あらすじ
研ぎ澄まされた美意識旺盛な好奇心と行動力 有吉佐和子のエッセイ集ベスト版! 『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『青い壺』『非色』・・・・・・ 今また読まれている理由がこの1冊でわかる。歴史や社会問題、伝統芸能から現代人の心の機微まで、作品のテーマは多岐にわたり、また書くものは次々にベストセラーとなった昭和を代表する作家・有吉佐和子。若くして始まった作家人生を支えたのは美への探究心や旺盛な好奇心、行動力であった。その明るくバイタリティに溢れる人物像や創作の現場がうかがえるエッセイやルポルタージュをまとめる。ちくま文庫オリジナル・アンソロジー。
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Posted by ブクログ
有吉佐和子さんのエッセイをまとめたもの。
有吉佐和子さんははじめましての方で、私の本友達から譲っていただいた本。
自分からは知り合わなかった作家さんだと思う。
読みやすく文体に文量であるが、時々ドキッとするワードが出てくる。これは調べなきゃとか、そっちも読みたい!となってしまう。
中には笑ってしまうもの、共感して入り込み悲しみでいっぱいになるもの、文章の中にFX関数が仕掛けられているようなものもあった。
訳者としても才能がある方のようでこのあとは訳者としての有吉佐和子さんを知りたいと思う。
最後の方に出てくる、キリスト教の神父さんと「神について」会話したものは奥深いなぁと思った。オチもそうだけど〝分かりません〟というワードの持つ不思議な時間が心に残っている。
Posted by ブクログ
お母さんに勧められた有吉佐和子先生。
記念すべき初読書がこのエッセイ。
たくさん読まなきゃいけない本があった。
それらを読んでからまたこの本を読んだら一段と面白いだろう。
低音も高音も兼ね備えた豊かなシンフォニイでありたいという文は現代に残る名言だろう。
私もそんな生き方で自分を肯定していきたい。
Posted by ブクログ
あまり知らなかった有吉佐和子の育ちが知れて
言動の背景にあるものが少し理解できた
父親の仕事で海外で生活し
外から日本を見て育ち
帰国して衝撃を受けたこと
木と紙の文化の中の住居
そして敗戦国として混乱混沌
暮らしを見つめる目もたぶんクール
だったんだろう
Posted by ブクログ
「悪女について」や、「紀の川」などを著した舞台裏みたいなものがちょこっと明かされたり、
生い立ちと読んできた書物のことがよくわかったり、
岡本かの子さんへの深い想いが綴られていたりしました。
中でも、和歌山のおばあさまが体現していた古き日本文化に反発した有吉佐和子さんのお母様、そして古さと距離があったゆえに、自然にそれを吸収し、危篤状態にあったおばあさまの枕元で「増鏡」を何度も音読するほど、おばあさんと仲が良かったというエピソードには、親しみを感じました。
鋭い視点と行動力に憧れる。
そして、歴史を、女性の視点から見る徹底した姿勢にも痺れます。
次は出雲の阿国を入手して読みたい。
島根県にも行ってみたい!!
Posted by ブクログ
装丁の女性、凛として作者のイメージにぴったり。
解説で書かれていたように、エッセイ集は少なかったとは。
「女二人のニューギニア」は衝撃的だったけれど、これを読むとなるほどと思わせる片鱗がところどころに。
やはり、海外で育ったおおらかさが根底にあるのだろうか。
さてさて、これから少しずつ小説を紐解いていこうと思う。