あらすじ
永禄4(1561)年、川中島――。甲越双方6割の兵が命を落とす地獄の戦を左右した兇神「御左口神」。その力を利用すれば、天下もたやすく手に入るとされる兇神をめぐり、武田・上杉両軍、謎の忍者・加藤段蔵、若き日の真田昌幸、そして山本勘助が暗躍する書き下ろし長編時代エンターテインメント!
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Posted by ブクログ
ううむ、乾緑郎おそるべし。
予想以上にすんごい面白かったー。
さすが注目の大型新人。
てゆーかホントに新人?今までどこに隠れてたの。
戦国時代の予備知識なんて全くないですが、読ませる読ませる。
武田信玄が天下取りのために手を出した凶神。
戦場に降りれば血を求めて殺戮の限りを尽くす神。
川中島では敵を一網打尽にし、辺りを地獄絵図に陥れる。
その神の秘密を握る孤児の少女。
怪しい技を駆使する忍びの男・・・。
歴史小説読んでると名前とか似てるもんで血縁関係とか主従関係が混乱しがちなワタシですが、そのへんも多分できるだけシンプルにしてくれていて、わかりやすい娯楽に徹してる。
戦闘シーンとかスピーディで映像が浮かぶし、キャラクターたちもそれぞれ立ってる。
主人公の小梅が恋をする喜兵衛が妙にカッコいいし。
ファンタジー的な要素が強いし、文章のテイストも今時っぽさがあるので、歴史小説好きな年配の人より、若い人のほうがハマる気がする。
いやー満喫しました。
Posted by ブクログ
共に異形で実在したかどうかもわからない飛び加藤と山本勘助を中心に据え、忍法合戦ものの王道で非現実的な忍法が多々、登場するが、それらも地通り越して、甲賀三郎の諏訪伝説を下敷きとしながらも、クトゥルー神話まで引っ張り出した邪神召喚の話に繋がるスケール感は圧巻。前作も訳のわからない忍法が登場する話であったが、時系列が凝り過ぎていてよくわからなかったが、本作は、そのあたりは実にストレートでわかりやすい分、話としては、より面白くなっている。ただし、同じくタイムパラドックス的なものとなっており、同一人物が同時に存在するという矛盾にも一切、頓着せずに話が突き進む潔さはかえって好感がもてる。それにしても三姉妹の様なののうで、うち一人は曰くありげな異人としておきながら、何のひねりも無く、たfだ単に殺すというのも潔い。最後の佐助のくだりは少々、やり過ぎかもしれないが、まあ幸村が登場する以上、予定調和的な終わりで、これもあり。