【感想・ネタバレ】脱資本主義宣言―グローバル経済が蝕む暮らし―のレビュー

あらすじ

ミリオンセラー『完全自殺マニュアル』著者、12年ぶりの新作完成! 自動車・洋服・自販機・電力……無理やり作られていく需要のからくりとは? そして豊かな国々の浪費こそが、貧しき国々を苦しめる! 経済成長至上主義、過剰消費、食料、貧困、環境破壊――今この世界の“本当の問題”が見えてくる、21世紀必読の書!

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Posted by ブクログ

ひとつひとつの話題が読みやすく、現代社会が抱える問題がよくわかる。
きちんと読み手のことを考えてやさしく解説しているところは
好感を持てる。
ただ、このタイトルは人を選ぶし、
端々で著者の活動や主張が描かれるところは
賛否がわかれるんじゃないだろうか。

文中で『いのちの食べかた』を話題に出すなら、
この映画のように現代の矛盾や生活している上で見えないこと(見えにくくなっていること)を
主張を織り交ぜずに淡々と綴るだけでもインパクトがあったかもしれない。

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2013年03月29日

Posted by ブクログ

引っ越しの時に業者に頼まずに友人に謝礼を払って手伝ってもらう、外食せずに好きな食材で弁当を作る、遊園地で遊ぶのをやめて公園で自然を感じて遊ぶ、CDを買わずに友人から借りる、というようなことを辞めて逆を目指すとGDP(=豊かさの数値)が増える。ってこれってどうよ? 人とのつながりを楽しむほどにGDPが減り、日本が貧しくなって行く? 経済成長を優先してできあがった今の貧しい先進国が、手を差し伸べるふりをして、新興国を巻き込み、経済的に貧しい人を陥れている現状を見直そう、ということが詳細なデータとともに書かれている。

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2012年09月02日

Posted by ブクログ

 私たちの日常生活、及び企業活動が知らず知らずに自国(北)本位の資本主義活動に流されていることを改めて気づかされた。
 特に製造業の理念は「お客様満足」と謳われるが、もう一段視座を上げ、地球レベルで考えると何の目的で企業活動に取り組んでいるのかを考えさせられる。
 もう少し資本主義の意義づけ、意味づけについて掘り下げて学んでみたい。

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2020年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 震災直後の空気を感じさせる時評的な内容でもあったため、読書習慣を失っていた時の発売で読むのが遅くなったのはもったいなかった。お金や産業に振り回されているのは感じても抗おうなどと思いもしなかったのだが、地道な家庭菜園などもその延長であると提示されていた。だったらオレが好きな釣りはどうなのだろうか。高い釣具やルアーや車での移動は資本主義活動に組しているとしか思えない。高級魚が安く釣れたらいいな。

 80年代に中学生だった自分は学校で先生に「日本は成功した社会主義だ」というような事を言われ、そうなんだ~みたいに思っていた。それがすっかり新自由主義のでせいでおかしくなったのかな。富がもっと平等に分配されたらどんな世界になるんだろう。みんな不自由しなくて済むのかな。80年代みたいになるのかな。80年代はそんなによかったのかな。

 鶴見済さんの文章と考えが好きなのでもっといろいろ書いて欲しい。

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2017年08月07日

Posted by ブクログ

オレは鶴見済(ワタルさん)が大好きで、特に『檻の中のダンス』の頃は、オレもあちこちのレイヴで踊ってたし、反原発デモでも、たぶん同じように盛り上がってた。
だから、同じ時代に同じ場所にいる人、というカンジがする。

特に『檻の中のダンス』は本の表紙もデザイン良くて、六本木の本屋でジャケ買いした。ワタルさんのサイン入りだったし。

そんな、鶴見済が、まさか、こーゆー本を書くようになるとは・・・予測できなかった。しばらく、消えてたし。おクスリのやり過ぎで体調悪いのかなあって心配してた。でも、帰ってきてくれた。

オレの、政治的ツイートのアカウントでは、フォローまでしていただいて感謝。ワタルさんから返信してもらったし、彼のツイートには注目してる。
オレはナイキが好きだから、ナイキ批判はなかなか理解できないけれど。

でも今、日本では、時計が逆向きに回り、独裁政権の時代に逆戻りして、心底ウンザリしてる。
選挙のときに、有権者が選ぶことができない、見せかけの選挙の時代に逆行して、もう絶望した。

だから、オルタナティヴ(代替案、代替手段、習慣にとらわれない、非体制の、1990年代のカウンターカルチャー、カウンターカルチャー的なもの)がものすごく欲しい。

オルタナティヴな試みは、すでに世界中で行われていて、原発反対デモのときはすげー盛り上がったし、アラブの春や、ウォール・ストリート占領みたいなことを、オレたちだって、もっとやりたいし、やるべきだ。

昔のマルクス主義や宗教的カルトの教条主義なんかじゃなくて、もっと自由に考えて自由に行動できるような、現実に政治や社会を変革できるような、自分自身も盛り上がれるような、そういうきっかけになる本だ。

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2017年08月08日

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完全自殺マニュアルの著者( @wtsurumi )による経済実例書。

わざわざ地球のどこかを犠牲にしながら、むだに浪費している。この仕組みを作ることにより、どっかの誰かが得してる。地球も犠牲にしながら。そんな暮らし方を考えて、改めませか?って本。

まずは知ることから。

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2013年01月28日

Posted by ブクログ

『完全自殺マニュアル』の著者。
資本主義の瑕疵を指摘するための、呪詛のような本。
綿花、自販、自動車、マクドナルド、洋服、ゴミ、電力などなど…。
すごく、いろんなところに申し訳ない気持ちになる。
自然界のことも考えて生きよう、と言うが、今これから自然に生きることの、なんとむずかしいことか。
テーマが広すぎて、あまりひとつひとつに深く掘り下げられてはいないけど、こういうことがあるんだ、と改めて気付かされる。
必要に駆られてモノをつくるのではなく、設けるために大量にモノをつくって、飽きさせて、というサイクルが恐ろしいものに感じられた。

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2012年10月04日

Posted by ブクログ

「自分が常々こんなことを思い巡らしているのは、実は地球のためではなく、自分が楽になるからだ。」という一文があったから、全体を流れるトーンに共感できた。
新自由主義など、よくわからなかったことが、丁寧な説明で、前よりは少しわかるようになった気がする。

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2012年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「グローバル経済」が金科玉条のように言われて久しいけれど、それは本当に人間を幸せにしているのでしょうか。答えははっきりしてきました。「一部の人間は確かに幸せになるが、大部分の人間は生活を破壊され、貧しくなる」のが現状です。「グローバル経済」は世界の富を均等に分ける方向には機能しないようです。逆に一部の国家、あるいは一部の人間に富が集中し、その格差は開いていく一方です。本書では現代の経済がいかに資源を浪費し、無駄なものをつくることでGDPを水増しし、発展途上国から収奪しているかを多くの事例を挙げて解説しています。自分自身、広告に携わることでその片棒を担いできたこと、あるいは消費者として多くの資源を浪費してきたことを思うと非常に心苦しく思います。私たち個人が具体的に出来ることはなんでしょうか。過剰消費を抑える、自然に触れて「循環するシステム」への理解を深める、選挙やデモで「アンチグローバリズム」を表明する…。少しずつですが、そういった事で世の中を変えていくことが出来るのではないでしょうか。福島の原発事故で私たちが学んだことは「そんなことを言ったら経済が成り立たない」というロジックは完全に間違っているということです。「経済」というものは経世済民〜民の暮らしを救うためにあるもので、その逆ではないのです。経済を守るために人間が犠牲になっている、この社会を変えることは私たちに残されたフロンティアであると信じたいと思います。

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2012年09月28日

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ひとつひとつの話題がコンパクトにまとまってるし、全体を俯瞰して見ていくと、相関関係がわかるような。終盤、少しだけトーンが変わって、農園作りの話。ピースマークはいかがなものかと思ったけど、夜明けの時間帯っぽいぼんやり度がまた、よかった。

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2012年07月22日

Posted by ブクログ

学生時代に課題図書として読んだのを再読。当時は随分と興奮した気がするけど、いま読むと少し距離を置きたくなる語り口でした。思想として読めるけど、ちょっと論展開に無理があるし、アプローチもう少しあるよなと感じてしまう。

ただ、いったん立ち止まり、世界に目を向けることができたのは良かったです。同意する部分も批判したい部分も共にあるけど、そんなふうな楽しい時間をくれたことに感謝です。

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2023年08月01日

Posted by ブクログ

思ったよりけっこう過激な印象。ただ、いきすぎた生産や消費を終わらせるべきなのは同感。すでに私たちは十分過ぎるほど豊かなのだから。

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2023年03月27日

Posted by ブクログ

完全自殺マニュアル・人格改造マニュアルの鶴見済さんの著書。
著者が市場経済の肥大化を批判しつつゆるいつながりを大切にするオルタナティブな生き方を実践する作家になっていたことに驚いた。
(もともと東大卒のサブカル系ノンフィクション作家という十分にオルタナティブな生き方をしている人ではあったけれど。)

本書は反資本主義本書の立場で語られる。
そのため、市場による分配は権力による分配より圧倒的に優れているというスタンスの自分からすると「本当にこれを無くせばうまくいくのか?」と疑問符がつくエピソードは多い。
だが、ソ連の計画経済のもとでのアラル海の縮小やアパレルメーカーのスウェットショップなど、ここで語られる問題は積極的に見ようとしなければ見えないものばかりだ。
むしろ、市場を通した分配の利益を信奉する現代人からすると、意図的に無視し、問題視する人の方を偽善者・陰謀論者とみなしがちである。

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2021年08月24日

Posted by ブクログ

副題「グローバル経済が蝕む暮らし」~Ⅰ身近にあるグローバル化の被害1服と綿花とアラル海2原発の輸出と重工業界の支配3ゴミの輸出と交わせる戦略(反抗のコラム1デモ~普遍的な不満の表現手段~)4コーヒーと南北問題の歴史5スポーツ・ビジネスと搾取工場6ジーンズと西洋の文化的侵略(反コ2サパティスタ民族解放軍~グローバリゼーションへの反乱~)Ⅱ経済に使える国・日本1アルミ缶とインドネシア2自動車を増やす陰謀3日本人はなぜパンを食べるのか?(反コ3世界社会フォーラムと自律スペース~「今とは別の世界」の実践~)4自動販売機はなぜ増えたのか?5アメリカが増やしたタバコの輸入6マクドナルドの何がよくないのか?(反コ4ラテンアメリカ革命~巨大な自律経済圏~)Ⅲ初心者のための“批判的”経済入門1誰にでもわかる資本主義の定義2GDPと自由貿易とカネへの依存3金融危機と自由主義経済の歴史4通貨危機とバブル経済の仕組み5「南」の債務問題と貧困の原因(反コ5宮下公園ナイキ化反対運動~自分たちの場所を作る~)Ⅳ自然界とのつながり1人間界の外側2大豆と消えゆく農業3水を買わせる仕組み4霊長類とビタミンC5自然界の循環と死と再生(反コ6新しい農業~増えてきた素人の農民~)~思い出したのはピースボートという船が動かなくなって抗議のためにデモをする年配の者を冷ややかに見ていた若者という構図を喋っていた古市という若手社会学者の話。何だか嫌な奴だと思ったが。今時の若者のように現状を肯定的に見るのも嫌だけど,文句ばかりの奴も嫌だ。じゃあ,どうするのってことで,どうしようもないし,反抗のコラムみたいにやると反日,在日?悪者扱いだ。権力に阿るネット右翼って立場として楽だろうなぁ…生理的に嫌な者は在日,反日家にしてこき下ろせば良いんで…バカみたいだけど

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2015年02月02日

Posted by ブクログ

先進国に住む我々にとっては、経済流通の中の大量販売・大量消費の部分しかおおよそのところみえてこない。しかしながら、その前行程、後行程を支えている途上国を抜きには、経済の一連の流れというものを正確につかむことはできない。

本書においては、そこに関するいくつかをピックアップし展開している。加えて、目次をみて関心あるところから読み進めていける手軽さも持ち合わせている。

テーマを見て、一見すると過激な内容のものかと疑う場面も想定されるが、筆者の見解はあとがきで述べているように、「とりあえず理想とする方向に向かってみて、その先のことはその都度考えればいいという立場だ。なぜなら、どういう社会にすべきかは、それぞれの場所によって違う答があるはずだから。」という部分に集約されていると言える。

本を読むに当たっては、本の中身が大事なことは間違いないのだが、こと本書に限って言えば、あとがきを読むだけで筆者の言わんとしていることがしっかりと伝わるものになっている。

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2012年07月17日

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