あらすじ
出版という仕事は、編集であれ、営業であれ、「おもしろい」を日々扱う。そういう仕事なのです――。一冊一冊に向き合い、著者と読者をつなぎ続けて四半世紀。「仕事としての出版」の現実とこれからを語ります。 【目次】第1章 ようこそ、出版の森へ/第2章 「本好き」と「出版の仕事」を分けるもの/第3章 編集者のしごと――企画のたて方とそれ以前の話/第4章 先人たちの歩んだ出版の森/第5章 営業のしごと――最初の読者として/第6章 商売として――読者と消費者のあいだ/第7章 未来の森を育む
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「出版社の仕事ってどんなことやるの?」
「出版の仕事のおもしろさって何?」
そう思ってる人にこそ、読んでほしい。
つくる、届ける、商売する、読む。
こうした要素が有機的に関係し合ってひとつの生態系を形作っている、出版という仕事の現実について。
「出版の仕事って、やっぱりおもしろいよね」
読み終えた時には、きっとそう思えているはず。
僕がそうだったから。
『出版という仕事』三島邦弘
Posted by ブクログ
新進気鋭の出版社の社長本。具体例をもとに、編集だけでなく、営業や業界独特の流通など、オリジナリティはありつつ、わかりやすく解説している。
出版以外にも参考になることとして、面白がることを掘り下げて説明していることが挙げられる。
仕事に興味を持つとは言われても、なかなかできることではないが、コレができるかで仕事へのスタンスは大きく変わると思う。
また、商業出版ならではのコストの話は、売り物である限り、全ての仕事人に役立つと思われる。
Posted by ブクログ
#ヨンデルホン
#出版という仕事 (ちくまプリマー新書 497) / #三島邦弘(#筑摩書房)
#ドクリョウ #ヨミオワリ
日々多くの新刊が出ている裏に返本四割の現実があり、取次の口座をもつ店だけが「書店」として数えられる実態があることを知った。「出版」がおもしろいということも。
Posted by ブクログ
出版の仕事はなくならない。変化する世界とともに言葉もまた変わり続ける。
出版不況と声高に言われる今だけど、希望を持てるような本だった。
本作りの裏側を垣間見ることができて目新しさもあった。日常の中で、おもしろマグマを捉えられる心眼を養っていきたい。
Posted by ブクログ
友人と今年上半期の芥川賞・直木賞が該当作無し、ということについて激論になったことがあります。そんなことで激するなよ、って感じのおっさん酒飲み話でお恥ずかしい限りですが「今の書店の苦境を考えれば作品の質とかの上から目線で話題を作る機会を逸するのは許せん!」というのが友人の主張で、自分の知っている出版社の経営者が「必ず年2回出すって必要ないんじゃないか?」って言ってたと伝えたら、だからダメなんだ!と怒られた訳です。失敗しました。でも本を愛する人は本屋さんが苦しんでいることを看過できないのだなぁ…と感じました。そういう意味では自分も一緒です。このちくまプリマー新書は若い世代に世の中の仕組みのことを先輩たちが丁寧に教えてくれるシリーズで中高年にとっていい本が揃っています。この本棚にも何冊か。そしてミシマ社の本も何冊も登録しています。読んだ本はどれもが何かの優しさを持っていて、これ社長の想いの表れなのだと読みながら感じました。まさに「一冊入魂」。またパブリッシングは紙でもデジタルでも同じ、という今時の考え方ではなくあくまで手に取れる「モノ」クラフト作品と考えていることも納得できました。思い出すと読んだ本のどれもが権威主義的じゃなく、煽りがなく、そして重くなく(これ、実際の重量の話です。)なんか人肌の本ばっかりの印象です。でもそのやさしさの内には編集者の「おもしろマグマ」という熱いものがあることも納得しました。作者と読者、出版社と書店の間を繋ぐ清流として、ミシマ社のこれから、そしてそこから拡がる支流が希望だと思いました。
Posted by ブクログ
なるほど聞いたことのある出版社の方だ、というのが第一印象。
自伝的な語りで、出版文化を守ると声高に叫ぶようなテイストといった感じは薄く、出版業界のビジネスの流れを追いつつ、そのありうべき形を模索している。
書店の減少が叫ばれる中で、実態としての個人書店の立ち位置などは知らない事実だった。
Posted by ブクログ
ふと手に取って。出版の中にいる方が、出版に対する面白さや希望・展望を溌剌と語ってくれる本は明るくて面白かった。し、こんなに真剣に向き合われているんだと思うと有難いような、応援したいような、元気をもらえるような気持ちになる…笑。本好きとして出版や本の制作に関わってみたいと思いつつ、いつも横目に眺めていた人生だけれど、改めて面白いなあと思った。