【感想・ネタバレ】裁判百年史ものがたりのレビュー

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Posted by ブクログ 2020年05月06日

明治22年(1889)明治憲法の公布以来行われてきた裁判の中で、のちの判決に影響を与えたものや、国・政府と対立したもの、冤罪だったものなど12件を取り上げ、書いている。小説家だけあって事件の様子は見ていたように再現されて読みやすく、また説明部分も、専門用語に頼らず分かりやすい。印象的なところ、感心す...続きを読むるところ、いくつもあって付箋だらけになった。

翼賛選挙を、命を懸ける思いで"無効"にした裁判官。
冤罪と思われる被告人らを支援しようと、雑誌への寄稿などで声を上げた文筆家たちに対し、「裁判官は世間の雑音に耳を貸すな」という訓示があった話。
無罪と死刑判決が繰り返された事件。
1995年まで残っていた「尊属殺人」の加重規定。形骸化していた時期にあった対象の事件を、どう裁くか。社会の変化とともに、裁判も変わっていくことの難しさは今でもあるし、これからもずっとあるのだと思う。離婚など婚姻についても、社会情勢の変化に遅れつつ判例もついていかざるをえないことがある。
そして最後、平成9年。弁護士の妻が殺害され、弁護士は初めて"被害者"の立場に真の意味で立つ。それによって得た気づきや味わった無力感から、「全国犯罪被害者の会」の設立へと至るくだりでは、たたみかけるような文章に胸の詰まる思いがする。
平成16年に犯罪被害者等基本法が成立したことが、ほとんど奇跡のような大転換だと分かる。

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Posted by ブクログ 2015年04月09日

日本の近代の歴史の中で、重要な裁判について取り扱われています。さすが小説家、というべきか、通常判例で記載される事実の概要とは異なり、ドラマティックに事実が描かれ、読む者を引き込んでいきます。
かつ分かりやすく裁判の内容にも切り込んでいて、法学部新入生や法律初学者におすすめ。

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Posted by ブクログ 2012年11月07日

ずっしりと読み応えがありました。一編読み終わるたびに、法とは何かと考えさせられ…。事件や裁判の描写はさすが夏樹氏、まるで小説を読み進めるかのように入り込めました。やはり私の一番好きな作家さんです!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年09月16日

予想以上に面白かった。
それぞれの裁判が、時代を反映しており、裁判の歴史は、日本の民主主義の歴史でもあるというのが、よく理解できる。
12の裁判は、よく選ばれているなと感心する。
裁判の歴史は、冤罪の歴史でもある。我々は、もっと裁判に関心を持つべきだと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年07月27日

事実は小説よりも奇なり。面白いし、勉強になる。最初に、起こった事件を小説のように書いてあるので読みやすいし、当事者の視点で判決が読める。最初の大津事件は感動。

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