あらすじ
級友たちを襲う死者の群れ……ほくそ笑む僕
「最悪の学校、どうしようもない社会。ゾンビが現れてぶっ壊してくれればいいのに」
現実を呪い、ゾンビ映画を観ることだけが生き甲斐のネクラ高校生・丈二。
しかし、臨海学校で訪れたとある島で、丈二たちは本物のゾンビパニックに遭遇することになる。
ゾンビ映画マニアの知識とハッタリで、クラスメイトを救い皆から頼りにされることになった丈二はヒーロー気分に酔いしれるが、逃げ込んだショッピングモールで、とんでもない光景に出くわす。
それは、ゾンビパニックに乗じて生徒たちを奴隷化し君臨した「女王」が支配する、とんでもないコミュニティだった――。
『ほうかごのロケッティア School escape velocity』でロケットと青春を描いた大樹連司が、今作ではゾンビとルサンチマン・ヒーローの組み合わせで青春の暗部を抉り出す。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ゾンビものには様々なバリエーションがあるが、スクールカーストものとこれほど相性がいいとは。
ゾンビを愛するものが、教室という地獄を滅ぼすためにゾンビを望む。ラノベ的要素をふんだんに用いながら、若者の葛藤と苦悩と勇気を描く。面白い!
Posted by ブクログ
学園ゾンビなラノベ。しかし、なんとも素晴らしい傑作でありました。
オーソドックスなゾンビ映画をなぞるような展開でスタートするが、中盤以降はスクールカースト問題を巡る内容が中心に据えられていく。
ロメロがゾンビ映画で風刺した消費社会が、学校内の風景に置き換えられる。そのストーリー展開がいかに幼稚であっても、妙に説得力を感じてしまうのだ。
「非常時にあってはLPレコードさえも兵器となる。」とか、ゾンビ映画ファンをいちいち微笑ませる細やかな描写も好し。そして、青春物語に終結していくラストもまた好し。
Posted by ブクログ
スクールカーストの話が中心でゾンビ映画はその添え物といった印象。
HOTDのデッドコピーかと予想してたけど全然そんなことは無かった。たぶん目指してる方向性は間逆。
しかし、先生は、あれはもうちょっと何とかならなかったのだろうか・・
思ってた以上に良かった
ゾンビ好きによるゾンビ好きの為の物語と言ってよいでしょう。
割引しててたまたま目にしたので購入しましたが思っていた以上にゾンビ好きには頷ける場面が多かったと思います。
走るゾンビと歩くゾンビの是非もよくあること、それでケンカもよく解る。
一巻で終了というのも軽く読めてよいと思います、ダラダラ続けるのは良くも悪くもあるというのは海外ドラマのウォーキングデッドを見ればよく解るのではないでしょうか?
Posted by ブクログ
サクサク読めるし、この後の展開はどうなるのか、っていう引きもあって面白かった。エンディングも青春的なハッピーエンドで読後感もとても爽やか。
ただ、ゾンビ物として見ると、ちょっとイメージとは違うかもしれない。主人公たちは普段学校ではしいたげられている立場だったりと、クラス内階級が話の中心にあって、それに対する主人公と莉桜の意見の相違が面白い。そういった点でもゾンビ物というよりかは青春物のイメージが強い。
そんなこんなで、ゾンビ自体は話の本筋から離れてしまうこともあって印象は薄い。
昔ながらのノロノロゾンビで、あっさりやられてくので、正直緊迫感にはかける。
まあ、作者としてはゾンビに対する恐怖を描きたいワケではなく、上述の様な、クラス内階級とそれに対するそれぞれの思いに関して描きたかったのかなとも思うので仕方ないか。
他のレビュアーの方々の意見にもあったが、ルミ姉の存在が邪魔だったなぁ…そもそも強すぎだし、ぶっとび過ぎていて、ある程度リアル感のある物語の中で完全に浮いてしまっている。ラストも、ルミ姉抜きで、仲間たち五人で力を集めて切り抜けるって展開の方が燃えたかなと。
ラノベらしく、主人公と莉桜、いずなの3人はしっかりキャラがたっていたし、莉桜といずなの二人はキャラとしてとても魅力的だった。物語途中からのいずなのデレは破壊力抜群だったし、莉桜のぶっとんだ考え方もそれはそれで過去にあまりないキャラだと思うので良かった。イラストもよかった。
若干ハーレムに近い展開になるので、自分の様にそういうのも好きな人にはすごいハマると思う。
Posted by ブクログ
作者のゾンビ映画への愛情が溢れ出た作品。
普段はオタクで鬱屈した毎日を送っていたのだが、ゾンビ映画の大のマニアだったので、その知識を活かして一躍ヒーロー!女の子にモテモテ!
的なきちんとラノベ文法を守った童貞の妄想大炸裂の非常に良い作品です。
途中、クラスのヒエラルキー下位を経験したことがある人なら誰でも一度は抱いたであろう暗い願望的なものが前面に出すぎていて、一体どうなってしまうのだろうと色んな意味ではらはらしましたが、爽やかな結末を迎えることになります。このあたりもきちんとラノベをしていて大変好感が持てます。話的に次回作は難しいかもしれませんが、もし出るのであれば読みたいと思う一冊でした。
Posted by ブクログ
孤島でゾンビ騒動.
途中まで面白かったんだけど
厨二病をこじらせた委員長が独裁政治をやりだしてから
面白くなくなったな.
ああでもエロゲ的な「お背中お流しします」とか
「ご主人様,お願いします,あたしを,抱いてください」とか.
ゾンビモノなのにサービスシーンがあったわ.
エロシーン突入かと思った?残念!ガガガ文庫でしたー!
というわけですね.
Posted by ブクログ
ライトノベルというものを読んだことがないくせに、「ゾンビ」ものだということで読んでみましたが、怖くない。ゾンビオタクの少年の妄想がたまたま現実化しするという話。高校の勉強合宿の舞台となった離島がバイオハザードに見舞われて、主人公たちがショッピングモールに集まるという話なのですが、悲壮感はありません。軽い萌えアニメ調なのはライトノベルのお約束なのでしょうか。とはいえ主人公たちは類型的ではありますが、魅力的。これも偏にイラストレーターの力なのでしょうか。
Posted by ブクログ
ゾンビマニア+スクールカースト。テーマそのままの本。「下らない日常に戻ったってゾンビ映画(=好きなもの)があるから生きていける」という主張は平凡じゃないか?
章タイトルがツボった。一章「これはゾンビですか?」、二章「アイアムアヒーロー」、三章「LEFT 4DEAD」……と十章「DAWN OF THE DEAD」と続く。ゾンビ好きにはたまらないでしょう。
Posted by ブクログ
タイトルから察せると思うけどいわゆるゾンビものの作品。後書きにもあった通りJ.A.ロメロ監督作品等を研究している内容だった。ただ主役はゾンビではなくむしろそういう極限状態に置かれた人間模様。文字ではスプラッタは表現しにくいですからね。残念だったのはこれを読んだのがH.O.T.D以降だったということなので読んでいて既視感があったということくらいかな。H.O.T.Dを読んでない人は読んでみてもいいと思います。