あらすじ
四〇〇日ぶりに東京に帰ってきた沢崎を待っていたのは浮浪者の男だった。男の導きで、沢崎は元高校野球選手からの調査を請け負う。十一年前、八百長試合の誘いがあったのが発端で彼の義姉が自殺した真相を突き止めてくれというが……沢崎シリーズ第一期完結の渾身の大作。「世紀末犯罪事情」収録
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Posted by ブクログ
久しぶりの沢崎。皮肉っぽいきざなセリフは沢崎だから似合う。こんなセリフ現実には言えない。
魚崎という青年の姉の11年前の自殺の真相を追う。
少しづつ真相に近づきそうで、それを覆すように事件が起きる。最期は、意外な事実が判明する。
ラストの真相は驚かされた。
そして渡辺を巡る因縁も終わりを迎える。
Posted by ブクログ
渡辺の最後が、すごくあっさりしていて良かった。百合の正体にはえーっ!!てなりつつも、全体的にはぬるぬると解決していって、「仮説が核心に変わっていく」スタイルが斬新、かつ完成されていた。いい後味だ〜
Posted by ブクログ
一年以上東京を離れていた沢崎が最初にしたことは、まず連絡の取れない依頼人を探すことだった。
浮浪者に事務所を見張るよう頼んでいた依頼者は、10年以上前、高校野球の選手として注目を浴びたあと八百長疑惑をかけられた。
疑惑が晴れる直前に自殺した姉の、死の真相を探ってくれと頼む依頼者・魚住は、その後何者かに襲われ重傷を負う。
唐突に出てくる能の世界。
『花よりも花の如く』を読んでいてよかったな。
なんとなく能の世界のイメージができる。
この事件には二組の父と娘が出てくるが、どちらの父親もある意味毒親。
娘を憎んでいるのならまだしも、かわいいと思っていると言いながら、最終的には保身に走るのだ。
タイトルの「長き眠り」の意味が分かった時、本当に長い間無為に眠りにつかされた娘たちを思って、怒りが込み上げた。
さて、シリーズ最初から沢崎の周辺に出没する「渡辺」について、ひとまず片が付いた。
作者はこれでシリーズを終了するつもりだったのだろうか。
それとも、「渡辺」については些細なことなのか。