あらすじ
【内容紹介】
「トランプ2.0」の4年間をどう耐え抜くか。
今やるべきは「真の観光立国シフト」と「教育の抜本的改革」だ。
日米貿易交渉にも関わったマッキンゼー伝説のコンサルタントが総数100点を超える図版で解説する、トランプへの対処法と、「強い日本」を取り戻すための2つのソリューション
国際情勢のわかりやすい定番解説書として毎年親しまれてきた『大前研一 世界の潮流』が、今年は装いも新たに、大幅にボリュームアップして登場。
アメリカ大統領に復帰したドナルド・トランプが矢継ぎ早に繰り出す数々の奇策・恫喝に、世界は大きく翻弄されています。このような情勢下で日本のとるべき道は、トランプ政治の本質を正しく見極めたうえで、短期的には増え続けるインバウンド需要を取り込んで経済を成長させる「観光立国シフト」、長期的には新たな時代に適合する人材を輩出するための「教育改革」しかないと大前研一氏は断言します。
日本が世界に誇る知性・大前氏の鋭い現状分析と、日米貿易交渉への参加など豊富なキャリアに根ざした具体的な提言が説得力をもって読者に訴えかける、今年一番の話題作です。
【著者紹介】
[著]大前 研一(おおまえ・けんいち)
早稲田大学卒業後、東京工業大学で修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得。日立製作所、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長。著書に、『第4の波――大前流「21世紀型経済理論」』『経済参謀――日本人の給料を上げる最後の処方箋』(共に小学館)、『企業参謀――戦略的思考とはなにか』『世界の潮流』シリーズ、『日本の論点』シリーズ(共にプレジデント社刊)など 多数ある。
「ボーダレス経済学と地域国家論」提唱者。マッキンゼー時代にはウォール・ストリート・ジャーナル紙のコントリビューティング・エディターとして、また、ハーバード・ビジネス・レビュー誌では経済のボーダレス化に伴う企業の国際化の問題、都市の発展を中心として広がっていく新しい地域国家の概念などについて継続的に論文を発表していた。この功績により1987年にイタリア大統領よりピオマンズ賞を、1995年にはアメリカのノートルダム大学で名誉法学博士号を授与された。英国エコノミスト誌は、現代世界の思想的リーダーとしてアメリカにはピーター・ドラッカー(故人)やトム・ピーターズが、アジアには大前研一がいるが、ヨーロッパ大陸にはそれに匹敵するグールー(思想的指導者)がいない、と書いた。同誌の1993年グールー特集では世界のグールー17人の1人に、また1994年の特集では5人の中の1人として選ばれている。2005年の「Thi nkers50」でも、アジア人として唯一、トップに名を連ねている。
2005年、『The Next Global Stage』がWharton School Publishingから出版される。発売当初から評判を呼び、すでに13カ国以上の国で翻訳され、ベストセラーとなっている。経営コンサルタントとしても各国で活躍しながら、日本の疲弊した政治システムの改革と真の生活者主権国家実現のために、新しい提案・コンセプトを提供し続けている。経営や経済に関する多くの著書が世界各地で読まれている。
趣味はスキューバダイビング、ジェットスキー、オフロードバイク、スノーモービル、クラリネット。ジャネット夫人との間に二男。
【目次抜粋】
巻頭言 「トランプ2.0」の100日 ―日本と世界はどうする
第1部 「世界の潮流」――大激変する世界情勢
第2部 「観光立国論」――インバウンドで50兆円を目指せ
第3部 「新・教育論」――答えなき時代の教育のあり方
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Posted by ブクログ
今回は世界の潮流にプラスして観光・教育の論点を追加している。
今までの主張に肉付けした印象である。
・世界の潮流
アメリカの言うことを受け流せという論旨はまーその通りだなと思う。トランプは貿易赤字の解消を目指しているらしいが、貿易赤字が積み上がっているのは悪いことではない。最適国から消費者に安いものを届けることがで貿易赤字が積み上がるので、必然の結果ともいえる。
他各国の政治家も官僚もFactは理解しているはずである。
とはいえ、受け流すのには、国が強大であり、一定の妥協は必要である。その点に対する言及がないのはいかがかと思う。日米関税交渉の件を例に出しているが、トランプの場合は参考にはならない。事務方からのボトムアップで合意しても、トランプ自身が交渉の積み上げを反故にするような対応をするので、最終的にはトップ合意で物事を決めていくようにせざるを得ない。サシで交渉ができる強いリーダーに裁量を預け、うまいこと受け流し対応をしてもらい 混乱のないように事務方で詰めるしかないと思う。
・観光
外貨を稼ぐ日本の産業が観光しかなくなった事実を悲しく思う。政策はカタログ的。外国の事例は参考になる点はあるものの、そのまま日本にあてはめると失敗する。
例えば、富裕層を呼び込むための超高級ホテルが必須というが、観光資源を壊すような形でのホテル建築は失敗する。日本のサンセバスチャンを作る方策も、何が資源としてして活かせるかを元に考えないと、有効な手段になるとも思えない。
本州と佐渡を橋を架けるというのは実現性はどうなのかという論点もある。
あと、佐渡や甑島が観光に振り切るという覚悟がないとそもそもが成り立たない懸念がある。
・教育
大筋では同意。大学の無償化は必要ないと考えている。大学に行くインセンティブを高めるため奨学金を充実することのほうが必要である。教育に関しては、プログラム教育や英語教育に関しては、民間企業に任せたほうが有効に作用すると思う。
生成AIの登場でプログラム教育は修正は必要。プログラムの考え方と基本を徹底する方がよいと思う。〇〇を作るから動くものを作り、逆算して、理論を知る方が人材育成となると思う。