あらすじ
『生きがいについて』『こころの旅』と並ぶ、ハンセン病治療につくした精神科医・神谷美恵子の代表作新書判の初文庫。弱い自分を支える、人間を越えるもの、恩恵、使命感の意味を問い直す。
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神谷美恵子さんは、尊敬するひとは誰かを問われたら、挙げたい人。
使命感の話が特に印象に残った。最近のSNSなどでのヒステリックな主張などは、これに当てはまると思う。
私自身も気をつけたい。
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静謐な文章 そして医学的
昨日話を聞いていた人が、次の日、自ら命を絶ってしまう。果たして自分に何ができたのか、果たして自分は、何をできなかったのか、そういったなんとも言い表せられない経験を経ている精神科医神谷美恵子さんだからこそ、「人間を超えたもの」に思いを馳せねば「人間を支えつづけること」は困難であったのではないかとも思ったし、「人間を超えたもの」への視野視点の大切さを感じた。
人間を支えてくれるものへの想像力
存在のしかた
ありかた
自分への執着から離れること
『要するに自己とか自我とかいっても、そもそも自分からこの世に生まれてきたわけでもなく、いわば「存在させられたもの」にすぎない。それはちょうど、花やけものや天体とまったく同じように、「存在させられている」にすぎないのだから、究極的には「存在させられたもの」の前に、草木や星のように、素直に存在するしかないと思う。』
少し俳句的に感じる。ただの日常の風景のどこにぐっときて、何を感じ、どの季語に託すか。
もう一度ゆっくり読み返したい本だった。
1月に読めたのはなんかよかったな。
Posted by ブクログ
いつか読もうと思ってたところ、気がついたら文庫化されていたので即購入。
主著「生きがいについて」に先行して読みました。
「生きがいについて」の続編のような立ち位置らしいですが、コンパクトでよりエッセイのような柔らかい言い回しであるので、とても読みやすかったです。
人間の生存条件から脳の役割、生きる意味や意義、また必然的な思考の到達点として、超越者の話しまで及びます。
深い知性と女性ならではの柔らかさのある思想と文章がすごく良かったです。
エッセイのような哲学書。
Posted by ブクログ
これもまた名著。
正直、理解がついていけてないのだが、宇宙全体、生命全体に思いを馳せて畏敬の念をもつことで、生きていることへの喜びと感謝が湧いてくる。そして、生きていることの輝きを感じるということと理解した。生きがいは、そのあとに自ずとついてくるのではないか。
また、読み返しては神谷氏の意図を咀嚼し、問いかけたい。
Posted by ブクログ
神谷美恵子氏は『自省録』の翻訳者として知っていたが、著作に触れるのはこれが初めてだ。
本書は、著者の豊かな臨床経験に基づく洞察と、自身の体験からにじみ出た思索をもとに綴られている。
その主張は、「生きがいを求める心に誠実でありつつ、それすらも失ったときは、人間を超えた大きな存在(宇宙の摂理や神のようなもの)に身を委ね、ただ『在る』ことを肯定する」ことだと私は受け止めた。
別の表現を借りれば、「どんな状況下でも人間が絶望しきらずに済むための精神的なロードマップ」と言えるのではないだろうか。
人間そのものや生きがいについての医学的・哲学的洞察は、私にとって非常に示唆に富むものであった。
Posted by ブクログ
神谷美恵子さんの「生きがいについて」の補足として、書かれた本。連ちゃんのエピソードを微笑ましく思いながらも、連ちゃんの入所に至るまでの生い立ちに驚いた。100年前の話ではなく、昭和、恐らく戦後のことだろうと思われる。野良犬のように生きてきた連ちゃんの優しさのエピソードには、なんとも言えぬ気持ちになった。
「うつわの歌」に、生きることへの感謝、そして謙虚さを感じ、自分には欠落していると自覚し、やはりなんとも言えない気持ちになる。
神谷美恵子さんの文章はとても読みやすい。時に優しく、時に力強く語られる言葉に励まされ、見守られているように気持ちになる。