故で記憶喪失に.
そんな感じの恋話.
サブタイトルは日付で統一.
そして話が行ったり来たり.
この手法ってば苦手なんだよなぁ….
本の前から後ろに時間が経過して行ってくれないと.
途中で「あっちがああなってたときこっちではこんなことが」
って流れならそれほどキライじゃないんだけとも.
Posted by ブクログ
キーワードは「記憶喪失」「三角関係」「双子」「不自然」。一般小説でもいける内容だと思う。喪失感のある、この感じは好き。グッドエンドで終わらないところも好みです。読む人は選ぶかもしれないけど、良作の部類に入っていいと思う。