あらすじ
この時代、西域の大砂漠を越え、大雪山を越えてインドまで行くのは、筆舌に尽しがたい苦難の旅であった。「求道の旅である。途中で命をおとしても悔いはない」六十五歳の法顕は、みずから天竺に渡る決意をしたのである。「私は命を必死の地に投じて、万に一つの希望を達したのです」法顕は旅行譚をきかせたあと、必ずそうつけ加えたという。
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玄奘より二百年前の天竺への長旅
「法顕」という僧侶は、西遊記のモデルになった、玄奘三蔵より200年前に長安から天竺にわたって帰ってきた僧侶です。
60歳を超えて、長旅に挑み、十四年かけてインドへ旅して、帰ってきたのは、見事としか言いようがない。
「法顕伝」を調べていても背景がよくわからなかったのですが、中国の歴史に詳しい作者の手によって、よくわかるように書いてあります。
小説の形をとっているので、生きた人物として読むことができました。
鳩摩羅什が破壊僧である、という事は書いてないが、呂光と言う将軍が鳩摩羅什の存在を隠した、という事はわかりました。